イトーキグループの資本コストや株価を意識した経営の実現に向けた対応については、以下をご覧下さい。
2021年度にスタートした中期経営計画「RISE ITOKI 2023」の目指す姿は、「ポストコロナの『働く環境』づくりをリードする」「強靭な体質の『高収益企業』になる」の2つです。最終年度の2023年度における営業利益75億円達成に向けて取り組んでいます。
※当初中計目標値60億円、2023年度業績予想(期初)65億円、2023年度修正業績予想75億円
この中期経営計画2年目の2022年度は、収益力の向上を最重点に、営業改革や資産効率化などの構造改革を進めました。
その結果、営業利益は前期比79%増となった上、親会社株主に帰属する当期純利益は前期比+353.9%と過去最高益を更新し、収益力を向上させることができました。
営業改革に関する取り組みは、良いものを適正な価格で提供するプライシング戦略の徹底、物流コストの効率化による負担軽減、および販促費の戦略的削減による販売効率の改善等の販管費コントロールを実行しました。生産・供給に関しても、生産再編の順次実施等により、製販統合以降継続している原価低減をさらに加速させました。営業利益率の改善はその成果です。
一方、資産効率化にも注力し、賃貸物件の効率化による販管費削減や政策保有株式の売却を進めたほか、大阪府寝屋川の非事業用資産の売却など経営資源の有効活用と資産効率を向上させました。計上した売却益で前向きな減損処理もカバーし、フリー・キャッシュ・フローを約107億円創出できました。その結果、財務基盤を強固なものとすることができました。
中期経営計画の最終年度となる2023年度は、これらの構造改革をさらに推し進めていく方針です。
収益面に加えてネットキャッシュについても、構造改革プロジェクトの成果により手元流動性を充実させ、有利子負債を圧縮することで改善傾向にシフトさせました。
構造改革プロジェクトにより改善を進めた財務基盤をベースに、適正な範囲で中長期的な成長分野やDX推進への投資を実施していきます。
主力であるワークプレイス事業における、スマートオフィスコンセプトに基づく商品・サービスの開発や、 その推進に必要なDXの高度化、さらに生産効率の向上に向けて、戦略的に投資を進めます。また、成長が期待できる設備機器分野の生産能力・生産性の拡充も図り、さらなる利益拡大を目指します。
資本効率を重視したROEの向上も鋭意進めています。
これまで述べたように、営業戦略の転換・利益改善策の実行による利益率の向上、非稼働資産の削減による資産効率化の成果として、その合成値であるROEは大きく向上しました。
中期経営計画の最終年度である2023年度にはROE7.0%以上を目指しており、引き続き利益率と資産効率化を進めるとともに、今後の投資に向けた財務レバレッジも適正にコントロールしていきます。
株主の皆様に対する株主還元についても、経営の重点施策として継続的かつ安定的に配当することを基本方針としております。
2022年度は、2022年12月期1株当たり配当金を、普通配当は15円から2円増配の17円にすると共に、特別配当20円を加え、合計37円といたしました。
2023年度は、2023年12月期1株当たり配当金予想を、業績の動向及び配当性向等を総合的に勘案し、期初予想の1株当たり25円から7円増配の1株当たり32円へ修正いたします。
引き続き、構造改革の実行、グループ会社を含めた1人当たりの生産性の向上、さらに株主還元と負債コントロールを適正に行い、財務体質の改善・強化を進めていきます。
取締役 常務執行役員
管理本部長
森谷 仁昭