リモートワークやABWには不可欠!「紙に依存しない働き方」をどう実現するか

COLUMN
2021/11/25

ABW(Activity Based Working)だけでなくリモートワークや在宅勤務、またフリーアドレスなど場所にしばられない働き方をするときに不可欠なのが、ペーパーレス。新型コロナウイルス流行に伴い在宅勤務を行う過程で「紙の資料を自宅に持ち帰ることができない」「自宅では印刷できない」といった理由から、業務プロセスのペーパーレス化やクラウドサーバーでのファイル共有のシステム導入などに慌てて取り組まれた企業も多いのではないでしょうか。

ワークスタイル変革を30年以上手掛けてきたVeldhoen + Companyは、Webサイトに公開している記事「Paperless or Paper independent?」の中で、資料のほとんどはデジタルな方法で作られていることを前置きしたうえで、会議に紙のノートを持ち込んでしまう人に向けて、3つの考え方を紹介しています。
(以下、斜線で示した記事内の英語の翻訳は本コラムの執筆者によるものです)

  1. 自分を信じよう

    あなたは、自分が人の話の最も重要なメッセージをきちんと聞いて理解できていると信じていますか?もし信じられるのであれば、紙にメモをするのはやめましょう。メモを取りながら聞くと、あなたの聞く能力は80%以上低下します。

    アドバイス:会議の終わりには、他の人と共通でデジタルな方法、つまり共有可能な方法で情報を記録するようにしましょう。

  2. メモを書くのはやめて、聞くことに注意を注ごう

    目の前に紙とペンがあると、なんとなく安心できるような気がしませんか?たとえ使わなかったとしても、目の前に何も置かずに仕事の会話をするのは「丸腰」で無防備な感じがします。しかし、家族や友人と話す時に全員が紙を手にしているなんて経験はあまりありませんよね。いかがですか?

    アドバイス:次に参加する会議では、会議でメモを取ることや紙を持っておくことに関して参加者に投げかけ、まずは自分の気持ちを共有してみましょう。

  3. 自分の本来の役割について考えてみよう

    誰かと会話をする際に「何か」を持って行かないと「やる気がない」と判断されるのではないかと思っていませんか?もしそうだとしたら、それは「私は忙しい」というアピールであり、組織内での自分の存在を正当化しようとしているのかもしれません。

    アドバイス:自分自身の認識を確認したうえで、建設的な対話をすることが存在意義につながると信じましょう。

紙を使う理由を自問自答しよう

この記事から学ぶことができるのは、「なぜ紙を使いたいと考えているのか」「紙を使うことのメリット・デメリットは何か?」を自問自答することの重要性であると思います。その過程をなくして、「ペーパーレス」というお題目のもとに紙の書類を捨てたり、電子化したりしても、認識や行動が変わらないままではリバウンドしてしまうでしょう。また柔軟性の高い働き方を行ううえでの「ペーパーレス」とは、何も紙の使用量をゼロにする必要はなく、ワーカーの移動を妨げないような紙の使い方をすればよいのです。「ペーパーレス」ではなく、まさに記事のタイトルにもある「Paper independent(紙に依存しない)」な働き方という表現がしっくりきます。

どこまで「解像度」をあげていけばよいか?

では紙を使う理由やメリット・デメリットについては、どこまで突き詰めて考えればよいのでしょうか?ABWを実践する本社で働く社員と話している中では、従来紙を使用していたシーンは、概ね下記のように分類できるのではないかと考えています。

  1. 業務の性質上、紙で印刷することが必須のもの

    例えば法令上、もしくは社内規程上、原本を保存することが必須とされている書類については紙の使用を止めることはできないでしょう。また 印刷物を作る過程でのチェックを行う業務などは、一度も印刷しないで業務を進めるということは難しいと思います。こういった種類の紙を減らす、ということは一朝一夕には、また従業員個人の努力や意識だけでは解決できない問題です。社内システム等のリプレース等の対応を進める、電子帳簿保存法への対応を進める、また印刷物によるブランディングやPRを取りやめるよう方針転換する、など長期的な取り組みが必要になるでしょう。

  2. 適切なITツールを用いれば、デジタルの方が優れているもの

    例えば、会議資料の配布は圧倒的にデジタル化した方が効率的です。会議前の資料の大量印刷やホチキス止め、並べ替え、差し替え対応などに無駄な時間を費やしたことがある方も多くいらっしゃるのではないでしょうか。全員が会議室にノートPCやタブレットを持ち込むことができるようになれば、そういった作業は必要なくなります。また作成された資料のチェックや書き込みなども、外部モニターやタブレットに付属するペン、手書きメモアプリなどを活用することによって効率よく行うことが可能です。そういったITデバイスが整備されていなかったとしても、WordやExcel、PowerPoint、PDFにはメモやコメントをつける機能がありますから、そういった機能を活用することも一案です。タスク管理なども、手帳にリストを作成するよりもアプリを活用した方がスケジュールの変更や他のメンバーとの共有が行いやすい、という声が多く聞かれました。

    こういったものは、適切なツールを使えばデジタル化しやすい反面、IT投資の不足により使いやすいデバイスが支給されていなかったり、また身近に実践するロールモデルがいなかったりすると全くペーパーレスが進んでいきません。「まず紙なしでやれないか考えて実践してみる」という思いきりが必要なのもこの領域だと思います。

  3. 紙がよいかデジタルツールがよいか、場合によるもの

    例えば「メモを取る」ということを考えると、机に座って集中して記録ができる場面ではノートPCで入力する方が効率的ですし、タイピングが追いつかないような場面や立ったまま記録しなければいけない場面などは、メモ帳もしくはタブレットのメモアプリが必要になります。またタブレットのメモアプリは、写真などを交えたメモを作成したい、ペンの色を変えて見やすくしたい、コピー&ペースト機能が使うことで効率化ができる場合には圧倒的に便利です。先に紹介した記事の通り、メモをとることがそもそも有効なのか、ということも考える必要があるかもしれません。

    また書籍についても、複数人で共有したり、付箋をつけて書きこみをしたりしたい場合には、電子書籍ではなく紙の本を用いることになるでしょう。同じ場面でも、紙を使った方が便利な場面と、デジタルツールを活用するべき場面があります。

上記のように、紙を使う場面それぞれについて、「紙を使う必要があるのか?」「より良いデジタルツールや機能はあるか?」と、ワーカー個人が1つ1つ検討していくことではじめて、100%ペーパーレスとはいかないまでも、紙に依存しない働き方、紙を使う場面をコントロールする働き方が達成できるのではないでしょうか。

とはいえ「ペーパーストックレス」は必要

上記では、必ずしも紙を使う場面をゼロにする必要はないとは申し上げましたが、場所に縛られない働き方をするために「紙を溜め込まない、持ち歩かない」といったことは意識する必要があります。例えば何か資料や印刷物を紙でチェックしたら、それをスキャンしてしまって原本はすぐに破棄する。紙でメモをとったり、アイデアを検討したりしても、スマートフォンで撮影してすぐ電子化してしまう。書籍については要点をまとめておき、本そのものをいつも持ち歩かなくていいようにする。そういった習慣づけが最も難しいのもまた事実ですが、紙を紙のまま溜め込まない、ということは場所にしばられないで働くために何より重要です。オフィス移転や改修をきっかけに紙を溜め込む場所を減らすことが、よい契機になるでしょう。

現在、当社の本社の社員は、85%が基本的にはほぼ紙を使うことなくデジタルで働いていますが、3年前まではほとんどの社員が机に書類の山をいくつも積み上げて、その中で仕事をしていました。

チームの合意ワークシート「○○課の約束ごと

本社に残るキャビネットは約850名のワーカーに対し24台まで減っています。ABW導入を契機として、オフィスの中で活動にあわせて場所を変えながら働く必要があるということに背中を押され、またIT環境に対する投資も十分に行ってきたことで、この変化が実現できています。(参考記事:「いち早く柔軟な働き方を導入したから分かる、IT環境整備とトレーニングの重要性」)サステナビリティの観点からも使用する資源の削減がもとめられる今、働き方の変化は紙に依存した状態から脱するよいきっかけになります。

ただしそれを実現するためには、ただ号令をかけるだけではなく、オフィスに必要なIT機能を整備する必要がありますし、行動変容の取り組みも必要不可欠となります。そういった三位一体の取り組みを、当社のABWコンサルティングサービスではご支援しておりますので、ぜひお問合せください。


ご紹介したVeldhoen + Companyの記事はこちら

https://www.veldhoencompany.com/en/trust-to-thrive/

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