サステナブル素材の活用 -ものづくり-
イトーキグループでは、ものづくりを進める上でプラスチックや木材といった多くの資源を消費しています。持続可能で環境に配慮した調達をベースとして製品の企画、設計段階での環境配慮等に関する評価を行い、調達、生産においても環境配慮型のグリーン調達を積極的に行うことで、製品ライフサイクル全体にわたって多様な環境負荷の低減を考慮したものづくりを行っています。
グリーン調達
イトーキでは「使用材料の削減、再生材の使用・リサイクル対応など省資源化に取り組んでいる」等グリーン調達基準を定め、サプライヤーの評価認定を行っています。また定期的に継続監査を行うことでサプライヤーのみなさまにもイトーキの環境活動方針、調達基準、環境に関する教育啓蒙活動を展開しています。当社サプライヤーでグリーン調達認定制度未認定企業については、調達部門や全社環境事務局によりグリーン調達先認定に向けての各種支援を行っています。
目標と実績
2023年度は、目標である「環境配慮型製品の販売促進」に対し、 「環境配慮型製品の定義と基準の再設定」および「環境配慮型製品の開発」を行いました。それぞれの内容については、以下の具体的な取り組みにてご紹介します。
2023年度のKPIと実績
2023年度目標 | 環境配慮型製品の販売促進 |
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2023年度実績 |
環境配慮型製品の開発1件 環境配慮型製品の定義と基準の再設定1件 |
具体的な取り組み
環境配慮型製品の定義と基準の再設定
イトーキでは従来より独自基準を設け、人にも地球環境にもやさしい製品づくりを行っています。環境課題が年々深刻化していく中、これからも地球環境への負荷を低減していくために、当社独自の指標として環境配慮型製品の定義と基準を見直し、再設定しました。新基準では、環境配慮のためにイトーキが大切にしている「温室効果ガスを減らす」「少ない資源で作る/リサイクルする」「廃棄物を出さない」「有害物質を出さない」「使うエネルギーを減らす」という5つの指針を設けました。
詳細は「ITOKI
Ecosystem
Initiative
toward
2050~自然共生」の特設サイトをご覧ください。
イトーキ環境配慮型製品
5つの指針
この指針に基づいて、社内認定しています。
Level 1 | Level 2 | Level Gold | |
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温室効果ガスを 減らす |
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少ない資源で作る リサイクルする |
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廃棄物を 出さない |
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有害物質を 出さない |
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使うエネルギーを 減らす |
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- 緑文字は各レベルの必須項目
- 黒文字は各レベルの選択項目(どれか1項目を満たす)
- Level GoldはLevel 2までの基準を満たし、かつどれか1項目を満たす
環境配慮型新製品の開発
リサイクル素材の活用や、構成部材のプラスチックからの置き換え、製品のロングライフ化など、CO2削減、循環型社会に貢献する商品開発を行っています。
Refelt(リフェルト)
再生素材を積極的に採用した環境配慮型製品「リフェルト」を開発しました(2024年発売)。環境配慮の詳細は、身体を包み込む3D成形の背座シェルに、使用済みPETボトルを繊維まで戻しフェルト状に成形するプロセスを採用することで、製造時の二酸化炭素の排出量を大幅に低減しました。
リフェルト
背座シェル
PETボトルの再資源化
トルテUチェア
2022年10月発売したトルテUチェアには、張地に廃棄ペットボトルのリサイクル繊維100%で作られたサステナブルファブリックを採用しています。また背・座クッションは取り替え、交換ができるため、製品自体が長期間使え、廃棄物の減量にも貢献します。
100%リサイクル繊維を使用した、サステナブル張地&ナチュラルカラー。
波打つような背もたれのパターンと、ランダムに現れるセラミック調の質感。
SUSTAINABLE ロングライフ設計
背・座クッションは取替え、交換ができるため、製品自体が長期間使え、廃棄物の減量に貢献します。キャスターや他の消耗部品も交換可能にするなど、製品のロングライフ化に取り組んでいます。
SUSTAINABLE 100%リサイクル張地
廃棄ペットボトルのリサイクル繊維100%で作られたサステナブルファブリックを採用。バージン繊維に比べて生産時のCO2排出量を約41%削減します。濃淡に染め分けた糸を凹凸感のある組織で組み上げ、豊かな質感に仕上げています。
ミートラウンジサステナブル
新たな素材の活用も進めています。東南アジアなどの熱帯地域で広く栽培されている短期間で収穫可能な一年草のケナフは、生長時のCO2吸収能力が高く(針葉樹と比較すると約7倍)、地球温暖化の防止に貢献している植物のひとつです。このケナフを原材料にしたケナフボードをトヨタ紡織(株)様と共同開発し、テーブル天板に採用した「ミートラウンジ サステナブル」を2022年に発売しました。
サステナブルな植物から生まれた天板素材
天然繊維の質感
サステナブルな植物「ケナフ」を原材料とした天板。天然繊維からつくられる独特な質感は、見た目からもナチュラルな印象を与えます。
二酸化炭素吸収能力が高いケナフ
ケナフとは東南アジアなどの熱帯地域で広く栽培されている短期間で収穫可能な一年草。成長時の二酸化炭素吸収能力が高く(針葉樹に比べると約7倍)、地球温暖化の防止に貢献している植物です。
CO2吸収能力
ケナフを基材とすることで、製造過程で発生するCO2排出量を削減します。
一部に反毛ワタ混リサイクル糸を使用
ホルム張地
一部に反毛ワタ混リサイクル糸を使用し、ツイード調に仕上げられたホルム張地。素材だけではなく、風合いも楽しんでいただけるようナチュラルな質感に仕上げています。
反毛ワタ混リサイクル糸の製造プロセス
生地・落ちワタ・はぎれを再利用→切断・反毛→紡績→完成
Olika(オリカ)eco、Wan(ワン)eco
他にも、「Olika(オリカ)eco」「Wan(ワン)eco」にはもみ殻をアップサイクルした素材を背座に使用するなど、廃棄物を有効利用しながら、同時に樹脂の使用量の削減も行っています。
もみ殻から生まれたやさしい素材
天然素材ならではの風合い
もみ殻を再利用した樹脂を背座シェルに採用、天然素材ならではの独特の風合いをお楽しみいただけます。
もみ殻再利用でCO2排出量の削減
従来廃棄処分されていたお米のもみ殻を再利用した樹脂を背座シェルに採用することで、温室効果ガスの要因となるCO2を排出する化石燃料の使用量を削減しカーボンニュートラルに貢献します。
もみ殻から製品までのリサイクルフロー
食品に適合しない農業副産物→コンバウンド製品→製品化
反毛綿リサイクル繊維を使用した張地
反毛綿リサイクル繊維
製造工程で排出された布の端切れを混ぜて織ったリサイクル張地。オーガニックなカラーバリエーションとネップの質感が、よりナチュラルな印象を与えます。
リサイクルフロー
生地・落ちワタ・はぎれを再利用→切断・反毛→紡績→完成
人の健康への配慮(GREENGUARD認証)
法規制や一般社団法人日本オフィス家具協会(JOIFA)が定めたガイドラインをもとに、健康に配慮した素材を積極的に採用しています。
また、米国の環境認証制度であるGREENGUARD(グリーンガード)認証についても取得を進めています。
グリーンガード認証には通常の認証と、より厳しい基準値を設定しているGOLD認証とがあり、イトーキは、Act(アクトチェア)、nort(ノートチェア)、vertebra03(バーテブラ03)などの製品がGOLD認証を受けています。
Act(アクトチェア)
nort(ノートチェア)
vertebra03(バーテブラ03)
levi(レヴィチェア)
今後の課題
環境に対する要請が年々増している中、オフィス業界の働き方提案においても環境貢献に対する目的や役割を一層明確にしていくことが求められているため、従来の製品ラインアップから環境配慮型製品への切替を急ぐ必要があると考えています。環境配慮型製品の考え方を時代にあわせてアップデートし、イトーキの持つ技術力とデザイン力を掛け合わせることでサステナブルな働く空間づくりを推進していきます。