目次
- 物流自動化とは
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物流現場で自動化が広がる3つの背景
働き手不足
EC需要拡大による出荷量の増加
物流効率化法への対応 -
物流自動化で得られる4つのメリット
作業負荷を軽減できる
出荷スピードが安定する
倉庫のスペースを有効活用できる
作業ミスを減らし、物流品質が安定する -
物流自動化システムのおもな種類
自動倉庫(AS/RS)
搬送ロボット(AGV・AMR)
アームロボット
倉庫管理・制御システム(WMS・WCS) -
物流自動化システム導入前に押さえておきたい注意点
現状の課題を正確に把握する
導入範囲を明確に決める
設備単体ではなく、現場の条件との相性を確認する
既存システムや周辺設備との連携可否を確認する
導入後の運用・定着まで見据える
初期費用だけでなく、中長期の費用対効果で考える -
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倉庫内の人手不足、増え続ける出荷量への対応など、多くの課題を抱える物流現場では、近年自動化への取り組みが広がっています。とはいえ「どのシステムが自社に合うのか」「どの工程から見直すべきか」「費用対効果をどう考えればよいのか」といった疑問から、検討が進みにくいケースも少なくありません。
本コラムでは、物流自動化の意味や導入が広がる背景、メリット、代表的なシステムの種類、導入前に押さえておきたい注意点をわかりやすく解説します。
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物流自動化とは
物流の自動化とは、これまで人の手で行ってきた入荷・保管・ピッキング・搬送・仕分け・出荷などの工程を、自動倉庫や搬送設備といったマテハン(マテリアルハンドリング)機器、ロボット、ITシステムを活用して効率化・自動化することです。
倉庫全体をまるごとリニューアルする大規模な取り組みから、特定の工程だけを自動化する部分的な改善まで、その規模と形はさまざまです。
物流現場で自動化が広がる3つの背景
近年、自動化への関心が高まっている背景には、物流現場が直面する3つの課題があります。
それぞれくわしく見ていきましょう。
働き手不足
少子高齢化が進む中、物流現場では慢性的な人手不足が続いています。重量物の取り扱いや長時間の立ち作業など、体への負担が大きい仕事が多いことも、求人を難しくする一因となっています。
「人が集まらない」「定着しない」という悩みは、規模を問わず多くの物流現場に共通の課題です。
EC需要拡大による出荷量の増加
ECモール・ネット通販の普及によって、「欲しいときに、欲しい分だけ」注文する買い方が当たり前になりました。1件ずつの出荷量は小さくなった一方で、処理しなければならない件数と頻度は大幅に増加しています。
「人を増やして乗り切る」という従来のやり方では、対応が難しくなってきているのです。
物流効率化法への対応
2024年4月から、トラックドライバーへの時間外労働の上限規制が適用され、輸送能力の不足が懸念される「物流2024年問題」が現実的な課題となりました。さらに、2026年度からは物流効率化法に基づき、一定規模以上の荷主・物流事業者に対して、中長期計画の作成や定期報告が義務付けられています。
こうした流れを受け、物流現場では、荷待ち時間や荷役時間の短縮、積載効率の向上など、物流プロセス全体の効率化が求められています。
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参考:「物流効率化法」理解促進ポータルサイト
https://www.revised-logistics-act-portal.mlit.go.jp/
物流自動化で得られる4つのメリット
物流を自動化すると、現場では具体的にどのような変化が生まれるのでしょうか。ここでは、おもなメリットを4つご紹介します。
作業負荷を軽減できる
重い荷物を繰り返し運ぶ作業や、長時間立ちっぱなしのピッキング作業を機械に任せることで、従業員の身体的な負担は大きく軽減されます。働く人の健康や安全を守ることは、定着率の向上や採用力の強化にもつながります。
物流・工場などの現場で「ここで長く働きたい」と思える職場づくりにおいて、自動化は有効な手段の一つとなっています。
出荷スピードが安定する
設備の自動化によって、時間帯や曜日・季節にかかわらず、安定したペースで作業を進めやすくなります。繁忙期に人員を大幅に増やさなくても処理量を維持しやすくなるため、「人が足りず出荷が遅れる」といった課題の解決につながります。
倉庫のスペースを有効活用できる
自動倉庫などのシステムを導入すれば、平面を広く使う従来の保管方法と比べて高さ方向を有効に使えるため、限られた床面積でも保管能力を高められます。さらに、人が作業するための通路を縮小・削減できる場合もあり、棚の配置を含めて倉庫全体のスペースをより効率よく活用できます。
作業ミスを減らし、物流品質が安定する
バーコードやRFIDを活用した自動識別・照合の仕組みと組み合わせることで、ピッキングミスや誤出荷を大幅に減らすことができます。出荷精度が上がればクレームや返品対応にかかる手間も減り、結果として顧客満足度の向上にもつながります。
物流自動化システムのおもな種類
物流自動化に使われるシステムは、目的と規模によってさまざまな種類があります。ここでは、代表的な4つのシステムをご紹介しましょう。
自動倉庫(AS/RS)
自動倉庫とは、スタッカークレーンやシャトル台車を用いて、荷物の入出庫を自動で行う設備です。AS/RSは「Automated Storage and Retrieval System(自動保管・取り出しシステム)」の略称で、倉庫自動化の中核を担う設備として広く普及しています。
ピッキング作業との連携もしやすく、在庫管理の正確さも高まるほか、冷凍・冷蔵倉庫や医薬品倉庫など、人が長時間作業しにくい環境にも対応できる点が大きな強みです。
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搬送ロボット(AGV・AMR)
無人搬送車(AGV:Automated Guided Vehicle)は、磁気テープなどのガイドに沿って決められたルートを走行します。一方、自律走行搬送ロボット(AMR:Autonomous Mobile Robot)は、センサーやカメラで周囲の状況を把握し、障害物を回避しながら自律的に走行します。どちらも倉庫内で荷物を搬送し、ピッキングエリアや出荷口などへ運ぶ役割を担います。
作業者が棚のあいだを歩き回る距離を減らし、搬送作業の負担を軽減できるため、搬送距離が長い現場や、搬送作業が頻繁に発生する物流センターで効果を期待できます。導入後も、システムの設定変更によって搬送ルートを柔軟に調整しやすい点がメリットです。
アームロボット
ベルトコンベヤ上の商品をつかんでケースに詰めたり、パレットに積み上げたりする作業を自動化するロボットです。
単調で疲労しやすい反復作業に向いており、力や精度が求められる場面でも安定した品質を維持できます。AIや画像認識などの技術と組み合わせることで、形状の異なる荷物への対応範囲も広がっています。
倉庫管理・制御システム(WMS・WCS)
物流自動化では、荷物を動かす設備だけでなく、在庫や作業指示を管理し、設備を連携させるシステムも重要な役割を担います。倉庫管理システム(WMS:Warehouse Management System)は在庫や入出庫などの情報を管理し、倉庫制御システム(WCS:Warehouse Control System)はその情報をもとに、自動倉庫や搬送設備へ具体的な動作指示を出します。
両者を連携させることで、個別の設備をつなぎ、倉庫全体の動きを一元的にコントロールする、物流自動化の司令塔として機能します。
物流自動化システム導入前に押さえておきたい注意点
物流自動化システムの効果を十分に引き出すためには、導入前に押さえておきたいポイントがあります。現場の課題や作業フローに合わない設備を選んでしまうと、「思ったほど省人化できない」「別の工程に負荷が集中する」「現場で使いこなせない」といった事態につながることも。
導入効果を高めるために具体的に何を確認すべきか、順を追って見ていきましょう。
現状の課題を正確に把握する
入荷・保管・ピッキング・搬送・仕分け・出荷のどこに課題が集中しているかを、まず明確にすることが出発点です。「なんとなく倉庫全体が忙しい」というあいまいな認識で検討を始めると、課題の少ない工程に設備を投じてしまったり、導入後に別の工程が新たなボトルネックになったりする失敗を招いてしまいます。
現場担当者へのヒアリング、作業時間・滞留量のデータ可視化などの取り組みを通じて、本当に自動化が必要な箇所を特定しましょう。
導入範囲を明確に決める
課題の所在が見えてきたら、次は「どこまで自動化するか」の範囲を定めます。特定工程のみを自動化するのか、倉庫・物流エリア全体を刷新するのかによって、検討すべき範囲・スケジュール・予算規模は大きく異なります。
部分的な改善から始める場合も、将来的な拡張を見越した設計にしておかないと、後から設備を追加するときにシステムが連携できないケースが出てきます。今導入する範囲と将来の姿を、同時に整理しておくことが重要です。
設備単体ではなく、現場の条件との相性を確認する
「他社の事例でうまくいった設備だから」といって、自社の現場条件を確認しないまま選定するのは避けたいところです。たとえば、以下のような要素が変われば、最適な設備の種類も変わります。
- 倉庫の天井高・通路幅・床荷重などのスペース条件
- 取り扱う荷物の種類・重量・形状
- 1日あたりの出荷量と波動(繁閑の差)
- 入荷から出荷までの作業工程や動線
まず自社の現場条件を丁寧に棚卸しし、それに合わせて設備を選ぶという順番が大切です。
既存システムや周辺設備との連携可否を確認する
すでにWMSや基幹システム(ERPなど)を使っている場合、新たに導入する自動化設備がそれらと連携できるかどうかの確認は不可欠です。連携が取れない場合、二重入力や手作業での情報同期が発生し、せっかくの自動化が「入力作業の増加」につながってしまうこともあります。
設備メーカーとシステム提供会社の双方を交えた連携確認を導入前に必ず行いましょう。
導入後の運用・定着まで見据える
設備を入れることがゴールではありません。導入後の日常点検・定期メンテナンスの体制、トラブル発生時の対応フロー、現場スタッフへの操作教育など、「運用が続く仕組み」を整えることで、長期にわたる効果の維持につながります。
導入を検討する段階で、設備メーカーや販売会社のアフターサポート体制もあわせて確認しておくと、安心して選定を進められるでしょう。
初期費用だけでなく、中長期の費用対効果で考える
自動化設備は初期費用が大きくなりやすいものの、費用の大きさだけで導入の可否を判断するのではなく、中長期的な効果も含めて検討することが大切です。倉庫全体を一度に刷新するだけでなく、特定の工程から導入し、効果を確認しながら段階的に拡張していく方法もあります。
投資対効果を考える際は、以下のような効果も含めて試算しましょう。
- 出荷精度向上によるクレーム・返品コストの削減
- スペース効率改善による保管コストの抑制
- 繁忙期の外部委託費の削減
- 人員配置の最適化による作業効率の向上
設備の運用期間や保守費用も踏まえ、何年で投資を回収できるかを試算することで、導入の可否を判断しやすくなります。
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イトーキは、1985年の自動倉庫発売以来、製造・流通・小売・医療など幅広い業種の物流現場に向き合ってきました。
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ヒアリングや現地調査、課題抽出から設計・施工まで一貫して対応し、導入後の運用開始や保守・メンテナンスまで継続的にサポートします。
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