目次
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サステナブル経営とは
サステナブル経営の基本的な考え方
SDGs・ESG・CSRとの違いと関係性
サステナブル経営が注目されている背景 -
サステナブル経営が企業にもたらす5つのメリット
企業価値・ブランド力の向上
事業機会の創出とイノベーション促進
従業員エンゲージメント・人材価値の向上
将来のリスクへの備えと対策
ステークホルダーとの関係強化 -
サステナブル経営の第一歩となる取り組み
廃棄物削減と資源の有効活用
多様な人材の確保と育成
環境にやさしいオフィス家具の活用
多様な働き方を支えるオフィス環境づくり -
環境と人にやさしいサステナブルなオフィス家具4選
Econifa(エコニファ)
Refelt(リフェルト)
MEET LOUNGE(ミートラウンジ)
wan eco(ワンエコ) - サステナブル経営に関するお悩みはイトーキにご相談ください
地球環境への保護意識が高まる中、近年では「持続可能性」を意味するサステナビリティという言葉をとてもよく目にするようになりました。さらにその中で、その考え方を経営戦略として発展させた「サステナブル経営」という経営手法も急速に広がっています。
本コラムでは、サステナブル経営の基本的な考え方から実践のポイント、そしてその実現を支える働く環境やオフィスづくりのヒントを通じて、これからの経営戦略の方向性をわかりやすく解説します。
サステナブル経営とは
まずは、サステナブル経営の基本的な考え方と、SDGs・ESG・CSRなど関連する概念とのつながりや位置づけ、そして注目されている背景についてみていきましょう。
サステナブル経営の基本的な考え方
サステナブル経営とは、短期的な利益の追求ではなく、環境・社会・経済の3つをバランスよく持続させることを目指す経営です。
その根底には、「現在の世代だけでなく、将来の世代も豊かに暮らせる社会を実現する」という理念があり、その理念のもとで気候変動や人権問題などの社会課題に向き合いながら、企業のレジリエンス(強靭性)と持続可能性を高めていくことが求められます。
さらに、環境・社会への配慮を財務情報とともに投資家に開示し、長期的な企業価値を高めることも、サステナブル経営を支える大切な要素といえます。
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参考:「サステナビリティ関連データの効率的な収集と戦略的活用に関するワーキング・グループ」(経済産業省)
https://www.meti.go.jp/shingikai/economy/hizaimu_joho/data_wg/index.html
SDGs・ESG・CSRとの違いと関係性
サステナブル経営を理解するには、SDGs・ESG・CSRといった関連概念の位置づけを整理することが重要です。
いずれも「持続可能な社会」を実現するための考え方ですが、SDGsは社会全体の目標、ESGは投資や評価の基準、CSRは企業の責任や行動を示すものです。
そして、それらを包括的に経営戦略に取り入れることが、サステナブル経営の実現を後押しします。
SDGs(持続可能な開発目標)
SDGsは、2015年に国連が定めた2030年までの国際目標です。
社会が抱える問題を解決し、より良い未来を作るための17のゴールと169のターゲットで構成されており、世界規模の課題解決に向けた具体的なロードマップとして機能しています。
企業にとっては、経営方針を決める際の重要な指針となっています。
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参考:「持続可能な開発目標(SDGs)活用ガイド[第2版]」(環境省)
https://www.env.go.jp/policy/sdgs/
ESG(環境・社会・ガバナンス)
ESGとは、環境(Environment)・社会(Social)・統治(Governance)の観点から企業を評価する枠組みです。
財務指標だけでなく、CO2(二酸化炭素)をはじめとした温室効果ガスの削減や多様な人材の活躍など非財務の価値も重視する考え方で、投資判断にも広く活用されています。
CSR(企業の社会的責任)
CSRは、企業が利益の追求だけでなく、あらゆるステークホルダー全体に対しても責任をとるという考え方のことです。
CSRが注目された当初は寄付やボランティアといった活動が中心でしたが、近年は本業を通じて社会課題を解決する姿勢が求められています。
サステナブル経営が注目されている背景
サステナブル経営が注目を集める背景には、企業を取り巻く環境の大きな変化があります。
気候変動や資源枯渇、人口動態の変化、人権・多様性といった社会的課題が複雑化し、「環境に優しい」だけでは立ち行かない時代を迎えています。
2017年には、年金積立金管理運用独立行政法人(GPIF)がESG投資を採用し、投資家の評価軸も「利益」から「持続可能性」へと広がりを見せました。こうした背景が、リスク管理と新たな価値創出の両面から、サステナブル経営への対応を加速させているのです。
積極的なサステナブル活動を推進することで、ESG投資による資金調達やブランド価値の向上、人材獲得の強化にもつながり、長期的な競争力を高めることが期待されています。
サステナブル経営が企業にもたらす5つのメリット
サステナブル経営は、企業に多くのメリットをもたらします。企業価値の向上、新たな事業機会の創出、従業員の意識改革、リスク対策の強化など具体的な効果をくわしく見ていきましょう。
企業価値・ブランド力の向上
環境や社会に真摯に向き合う姿勢は、言葉以上に企業の印象を形づけます。
サステナブルな取り組みを継続することで、「この企業は信頼できる」「応援したい」と感じる人が増え、共感がブランドを育てる原動力となります。
昨今のESG投資の広がりも後押しとなり、長期的な信頼と企業価値の向上へとつながるでしょう。
事業機会の創出とイノベーション促進
サステナブル経営に取り組むことで、新たな事業機会が見えてきます。社会課題の解決に目を向ければ、これまで気づかなかった顧客ニーズや市場を発見できるでしょう。
また、従業員が社会課題解決という共通の目的を持つことで、自然とコミュニケーションが活性化し、部門を越えた協力やイノベーションが生まれる組織へと成長していくでしょう。
従業員エンゲージメント・人材価値の向上
経済産業省の関連機関による企業調査では、サステナビリティへの理解を社内に広めた企業で、従業員のモチベーションや意識の向上が確認されています。
人材確保の面でも、ジェンダー平等などの推進や働きがいのある職場づくりに取り組むことで、多様な優秀人材を確保・定着させやすくなります。サステナビリティに関心の高い人材からの応募も増えており、採用活動での差別化にもつながるでしょう。
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参考:「サステナビリティ経営の推進に向けた従業員の共感拡充・行動変容を加速するための対策のあり方」(一般財団法人
企業活力研究所)
https://www.meti.go.jp/policy/economy/keiei_innovation/kigyoukaikei/csr_2023.pdf
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将来のリスクへの備えと対策
現代の企業を取り巻くリスクは、急激な環境規制の変化や原材料価格の急騰、自然災害による生産停止など、多様かつ複雑化しています。
環境や人、地域とのつながりを意識しながら経営の仕組みを見直すことで、変化に強い体制を築くことができ、その結果リスクに備えるだけでなく、変化を先読みして行動する「先回りの経営」としても機能するでしょう。
ステークホルダーとの関係強化
地域住民、取引先企業、顧客、投資家など、企業を取り巻く関係者(ステークホルダー)は多岐にわたります。サステナブル経営をきっかけに、ステークホルダーから「信頼できる企業」として評価されやすくなります。
地域密着型の中小企業にとっては特に重要で、地元の同業他社や異業種企業、自治体との連携が強まり、一社では解決が難しい課題にも協力して取り組みやすい環境が整います。
さらに、環境配慮を重視する大手企業のサプライヤーに選ばれる機会が増える、社会課題解決を目指す企業との提携が実現するなど、多様なパートナーシップも期待されます。
サステナブル経営の第一歩となる取り組み
サステナブル経営の実践には、さまざまなアプローチがあります。まずは自社の事業活動を見直し、環境や社会の視点から何ができるかを考えることが大切です。
ここでは、比較的取り組みやすい4つの分野の具体策を見ていきましょう。
廃棄物削減と資源の有効活用
廃棄物削減は循環型経済の基本であり、多くの企業が着手しやすい分野です。ペーパーレス化や電子化の推進、3R(リデュース・リユース・リサイクル)の実践など、社内外で取り組める内容は幅広くあります。
たとえば、契約書や請求書のペーパーレス化、オンライン会議やビジネスチャットの活用による出張削減、繰り返し使える容器や再生資源の活用などがその一例です。
こうした取り組みを継続することで、天然資源の消費量やCO2排出量を減らし、環境負荷の少ない企業運営につながるのです。
多様な人材の確保と育成
多様な人材の確保や育成は、企業の持続的な成長を支える重要な取り組みです。高齢者や障がい者の雇用促進、出産・育児・介護を支援する制度整備を進めることで、誰もが活躍できる環境を整えられます。
また、語学研修や専門スキル・マネジメント研修など、従業員の学びや成長を支援する取り組みも欠かせません。
こうした取り組みを通じて、エンゲージメントの向上や人材定着、採用競争力の強化が期待できます。
環境にやさしいオフィス家具の活用
オフィスのサステナブル化は、毎日の業務を支える「家具」からも始められます。使用する素材や製造工程、廃棄までの流れを見直すことで、環境への負荷を減らしながら長く使えるオフィス環境を整えることができるでしょう。
また、地域の木材を活用した家具づくりは、CO2削減などの環境面だけでなく、地域経済の活性化にもつながるものです。
身近なオフィス家具から環境に配慮することで、サステナブル経営の第一歩を踏み出すきっかけになります。
多様な働き方を支えるオフィス環境づくり
多様な働き方が進む中で、従業員が自分らしく力を発揮できる環境をどう整えるかが、サステナブル経営を支える大きなテーマとなっています。近年では、働く人を企業の成長を支える「資本」として捉え、その能力や意欲を引き出すための働く環境づくりが重視されるようになりました。
そのため、働く時間や場所などの制度面の柔軟性に加えて、集中・交流・リフレッシュなど、行動や気持ちの切り替えを支えるオフィスづくりも欠かせないポイントとなっています。
オフィスでは、集中する作業やリラックスした休憩、さらには仲間との議論などさまざまな場面が生まれます。そんなそれぞれの場面に応じて最適な場所を選べる環境があれば、従業員の集中力や創造力が高まり、心地よくいきいきと働ける職場づくりにつながるでしょう。
空間と制度の両面から多様な働き方を支えることが、人を起点としたサステナブル経営の基盤となります。
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環境と人にやさしいサステナブルなオフィス家具4選
サステナブルなオフィスの実現において重要なポイントである家具の選定ですが、日々の業務を支える製品を環境負荷の少ないものに見直すことで、地球にも人にもやさしいオフィスづくりにつながります。
イトーキでは、ものづくりのすべての工程で環境負荷を減らすため、独自の環境配慮型基準「Eco Level(エコレベル)」を設け、製品を評価しています。
この基準では、
- 温室効果ガスを減らす
- 少ない資源でつくる・リサイクルする
- 廃棄物を出さない
- 有害物質を出さない
- 使うエネルギーを減らす
という5つの視点から、原材料の選定・設計・製造・流通、そして使い終わった後の再資源化まで、一貫して環境に配慮したモノづくりを実践しています。
ここでは、環境への配慮と快適な使い心地を両立した、Eco Levelの高い代表的なオフィス家具を4つご紹介します。
Econifa(エコニファ)
家具には不向きとされてきた国産の針葉樹を、独自技術によってオフィス家具として実用化した「Econifa(エコニファ)」。
森林資源の循環利用を促すだけでなく、CO2吸収や地域林業の活性化にも貢献。その木の温もりとやさしい質感は心地よく落ち着いたオフィス空間をつくり出します。
【詳しくはこちら】
Refelt(リフェルト)
使用済みペットボトルを繊維として再資源化し約50%使用した、ポリエステルフェルト製のチェア「Refelt(リフェルト)」。
軽量で耐久性に優れ、通気性の高さと快適な座り心地を両立し、従来の樹脂成形パーツに比べて製造時のエネルギー消費とCO2排出量を抑え、環境へのやさしさをかたちにしています。
【詳しくはこちら】
MEET LOUNGE(ミートラウンジ)
植物由来素材「ケナフボード」を天板に採用したモデルをラインナップする「MEET
LOUNGE(ミートラウンジ)」。
スギなどの針葉樹に比べて約7倍の速さでCO2を吸収するといわれるケナフを活用し、天然素材ならではのナチュラルな質感で、環境とデザインの両立を実現します。
wan eco(ワンエコ)
お米のもみ殻を再利用したバイオマスプラスチック「TEXa」を使用したwanシリーズのエコモデル「wan
eco(ワンエコ)」。
廃棄物を有効活用しながら、しなやかで丈夫な素材特性を活かして快適な座り心地を実現し、環境への配慮と使いやすさを両立した次世代型のサステナブルチェアです。
【詳しくはこちら】
サステナブル経営に関するお悩みはイトーキにご相談ください
サステナブル経営への関心が高まる中で、環境への配慮と人を大切にする働き方の両立は、企業にとって欠かせないテーマとなっています。
イトーキは創業から130年以上にわたり、オフィスづくりを通して人と社会、そして環境に向き合ってきました。
製品づくりや空間設計、J-クレジット制度を活用したカーボン・オフセット支援など、事業活動全体を通じて企業のサステナビリティ推進を支えています。
サステナブルな社会の実現に向けて、オフィスづくりや環境への取り組みをお考えの際は、ぜひ一度イトーキにご相談ください。

