グローバル製薬企業から学ぶ、ハイブリッドワークを成功させる3つのポイント

COLUMN
2022/04/18

テレワークや在宅勤務の拡大をきっかけに、ハイブリッドワークの本格的な導入を企業内で検討されている方も多いと思います。しかしながら日本ではまだまだ馴染みが薄く、ハイブリッドワークを成功させるためのポイントや勘所については有用な情報が不足しており、お困りなのではないでしょうか。

ワークスタイル変革を30年以上手掛けてきたVeldhoen + Companyは、「Case study in hybrid working: what we can learn from pharmaceutical organisations(ハイブリッドワークのケーススタディ:製薬企業から私たちが学べることとは)」という記事を公開しています。記事内では、Veldhoen + Companyが今まで協働してきた製薬企業が「部門横断プロジェクトをベースとした業務」「世界中のメンバーと連携が必要」という特性故にパンデミック前から先見の明をもって「新しい働き方」あるいは「ハイブリッドワーキング」を実践していた、と前置きしたうえで、そこから学べるハイブリッドワークの3つのポイントを下記のように紹介しています。
(以下、斜線で示した記事内の英語の翻訳は本コラムの執筆者によるものです)

働く上での明確なフレームワークを決め、常に基本のルールに立ち返ることが重要である

"働く上でのフレームワークを明確にすると、マネージャーとチームメンバーの双方が必要に応じてルールを参照できます。そして、働き方に関するズレや議論が生じた際には、共通言語(合意された役割に関するルール)を用いて問題を解決することができ、全員が各自の業務に集中できるようになります。"

マネージャーはマネジメントする上でメンバーの育成とアウトプットの良いバランスを見極める必要がある

"より柔軟な働き方において管理職が好むマネジメント手法は大抵2つに絞られることが明らかになっています。1つは、メンバーの育成やケアにより重点を置いた手法(体調や仕事の調子について尋ねる)で、もう1つは、アウトプットにより重点を置いた手法(業務の成果や達成度について尋ねる)で、どちらの手法にも利点があります。私たちからのアドバイスとして言えることは、成果に基づいたマネジメント手法を採用すること、そして明確な目的と成果についてチームメンバーと合意を得たうえで、個々の従業員に自律性を与えることです。"

リモートチームのパフォーマンスに大きな影響を与えるのは、個人の満足度とチームのコラボレーションの円滑さである

"リモートで働いているチームの場合、個人のウェルビーイングや仕事に対する満足度を把握するのは難しく、仕事、プライベート、個人のウェルビーイングの3つのバランスを取ることは組織にとって簡単なテーマではありません。一部のメンバーがリモートで働いていると、コラボレーションやコミュニケーションに課題が生じることは誰もが理解しています。マネージャーはこの2つの課題に対して真摯に時間をかけて取り組むべきであり、パフォーマンスの高いリモートチームを作るためには、コラボレーションやコミュニケーションの両方に等しく注力する必要があります。"

根底に流れているのは信頼と対話の重要性

上記で紹介した3つのポイントですが、これらの前提にあるのは「マネージャーがメンバーを信頼し、対話を行う」ことを重視する、という姿勢ではないかと思います。
就業規則での規定の範囲内とはなりますが、働くうえでの基本的なルールやフレームワークについてもチーム内で議論して決めることが重要です。そういったルールを決めるに至った経緯や理由などもお互いに理解しているからこそ、何か問題が起きたときにもそもそもの目的に立ち戻って解決する、ルールが現状に合わないのであれば変更も視野に入れて議論する、など建設的な解決ができるようになるはずです。

当社がABW(Activity Based Working)を実践する中でも、「チームの合意」といって働き方について合意をする取り組みは高い効果を発揮しています。

参考記事:「信頼関係を築く「コミュニケーションマネジメント」とは」

また「成果」と「ワーカーの育成やケア」、「個人のウェルビーイング」と「コミュニケーションやコラボレーション」、管理職はどちらもバランス良く実現していく必要があるというのはもっともな指摘であると思います。現在、ハイブリッドワークやリモートワークでは「会社の都合」と「個人の都合」どちらを重視すべきか、といった二項対立の議論がよく見られます。本来であれば「個人」の集合体が「組織」であり、「個人」と「組織」は対立するものではないはずです。ではなぜそのような方向性に発想が至ってしまうのでしょうか。

それは「メンバーの働きやすい環境を整えたら成果を出してくれるはずだ」という信頼や「達成すべき目標や進め方について双方で合意する」という対話のプロセスが欠けている組織が多いからかもしれません。目標をトップダウンで与える、社員は放っておいたらそれらを達成しないから様々な縛りをかけてリソースを引き出す、という状況に陥っている組織は多いのではないでしょうか。

そのような世界観から抜け出し、

「メンバーと達成すべきことについて合意する」
「メンバーは自律的に働く中でそれを達成する」
「達成のために障害になることも話し合い、マネージャーがサポートして乗り越える」
「メンバーは自身の働き方や成果について説明責任を負う」

というマネジメントに転換することは一朝一夕に達成できることではありません。しかしハイブリッドワークを実践しようとすれば、遅かれ早かれこの課題にぶち当たります。ハイブリッドワークの導入を検討される企業の方は、働く場や関連制度だけではなく、マネジメント手法の転換も同時並行で進める必要がある、ということをぜひ頭に留めていただければと思います。そして働き方を変える際には、まずはマネージャーを含めた社員との対話をきめ細かく行うことから始めていきましょう。

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