
目次
- 帰属意識とは?定義と意味
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帰属意識とエンゲージメント・ロイヤリティとの違い
エンゲージメントとの違い
ロイヤリティとの違い -
帰属意識を高めるメリット
離職率の低下と人材の定着
生産性の向上とイノベーションの創出 - 帰属意識が注目される理由と低下する背景
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帰属意識を高める5つの方法
1. インナーブランディングと企業理念の共有
2. 公平な評価制度と待遇の改善
3. 心理的安全性の確保
4. コミュニケーションの強化
5. 帰属意識を高めるオフィス環境の整備 -
イトーキが提供する帰属意識向上に役立つソリューション
今の状態を正しく把握するサーベイ Performance Trail
コミュニケーションを生み出すオフィスづくり - 帰属意識を高める取り組みはイトーキにおまかせください
帰属意識とは、社員が自分を「組織の一員」と認識し、会社に対してつながりや一体感を持つことを指します。人材の流動化が進む現代において、帰属意識は企業にとって優秀な人材の定着や組織力の向上に欠かせない重要な要素です。
本コラムでは、帰属意識の意味やエンゲージメント・ロイヤリティとの違い、そして帰属意識を高めるための具体策まで、わかりやすく解説します。
帰属意識とは?定義と意味
帰属意識とは、社員が自分の所属する会社に対して感じる「つながり」「一体感」といった精神的な結びつきを指します。これは、単に会社に在籍しているというだけでなく、「この会社に貢献したい」「ここで長く働き続けたい」と思える気持ちの土台となるものです。
帰属意識が高まることで、社員は組織の課題を「自分ごと」として捉え、主体的に業務に取り組めるようになります。一方で、帰属意識が低下すると、会社への関心が薄れ、離職率の上昇や生産性の低下といったリスクが高まります。
企業にとって帰属意識は、人材の定着や生産性向上、企業文化の強化といった面で不可欠な要素です。そのため、コミュニケーションの活性化や企業理念の共有、人材育成の強化など、様々な角度から帰属意識を高める取り組みが求められています。
帰属意識とエンゲージメント・ロイヤリティとの違い

社員と企業の関係性を表す言葉には、「帰属意識」のほかに「エンゲージメント」「ロイヤリティ」などがありますが、それぞれ意味や特徴が異なります。ここでは違いを確認しておきましょう。
エンゲージメントとの違い
エンゲージメントは、社員が企業や仕事に対して「積極的に関わりたい」「貢献したい」と思う意欲や動機を表します。帰属意識が「組織に属していたい」という静的な感覚であるのに対し、エンゲージメントは「組織のために自ら動き、成果を出したい」という能動的な姿勢が特徴です。
また、帰属意識は社員から企業への一方向の気持ちですが、エンゲージメントは社員と企業の間で双方向の関係性が築かれている点が大きな違いです。エンゲージメントが高まることで、社員は会社の目標やビジョンに共感し、自発的に行動できるようになります。
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ロイヤリティとの違い
ロイヤリティは、企業に対する忠誠心や献身的な姿勢を意味します。この言葉には、企業と社員の主従のような関係が前提となる場合が多いことが特徴です。
一方、帰属意識は主従関係を前提とせず、社員が対等な立場で「この会社の一員である」と自覚している状態を指します。
◇ ◇ ◇
このように、帰属意識、エンゲージメント、ロイヤリティはそれぞれ異なる側面から社員と企業の関係性を示しています。帰属意識が土台となり、その上にエンゲージメントやロイヤリティが築かれるイメージです。どれも組織の活力や成長に欠かせない要素ですが、意味や役割を正しく理解し、適切に高めていくことが大切です。
帰属意識を高めるメリット
帰属意識を高めることは、人材の定着や生産性の向上、企業文化の強化など、企業にとって様々なメリットがあります。
離職率の低下と人材の定着
帰属意識が高い社員は、会社に対して「ここで長く働き続けたい」という思いを持ちやすくなります。その結果、離職率が下がり、人材の定着につながります。
定着率が上がることで、採用や新人教育にかかる時間やコストが大幅に削減され、組織としてのノウハウや経験も蓄積されやすくなります。
生産性の向上とイノベーションの創出
帰属意識が強い職場では、一体感や信頼感が生まれ、社員同士や上司と部下の間でコミュニケーションが自然と活発になります。自分が組織の一員であるという実感は、日々の仕事へのモチベーションを高め、「この会社やチームのために頑張りたい」という意欲にもつながるでしょう。
こうした相乗効果によって社内の情報共有がスムーズになり、協力体制も強化されます。ひいては、業務の効率や生産性も向上し、新しいアイデアやイノベーションが生まれやすい環境が整うのです。
帰属意識が注目される理由と低下する背景

近年、テレワークやフレックスタイム制などの多様な働き方を導入している企業では、社員同士が直接顔を合わせる機会が減少しがちな傾向にあります。とくに新入社員や中途入社の社員は、企業文化に触れる場が少なくなり、会社の価値観や仕事の進め方を体感しにくい環境に置かれていることも。
その結果、会社への帰属意識が育ちにくくなっているのが現状です。
実際に厚生労働省の調査によると、テレワーク実施上の課題として「会社等への帰属意識や人材の定着化」に対し、12.7%が「重要な課題になっている」、40.2%が「やや重要な課題になっている」と回答しており、多くの職場において課題となっている状況が見えてきます。
こうした環境下で、社員が「自分は組織の一員だ」と実感できる状態を意識的につくることが、企業にとってこれまで以上に重要になっています。
さらに、帰属意識が低下する背景には、コミュニケーション不足だけでなく、マネジメントや人材育成の課題も大きく影響しています。
多様な働き方が普及すると、日常的な会話や何気ない情報共有が減り、社員は孤立感や疎外感を感じやすくなります。社員一人ひとりへのサポートが十分に行き届いていなかったり、キャリア形成の機会が失われてしまっているというケースも少なくありません。
また、企業理念やビジョンが十分に浸透していない場合、社員が会社に所属する意義を見いだしにくくなり、帰属意識の低下につながりやすくなるでしょう。
このような状況を踏まえ、企業は社員の帰属意識をどのように育て、持続させていくかが、いま大きな課題となっています。
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出典:「働き方改革実践の手引き~企業と社員のための働き方改革~」(厚生労働省)
帰属意識を高める5つの方法
帰属意識を高めるには、企業文化や働く環境づくりを工夫し、社員一人ひとりが「自分はこの組織の一員だ」と実感できる場や仕組みを整えることが大切です。
ここでは、具体的な取り組みのポイントを5つご紹介します。
1. インナーブランディングと企業理念の共有
まずは、企業のビジョンや価値観を明確にし、それを社員全員にしっかり伝えることが重要です。たとえば社内報を通じて社員の担当業務や人物像にフォーカスしたり、さまざまな部門の実績や仕事ぶりを紹介するなど、社員一人ひとりが興味を抱けるような内容にすることで組織の一体感が自然と育まれていきます。
経営層の言葉を気軽に配信できる枠組みをつくったり、研修のカリキュラムに企業理念についての内容を組み込む、また社内イベントの実施なども効果的。この場合も大切なのは、上から押し付けるような形ではなく、社員一人ひとりに対して気持ちを届ける姿勢が伝わることです。
2. 公平な評価制度と待遇の改善
働き方や福利厚生、評価制度の見直しも欠かせません。透明性の高い評価制度を整え、社員の努力や成果を適切に評価することが大切です。
働き方の多様なニーズにも柔軟に対応し、公平な評価や待遇を実現することで、社員の満足度や信頼感が高まります。
3. 心理的安全性の確保
社員が安心して意見を言える環境づくり、つまり「心理的安全性」への配慮も、帰属意識の醸成には必要不可欠です。
心理的安全性を保つには、相談しやすい雰囲気づくりのためにリーダーが「いつでも声をかけてね」と伝えたり、相談歓迎の時間を設けてスケジュール表に記載するといった工夫や、会議の際にも発言しやすいように「否定」ではなく建設的な議論を心がける、発言の機会が偏らないようにケアするなどの方法が挙げられます。
心理的安全性を高めることで、組織への信頼感が生まれ、失敗を恐れずにチャレンジできる文化が育ちます。
4. コミュニケーションの強化

社員同士や、企業と社員のコミュニケーションを強化することも重要です。
コミュニケーションツールの活用や、上司と部下が定期的に1on1ミーティングを行うことで、考えやアイデアを共有しやすくなります。帰属意識を高めるためには、社員に孤独を感じさせない仕組みづくりが大切です。
テレワークを実施している企業においては、対面で会話する機会を意識的に設けることも、信頼関係の構築につながるかもしれません。
5. 帰属意識を高めるオフィス環境の整備

居心地の良いオフィス環境も、社員のつながりや一体感を育てる大切な要素です。
自然素材やグリーン、アートを取り入れたり、自然光を生かした照明やリフレッシュスペースを設けたりすることで、メリハリのついた働きやすいオフィス空間をつくれます。
フリーアドレス制の導入やオープンなレイアウト、多目的スペースやオフィスカフェを活用すれば、部署を超えた交流やコミュニケーションの促進にもなるでしょう。
こうした取り組みを組み合わせることで、社員が出社した際に自分の役割や存在意義を実感でき、会社への愛着や誇りを持てる環境づくりが実現できます。働きやすく居心地の良いオフィス環境は、社員の「ここで働き続けたい」という気持ちを高めてくれるのです。
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