目次
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現場改善とは
現場改善の背景と広がり
見落とされがちな改善の視点 -
生産現場や物流現場でよくある働く環境の課題
気軽なコミュニケーションが生まれにくい
モノが多く、見通しが悪くなりやすい
音や視線が気になり、集中しづらい
落ち着いて相談・フィードバックできる場が足りない
気持ちを切り替えられる場所が少ない - 働く環境を整えることで期待できる効果
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現場改善に役立つ「打ち手5選」
1.気軽に声をかけられる場所をつくる
2.モノと情報を見える化して見通しをよくする
3.集中したい作業やWeb会議の場所を分ける
4.落ち着いて相談できる場所を用意する
5.作業と休憩のメリハリをつくる -
生産現場、物流現場の改善は、イトーキにおまかせください
生産現場や物流現場では、人手不足や業務の複雑化が進む中で「限られた人数でも無理なく、安定して現場を回せること」がこれまで以上に大切になっています。そのための身近な取り組みの一つが「現場改善」です。
現場改善というと、工程や作業手順そのものの見直しを思い浮かべる方も多いかもしれません。しかし、作業を支える条件や日々の進めやすさに目を向けることも、改善の重要な視点のひとつです。
本コラムでは、生産現場・物流現場で見落としがちな「働く環境」の課題に目を向け、取り入れやすい改善の打ち手5選をご紹介します。
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現場改善とは
現場改善とは、現場で起きているムダやばらつきを可視化し、作業の進め方や設備の使い方、ルールの運用などを見直しながら、安定して成果を出せる状態を目指す取り組みです。
製造業を中心に広がってきた「改善(カイゼン)」の考え方では、工程や作業効率の向上が重視されてきました。一方で、作業を支える条件や日々の進めやすさも、改善の対象となります。
ここではまず、現場改善の基本的な考え方と、どのような領域が対象となるのかを整理していきます。
現場改善の背景と広がり
戦後の高度成長期、日本の製造業では、生産性や品質を高めるための取り組みとして「改善(KAIZEN)」の考え方が広がりました。整理・整頓・清掃・清潔・躾の頭文字をとった「5S」などに代表されるように、現場に潜むムダを見つけ、少しずつ見直していく活動は、多くの企業で定着してきました。
やがて日本の改善活動は「KAIZEN」として海外にも広まり、製造業だけでなく、物流現場や建設現場、サービス業などにも応用されるようになります。現場改善は、特定の業種に限らない、広く共有されてきた取り組みといえるでしょう。
見落とされがちな改善の視点
多くの現場で改善活動は行われていますが、その対象は工程や設備、作業効率の見直しに注目が集まりやすく、現場を支える働く環境にまで十分に検討が及ばない場合もあります。
工程の見直しによって効率が高まっても、現場を取り巻く条件が整っていなければ、改善の効果が安定しにくいこともあります。現場改善をより実効性のある取り組みにするためには、工程だけでなく、現場を支える働く環境にも視野を広げることが重要です。
生産現場や物流現場でよくある働く環境の課題
生産現場や物流現場では、生産に直結する改善に意識が向きやすいものです。しかし、現場で起きる負担や進めにくさを振り返ると、事務スペースや休憩所など、働く環境に起因していることもあります。
ここでは、生産性や品質、人材定着などにも影響を及ぼす、働く環境に関わる課題をご紹介します。
気軽なコミュニケーションが生まれにくい
現場では、ちょっとした確認やすり合わせが日常的に発生します。ところが、話しかけるタイミングがつかみにくい、落ち着いて話をする場所がない、といった状況だと、声をかけるハードルが上がってしまいます。
こうした状況では相談が後回しになり自己判断が増えることに。結果として行き違いや確認漏れが起きやすくなってしまうのです。
モノが多く、見通しが悪くなりやすい
在庫や資材、備品、書類など扱うモノが増えると、置き場や仮置きが増え、視界を遮りやすくなります。見通しが悪い状態では通路や作業エリアの動線が取りにくくなり、運搬や移動に気をつかう場面が増えるため、安全面のリスクも高まりがちです。
さらに、周囲の状況が見えにくいと「誰がどこにいるのか」がつかみにくく、迂回や人を探す時間が発生します。これらの積み重ねは大きな時間と作業のロスにつながってしまうのです。
音や視線が気になり、集中しづらい
事務スペースが現場の近くに設けられていると、音や人の往来の影響を受けやすくなります。とくに、個人情報を扱う作業や、Web会議などは、周囲の音や視線が気になって作業に集中しづらかったり、話しにくさを感じたりすることがあります。
また、ちょっとした確認や入力でも中断が入りやすいと、思考の切り替えに時間がかかったり、作業のペースが乱れたりすることも。落ち着いて作業できる場所を確保しにくい状態は、日々の負担が積み重なりやすい要因のひとつです。
落ち着いて相談・フィードバックできる場が足りない
1on1や面談、技能指導など、対話を通じて状況をすり合わせる場面は少なくありません。ところが、周囲の目や音が気になる場所で行うと、話しにくさから本質的な情報が出にくくなりがちです。
小さくても落ち着いて話せる場があると、困りごとを早めに共有しやすくなり、問題の早期発見や再発防止につながることがあります。相談やフィードバックが自然に行える環境を確保しにくいことは、現場の安定運営に関わる課題のひとつです。
気持ちを切り替えられる場所が少ない
作業場所の延長のように感じる休憩所では、作業を離れても気持ちが切り替わらず、十分にリラックスできないことがあります。休憩の取り方は人によって異なり、ひとりで静かに過ごしたい人もいれば、靴を脱いで体を休めたい人、会話をしながら気持ちを切り替えたい人もいるでしょう。
休憩の場所が限られ、こうした過ごし方に対応できない状態が続くと、十分にリフレッシュできず、疲れが残りやすくなったり、次の作業に向きあうまでに時間がかかったりすることもあります。
働く環境を整えることで期待できる効果
現場の働きやすさは、ストレスの軽減だけでなく、働く人が力を発揮しやすい状態づくりにもつながります。厚生労働省の資料でも、働く環境の見直しが職場の活性化や生産性向上に結びつくことが示されています。
まずは、日々の業務のなかで「どこで負担が増えやすいか」「どの場面で行き違いが起きやすいか」を振り返り、事務スペースや休憩所なども含めて改善の対象として整理してみるとよいでしょう。
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参考:事業者が講ずべき快適な職場環境の形成のための措置に関する指針(厚生労働省)
https://www.mhlw.go.jp/web/t_doc?dataId=74110500&dataType=0&pageNo=1
参考:いきいき職場づくりのための参加型職場環境改善の手引き(厚生労働省)
https://www.mhlw.go.jp/content/11201250/001249070.pdf
現場改善に役立つ「打ち手5選」
ここでは、働きたい現場づくりに向けて、取り入れやすい打ち手を5つご紹介します。
1.気軽に声をかけられる場所をつくる
現場では、作業の合間に「ちょっと聞きたい」「軽く共有したい」といった声かけが生まれることがあります。こうしたやり取りを自然に起こすには、声をかけやすい距離感や、立ち止まって話せる場所など、対話が生まれやすい条件をあらかじめ整えておくことがポイントです。
たとえば、作業エリアの近くに立ち話ができるハイテーブルを用意したり、コピー機や共有プリンター、ゴミ箱など人が自然に立ち寄る場所の近くに、立ち止まって話せるスペースを設けたりすると、ちょっとした相談や確認がしやすくなります。
また、個別のデスク中心ではなく、大きめのテーブルを複数人で使用する座席配置にすると、物理的な距離が近づき、日常のコミュニケーションが生まれやすくなるでしょう。
2.モノと情報を見える化して見通しをよくする
モノが増えて見通しが悪い場合は、物理面と情報面の両方から「見える化」を進めると、状況判断がしやすくなります。
情報面では、紙・データを問わず、必要な資料に迷わずたどり着ける状態をつくることがポイントです。可能な範囲で資料をデータ化し、フォルダ構成や命名ルールを整えておくと、探す・確認するといった小さな手間を減らしやすくなります。
物理面では、紙の保管量が減ったタイミングで収納の数や配置、高さを見直すなど、視界を遮る要因を減らす工夫も有効です。見通しが良くなると動線が取りやすくなり、安全面でも配慮が行き届きやすくなります。
また、周囲の状況がつかみやすくなることで声をかけやすくなり、部署やチームをまたいだやり取りも生まれやすくなるでしょう。
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3.集中したい作業やWeb会議の場所を分ける
現場に近い事務スペースでは、音や人の往来で作業が途切れやすいため、集中したい作業や、画面の内容に配慮したい業務、Web会議のための場所をあらかじめ用意しておくと作業が進めやすくなります。
たとえば、通常の作業席とは別に簡易的に区切った席を設けたり、Web会議や電話に使えるブースを設置したりする方法があります。
また、遮音性のあるパーテーションなどで反響を抑える工夫を取り入れると、会話や会議の聞き取りやすさの改善につながります。
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4.落ち着いて相談できる場所を用意する
1on1や作業指導が行いやすい対話の場を用意しておくと、周囲を気にすることなく、配慮が必要な内容も落ち着いて共有できます。こうした対話の場は、困りごとの早期把握やすり合わせの精度向上を促し、人材の定着やチームの連携にも良い影響をもたらします。
周囲の目や音を気にせず話せる環境を整えるには、少人数で使える囲われた席を用意する、視線を遮る仕切りを設けるといった工夫に加え、声が外に漏れにくい位置に配置しておくと安心です。工夫次第では、集中作業の場と兼用するなど、限られたスペースの中でも取り入れられるでしょう。
5.作業と休憩のメリハリをつくる
作業と休憩にメリハリをつけられる環境を整えることも、現場を安定して効率よく回すうえで大切な視点です。
作業エリアと雰囲気を分ける、照明や色味を変える、靴を脱いでくつろげる席を用意するなど、作業とは異なるモードに入れる要素を取り入れると、短時間でも気持ちを切り替えやすくなります。
また、1人で静かに過ごせる席と会話をしながら過ごせる席を用意するなど、休憩スタイルに応じた居場所を設ければ、それぞれが自分に合った過ごし方を選びやすくなります。可動性のある家具を使えば、人数や使い方に合わせてレイアウトを変えられるため、日々の利用状況に応じて調整しやすくなるでしょう。
生産現場、物流現場の改善は、イトーキにおまかせください
イトーキは【明日の「働く」を、デザインする。】というミッションのもと、長年にわたって生産現場・物流現場の働く環境づくりをサポートしてきました。
イトーキ自身も国内に複数の工場を持ち、現場改善に挑み続けています。
滋賀工場では、休憩室のリニューアルなど段階的に環境整備を進め、技能職の求人数が約4倍、離職率も半減するなど、人材確保・定着に関する成果も表れています。
「どこから手をつけるべきか」「何を優先するべきか」といった課題整理の段階からでも、状況に合わせてご支援します。働きやすい環境づくりに向けた現場改善は、お気軽にイトーキにご相談ください。
イトーキ関西工場「ITOKI DESIGN HOUSE SHIGA」、および関東工場は、ショールームとして法人のお客様の見学を受け付けています。働く環境、現場の工夫や社員が働く姿を実際にご覧いただけますので、ご希望の方はお気軽にお問い合わせください。
