プロトタイピングと価値検証のサイクルを回すオープンイノベーションを実現する「協創」の場。
「優れた自主技術・製品の開発を通じて社会に貢献する」という企業理念の基、世界最先端の研究開発に取り組む株式会社日立製作所。人々が安全で豊かに暮らせる未来の実現に向けて、ITとOT(制御技術)を融合し高度な社会インフラシステムを提供する「社会イノベーション事業」をグローバルに展開している。2016年12月、神奈川県横浜市の横浜研究所内に「オープンラボ」を開設。顧客との協創を通じて、社会の課題を解決する先端技術を研究・開発することで、社会イノベーション事業の拡大を目指している。
コラボレーションカフェ
コラボレーションカフェ
オープンラボの中央にあるカフェの全景。日立製作所の創業小屋の入口建屋サイズ・形状をフレーム化したカフェを中心に、フリーワークエリア、さらにその周囲に各カスタマイズラボが配置される。活動内容にあわせて家具を自由に動かし、研究発表やセミナーにも利用できる。最大130名が着席可能。
コラボレーションカフェ
コラボレーションカフェ
コーヒーを淹れたり飲んだりしながら、会話が生まれたり、他のメンバーの活動を見ることができる。オープンラボの視覚的かつ感覚的な拠り所。
セキュリティオペレーションラボ
セキュリティオペレーションラボ
写真奥が顧客の環境により近い空間を再現したデモスペース。大画面を使った効果的なプレゼンが可能だ。手前がワークスペースで、デモを見ながら議論、検討することができる。写真左のガラス移動間仕切を開放すればカフェとつながる。
交通アナリティクスラボ
交通アナリティクスラボ
交通システムの監視センターのデモ環境を構築。
オープンオートメーションラボ
オープンオートメーションラボ
中央にはプレゼンワークスペース、周囲には大型3Dプリンターや産業ロボットの実機を配備した実験スペース。間仕切には電動ブラインドを内蔵し、実験スペースを効果的に見せる演出が可能。
データ分析プラットフォームラボ
データ分析プラットフォームラボ
上下昇降デスクの活用により、協創内容にあわせてさまざまな姿勢・高さでの議論・検討が可能。
システムモダナイジングラボ
システムモダナイジングラボ
タッチパネル式の4面マルチモニタを使ったプレゼンが可能。壁面もホワイトボードとしてアクティブに活用できる。
プロジェクトステージ
プロジェクトステージ
ラボメンバー専用のスペース。吸音カーテンを使ってスピーディーにエリア分けが可能であり、什器の組み換えも自在。また、ステージ下はスライド収納となっており、コラボレーションカフェのセミナー利用時のために折りたたみチェアが収納されている。
ガラス移動間仕切
ガラス移動間仕切
各カスタマイズラボは、カーテンやラボ内のスライディングウォール、ガラス移動間仕切を開閉することにより、用途にあわせた使用が可能。
User's Voice
株式会社日立製作所
技術戦略室技術統括センタ産学官連携部ユニットリーダ
藤原
正一郎氏
オープンラボの完成は、研究者とデザイナー、イトーキによる協創の成果だと思います。運用開始後に出てきたさまざまな意見は、オープンラボ運営委員会により施策を打ち、改善を続けています。現在、研究者間のコミュニケーションは活発になり、見学いただくお客様も増えています。また、お客様に来ていただいた際に目的のラボだけでなく、他のラボもご案内することもあるなど、利用に広がりが見られます。今後もさらにお客様との協創を深めていきたいです。
Comment
日立製作所様のオープンラボ横浜は、オープンイノベーションを実現する「協創」を加速させる場として、実際に使われる研究者、メンバーの方と何度も議論、検証をしてつくり上げた場所です。
ラボの大きな目的である、プロトタイピングと検証のサイクルをすばやく回す、繰り返す、ことができる空間を家具やICTを使って実現しています。こもりがちな研究者の意識や行動を呼び覚ます、今までにない機能や感覚を刺激するデザインを取り入れ、新しい働き方を実践する場となっています。
今回のラボこそ、日立製作所様とイトーキの協創によって生まれたイノベーションだと考えています。
Designer
西岡 利恵
Rie Nishioka