目次
- まず、シェルター(地下シェルター)とは何か
- 地下シェルターの基本構造
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これがイトーキが手がける地下シェルター扉、「BOUNCEBACK(バウンスバック)」
コンクリートが充填された200㎜厚の鋼製扉が命を守る、耐衝撃・気密水密・放射線遮蔽性能
とにかく軽くスムーズに、開け閉めができること
「大変なとき」に使われるものだからこそ、人間へのやさしさを追求
バウンスバックに込められた「願い」 -
実際に動かしてみた!日本核シェルター協会での体験レポート
女性1人でも、本当にスッと開く…!その機構に改めて驚き - 「有事の際」だけじゃない、シェルターとの付き合い方
- 2026年9月30日(水)から10月2日(金)まで、東京ビッグサイトでの「危機管理産業展(RISCON TOKYO)2026」に出展します!
- シェルターのことなら、ぜひイトーキにお問い合わせください
災害時など有事の際の避難先として機能する、頑強な防護施設「シェルター」。映画などの中では見聞きしたことはあっても、実際には見たこともない、という人がほとんどではないでしょうか。じつはイトーキは、これまで堅牢な金庫や発電所の扉を製造してきた技術を昇華し、この「シェルターの扉」の開発・製造を手がけているメーカーなんです。
今回は、イトーキのシェルター扉技術と製品をご紹介するとともに、実機が設置された「日本核シェルター協会」で実際に手を触れて動かした体験レポートを合わせてお届けします!
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文 編集部 相川ちえ
まず、シェルター(地下シェルター)とは何か
シェルターとは、防災・防衛などを想定して設置される一時避難施設のこと。緊急時に逃げ込むことを想定し、安全性を最大限高めてつくられた空間です。衝撃や崩壊、爆発、火炎、さらには放射線といった地上のさまざまなダメージに対応するため、基本的には地下に設置されます。直接的な防護機能だけでなく、一定期間の生活を可能とする換気や備蓄機能、また脱出用の機構などを備える必要があります。
2026年3月に、政府から「緊急事態を想定した避難施設(シェルター)の確保に関する基本方針」が打ち出されたこともあり、報道などでも見聞きする機会が増えてきている状況です。
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出典:内閣官房「緊急事態を想定した避難施設(シェルター)の確保に関する基本方針について」
https://www.cas.go.jp/jp/seisaku/shelter/dai4/gijishidai.pdf
地下シェルターの基本構造
シェルターの構造自体は、非常に簡単にいうと「すごく丈夫な鉄筋コンクリートの箱に、出入りできる扉をつけたもの」というイメージ。ところが、この「箱」がいくら丈夫でも、そこに出入りして空間を閉じる「扉」がダメだと、そこがそのまま穴となりその箱の頑強さはまったくのムダになってしまいます。さらには、脅威から逃げ込むという極限状態の中で、扉がスムーズに開け閉めできなかったら…と考えるだけでも、扉がいかに重要であるかは想像に難くないのではないでしょうか。
つまりシェルターにとって何よりも大切なのは「扉」といってもよいくらい、まさに要となるものなのです。
(構造のイメージ図)
じつはイトーキは、一般社団法人レジリエンスジャパン推進協議会が立ち上げた、産・学・官・民による「災害大国日本における有事に備えた地下シェルターに求められる性能・仕様の在り方検討ワーキンググループ」の企業委員に唯一選出された特殊扉メーカーでもあります。これまでに培ってきた金庫や発電所などの「特別な扉」の技術の粋を活かし、命を守るシェルター扉の製造を手がけているというわけです。
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出典:⼀般社団法⼈レジリエンスジャパン推進協議会「災害⼤国⽇本における有事に備えた地下シェルターに求められる性能・仕様の在り⽅検討ワーキンググループ」⽴上げ
https://www.resilience-jp.biz/wp-content/uploads/2021/09/d555496228c08e5fcc8e81a915055887.pdf
これがイトーキが手がける地下シェルター扉、「BOUNCEBACK(バウンスバック)」
まずは、イトーキが開発した地下シェルター扉「BOUNCEBACK(バウンスバック)」の全貌をお見せします。
イトーキが開発・製造する地下シェルター扉「BOUNCEBACK(バウンスバック)」
じつはこれまでも世界にはもちろん「シェルターの扉」と呼ばれるものは存在してきました。しかし「災害や爆発などの衝撃から守る」という肝心の頑強性だけではなく、前述のようなスムーズな開け閉めや、極限状態でも安全に取り扱えること、そして子どもや女性といった力の強くない人でも軽く操作できること…といった点において、課題は決して少なくなかったのです。
イトーキはバウンスバックの開発にあたり、それらの課題をすべて払拭することを使命としました。とことん「極限時に人の命を守れること」「使う人、そして人間そのものへのやさしさ」を込めて完成したのが、このバウンスバックなのです。
ここからはその機能について、ざっと紹介していきます。
コンクリートが充填された200㎜厚の鋼製扉が命を守る、耐衝撃・気密水密・放射線遮蔽性能
防爆扉としての高い耐衝撃性はもちろん、気密性、水密性、そして放射線の遮蔽性までも備え、世界基準をリードする性能を実現。自然災害だけでなくテロやミサイル、そして核といった防衛面からも、一時避難先として高い安全性を確保することが可能なほどです。
とにかく軽くスムーズに、開け閉めができること
そんな重厚な扉につきものなのは「重さ」。バウンスバックは質量でいうとじつに1,400kgを超えます。いわば中の人を守ればこその重さというわけですが、それと同時に「逃げ込む人がスムーズに開け閉めできること」を両立しなくては、シェルターとして失格です。
バウンスバックはこの問題を高性能ヒンジと据付精度の高さ、そして操作しやすいハンドルの機構によってクリア。子どもや女性でもスッと開け閉めできる、驚きの動きを実現しました。
「大変なとき」に使われるものだからこそ、人間へのやさしさを追求
これが使われる場面は、いわゆる「ふつう」の時ではありません。人間にとって「大変なとき」に使われるものだからこそ、そこに逃げ込んでくる人をやさしく迎え入れる、そのための工夫を考え抜いて盛り込みました。
慌てていても、操作で指や足を挟まないように。ものや瓦礫が挟まって回らない、ということのないハンドルに。そんな操作時の安全性を担保することはもちろん、扉の裏には22言語で「みんなで力を合わせて困難を乗り越えよう」と印字するなど、「これを使うことになったひとの気持ち」をどこまでも想像して形にしています。
バウンスバックに込められた「願い」
じつはこの「バウンスバック」という名前自体も、爆風、熱線・水害・放射線・飛来物・生物・化学剤・EMP(電磁パルス)を「跳ね返す」、被災下の困難な状況から「回復する」「立ち直る」の願いを込めたもの。文字の空色は「希望・解放」を、背景の銀色は「先進性・ミライ」をイメージしています。
そんな願いや思いは、扉の正面に描かれたシンボルマークに象徴されます。子どもの円陣を大人の円陣が囲う姿が弱者を守る大切さと尊さを教示し、青・黄色・黒・緑・赤の5色は生存環境としての「水・砂・土・木・火」と、ボーダレスとしての5大陸も示唆。どこまでも使われないことを願うものだからこそ、人間への永遠の祈りを込めて完成しました。
実際に動かしてみた!日本核シェルター協会での体験レポート
しかし、なにしろ一度も見たことのないシェルターのこと、いくらスペックを聞いてもピンとこないのが正直なところでした。そこで筆者は、このバウンスバックの実機が設置されているNPO法人「日本核シェルター協会」に併設されたモデルルームを訪問。その扉に実際に触れることで、そのすべてを体感してみることに。
モデルルームの外観(茨城県・つくば市)。入口にあしらわれた三角形のマークは「国民保護の特殊標章」と呼ばれ、ジュネーブ条約で定められた「文民保護」に基づき、「この中には(軍人ではなく)文民がいる」ことを示すもの。この標章を掲げた団体や避難所は戦争下においても攻撃してはならない、というルールに依拠して掲出されます。
進入路の先、地下空間にはいよいよシェルターが
女性1人でも、本当にスッと開く…!その機構に改めて驚き
地下の空間に降りると、そこには壁面に設置されたバウンスバックの姿が!
(実際の設置時は壁面におよそ半分の厚みまで埋設されます)
対応してくださった日本核シェルター協会の職員さんに許可をいただき、実際にハンドルを握り、扉を開けてみると…
か、軽い…!女性の手でも難なく開閉可能です。なるほど実際に手を触れると、挟みそうなところには必ず配慮が施されていることが感じ取れます。緊迫した状況でも怪我をせずに操作できそう。
単に軽く開閉できるだけでなく、そっと閉まったあとは扉の面自体が奥にすーっと吸い寄せられるように密着し、そのままピタリと密閉状態になる驚きの機構です。操作する人は、ただハンドルを回すだけと徹底的に簡単。ここまでラクに開け閉めできるとは想像以上でした。
各パーツの絶妙な動きで、スムーズに密閉される仕組み
「有事の際」だけじゃない、シェルターとの付き合い方
このように自分の目で見て体験してみると、強固な守りの中にいる安心感、というのはちょっとほかでは得られないものがありました。そして、この「守り」はじつは有事の際だけではなく、思った以上にさまざまな場面で有効に役立てられそうです。
たとえば、災害備蓄品の倉庫をそのままシェルターとして設置して運用する方法。あるいは企業のサーバールームをシェルターの中に収めて、さまざまな脅威から守る方法。使われなくなった地下施設やグラウンドを転用する方法…など、じつはアイデア次第でいろいろな活用ができることに気づきます。そんな「有事の際」だけではない、ふだんの日常にもうまくシェルターを取り入れるといったことが、これからは求められていくのかもしれません。
冒頭で触れた、政府による「緊急事態を想定した避難施設(シェルター)の確保に関する基本方針」においても、たとえば自然災害時の一時帰宅困難者収容にも用いるといった「デュアルユース」が明確な方針として盛り込まれています。シェルターを特別なものにしない工夫は、これからますます発展していく見込みです。
2026年9月30日(水)から10月2日(金)まで、東京ビッグサイトでの「危機管理産業展(RISCON TOKYO)2026」に出展します!
イトーキは、2026年9月30日(水)から10月2日(金)まで東京ビッグサイトで開催される「危機管理産業展(RISCON
TOKYO)2026」に出展し、バウンスバックをご紹介します!
あらゆるリスクに対応する国内最大級の「危機管理」展示会とあって、昨年の出展時もおかげさまで大盛況でした。ふだんなかなか触れることのない情報が一堂に会する貴重な機会でもありますので、ぜひご来場をお待ちしています!
昨年の出展時の様子。おかげさまで多くのお客様にご来場いただきました
【くわしくはこちら】
シェルターのことなら、ぜひイトーキにお問い合わせください
今後は市町村単位において、自治体の公共施設のみならず地下鉄駅や地下街といった民間領域を含めて指定施設化が進められていく見通しです。
そんな高まるニーズに対応したいけれど、何から調べてよいかもわからない…そんなときは、ぜひイトーキにお問い合わせください。シェルターのスペシャリストがしっかりとヒアリングのうえ、状況に応じてベストなご提案をいたします。