新たな発想やイノベーションにつながる交流が生まれる風土の醸成を狙い、自律的な働き方を実践するトライアルオフィス
株式会社村田製作所の東日本における研究開発の中核拠点として2020年にオープンした「みなとみらいイノベーションセンター」では、建設当初のコンセプトである、より自由で自律した働き方を推進するため、建物全体で共有するコワーキングスペース「LIGHTHOUSE 」を構築した。業務効率を高めるさまざまな仕掛けとストーリー性ある内装デザインで、イノベーションにつながる部門を越えた交流を促進し、個々のパフォーマンスと事業部間のシナジーを発揮できる空間である。
外観
外観
みなとみらいイノベーションセンターでは、子ども向けの科学体験施設『Mulabo!』や、開発技術の展示スペース『Murata Interactive Communication Space』など、オープンラボも展開している。
コワーキングスペース「LIGHTHOUSE」
コワーキングスペース「LIGHTHOUSE」
オープンな空間に7つの活動の場を設定。天井・床材の張分けや家具の高低によって、緩やかにエリアを区分した。手前には人が集まりやすいエリア、奥には集中ワークエリアと、音のグラデーションをデザインすることで、オープンでも周囲を気にせず仕事に集中できる。
「LIGHTHOUSE CAFE」
「LIGHTHOUSE CAFE」
交流の拠点となる「LIGHTHOUSE CAFE」。施設の中心に配置した突板のビッグテーブルには、自然と人が集まり情報共有も進む。
情報共有/アイデア出し
情報共有/アイデア出し
テーブルと階段状の家具を配置。カジュアルな設えで、チームの情報共有やプロジェクトワークに最適。
プレゼンテーション
プレゼンテーション
視線が中心に集まる形状のソファ席で、情報共有が進むプレゼンテーションブース。背面には偶発的な交流を生むハイカウンターを設置。
雑相(雑談・相談)
雑相(雑談・相談)
窓側の眺望のよいエリアにソファ席を配置。シェルフや植栽で周囲の視線をコントロールする。
雑相(雑談・相談)
雑相(雑談・相談)
メイン入口を入ってすぐに、ゆったりとしたソファ席をレイアウト。背後のシェルフでこもり感を演出し、ちょっとした休憩にも利用可能。
集中ワーク
集中ワーク
囲まれ感のあるブースや仕切パネルで視線や音を遮る集中ワークエリア。窓面に植栽を吊り下げることで、窓に面していないブース席からもグリーンが視界に入り、リフレッシュ効果をもたらす。
Webブース
Webブース
周囲の視線や音を気にせずにWeb会議ができる1人用ブースを設置。奥には音出し可能な個人席、SPEAK OUTブースも設定。
オリジナルグラフィック
オリジナルグラフィック
フロアを移動しての利用を促す仕掛けとして、さまざまなオリジナルグラフィックアイテムを作成。デザインしたロゴ「LIGHTHOUSE」をメインエントランスに掲示したり、エリアの案内サインなど、施設に対する期待感を高める。
User’s Voice
株式会社村田製作所
みなとみらいイノベーションセンター
管理部環境安全課
マネージャー
岩藤修氏
新しい働き方を推進するために、どんな手を打てば使ってもらえる施設になるのかという課題に対し、イトーキは、コンセプトや洗練された空間デザインに加え、つくって終わりではなく運用が大切だと明言してくれました。
運用やルールづくりまでしっかり伴走するという言葉が頼もしかったです。イトーキ本社オフィスの見学では、自社で実践している働き方のよい面だけではなく、改善した点を説明してくださり、それをLIGHTHOUSEのプランにフィードバックしてくれました。その甲斐あって、狙い通りに社員が自由に働く施設が完成しました。
今回の成果は、交流を生み出し新しい発想が生まれる空間を提供できたことであり、LIGHTHOUSEは、村田製作所の新しい働き方の基準になっていくと確信しています。
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コワーキングスペース“LIGHTHOUSE”
みなとみらいイノベーションセンターでのはたらきかたの課題や、あえて自社R&D拠点内にコワーキングスペースを新設する意味を熟考し、社員のみなさまにとって新しいはたらきかたの“みちしるべ”となるような場をご提案しました。
業務の生産性を高めるだけでなく、部門を超えたつながりを生みだし、この場をきっかけとして、新たなイノベーションが生まれるような場となっています。
Designer
井澤 沙綾
Saaya Izawa