コンセプトは「いつでも、つながる」。フロアを南北に隔てていた壁を取り払い、3フロアを内階段でつなぐ大胆なリニューアル
世界中で多数の船舶を運航し、海運業を中心に様々な社会インフラ事業を展開する株式会社商船三井。その本社リニューアルプロジェクトにおいて、イトーキはプロジェクトマネジメント、レイアウトプランニング、什器の選定・納品にいたるまで、総合的な支援を担当。「いつでも、つながる」をコンセプトに掲げ、部門の垣根を超えてより早く、よりシームレスに働けるオフィスが完成した。

部門横断スペース
部門横断スペース
フロアの中心に位置する、他部署との交流を促すスペース。各フロアごとに用途を変えることで、フロア間の行き来を促進。

執務エリア
執務エリア
執務デスク・共有会議室のバリエーションを増やし、自由度高く働く場を選択できるワークスペース。

執務エリア(オープンコミュニケーション)
執務エリア(オープンコミュニケーション)
南北の壁面を解体した、開放感を感じるオフィス中央エリア。オープンな打ち合わせ席を集約。

役員エリア(個室)
役員エリア(個室)
役員個室を一般執務フロアへ移設。ガラス面を増やし、社員が立ち寄りやすいエリアへ一新。

SOSC(安全運航支援センター)
SOSC(安全運航支援センター)
安全運航の中枢を担うSOSC。大型LEDディスプレイには、安全運航に必要な情報が大画面で表示される。

SOSC(安全運航支援センター)
SOSC(安全運航支援センター)
当直者が24時間/ 365日体制で船を監視。オープンスペースとすることで、他部署との迅速な情報共有を実現。

危機対策室
危機対策室
SOSCに隣接する危機対策室。大型ディスプレイとWeb会議システムを備え、あらゆる危機に対応できる仕組み。

執務エリア(パントリー・ユーティリティスペース)
執務エリア(パントリー・ユーティリティスペース)
IDF(機器集約スペース)の周囲に、パントリー・ユーティリティスペースを集約。天吊りサイネージで情報発信も行う。

執務エリア(役員個室)
執務エリア(役員個室)
各フロアに3~4名分の役員個室を設置。間仕切りは落ち着きや冷静さをイメージしたネイビーブルー。

役員エリア(コミュニケーションラウンジ)
役員エリア(コミュニケーションラウンジ)
重厚感があり、応接シーンでも活用できる役職員コミュニケーションラウンジ。

内階段
内階段
運航を伴う部署が入居する3フロアを繋ぐ内階段。コンパスをモチーフにしたフロアサインや、マリンランプで商船三井らしさを演出。

執務エリア(共有会議室)
執務エリア(共有会議室)
様々な打ち合わせに対応した共有会議室。ホワイトボード、モニター、会議システムは会議室の標準仕様として常設。
User’s Voice
MOLビジネスサポート株式会社
取締役 総務部長 (プロジェクト当時:株式会社商船三井 経営企画部 プロジェクトリーダー)
船山 求氏
当社は、業務を効率化するとともに、従来の型にとらわれないイノベーティブな発想やそれを形にしていく風土、組織力が必要であるとの考えから、働き方改革に取り組んでいます。その一環として、イトーキさんのご支援のもと2019年にフリーアドレス制を導入したオフィスの試験運用を実施。社員の充足感、業務効率が向上したことをきっかけに、今回の全社リニューアルに踏み切りました。
当社が新しいオフィスに求めていたのは、800隻の船を運航するオペレーションセンターとして、より早く、よりシームレスに働けること。イトーキさんはこの当社の想いをしっかりと理解したうえで、「いつでも、つながる」というコンセプトのもと、部門の垣根を超えたコミュニケーションが活発に行われるオフィスをつくっていただきました。また、ICTの豊富な知見により、ハイブリッドな働き方への移行もスムーズにできています。
働き方は時代とともに変わりゆくもの。今後もイトーキさんとタッグを組み、アップデートを加えながら社員にとってより良いオフィスを目指していきたいと考えています。
Comment

Designer
田中 碧
Aoi Tanaka
プロジェクトの開始当初から、同社のオペレーションセンターとしての「安全や結束に対する強い思い」を感じていたため、その思いを体現できるオフィスをつくりたい、という気持ちで取り組みました。「いつでも、つながる」というオフィスコンセプトのもと、部門を超えたコミュニケーションを促進するための仕掛けや空間を構築することで、物理的にも心理的にもつながるオフィスを実現しています。7フロアの大規模なリニューアルではありましたが、同社事務局の方々だけでなく各部署の方とも話し合いを重ね、全社的にプロジェクトに取り組んでいただいたことが、完成への大きな推進力となりました。私たちデザイナーにとっても、SOSCをはじめとした船の運航を支える空間の構築に携われたことはかけがえのない体験になったと感じています。

Project Manager
今井 正
Masashi Imai
「当初のスケジュール通りに完成するとは思いませんでした」。お客様からこのようなお言葉をいただいた、印象深いプロジェクトです。その過程では、対象フロア数が5フロアから7フロアに増えたことや、3つのフロアをつなぐ内階段を設けたこと、全16面のディスプレイで構成する大型ビデオウォールを設置したことなど、当初の計画からさまざまな設計変更が生じました。それでもスケジュール通りに完成を迎えることができたのは、私たちのナビゲートと同社の素早い「決定プロセス」が相乗的に作用できたことが大きかったと感じます。ご決定いただきやすいコミュニケーションを大切にしながら、自由な発想でプロジェクトを先導するバランスも意識したこと、そして同社のスピーディなご決定のすべてが奏功し、遅延のない完成につながりました。
役員室のオープン化やハイブリッドワークのための仕掛けなど、さまざまな新たな試みが込められた「いつでもつながるオフィス」の誕生に、私自身も胸が高鳴っています。
Designer
西岡 利恵
Rie Nishioka