“バイオフィリックデザイン”で自然を感じられる心地よい空間に。
利用しやすさを追求した健診施設。
人間ドック・健康診断を通して「こころとからだ」の健康に貢献することを理念とする医療法人社団こころとからだの元氣プラザ。
同院は2020年4月に、飯田橋から神保町へと移転。
「効率的なゾーニング」、「安心と信頼を獲得する建築計画」、「成長と変化へ対応しうる施設」を基本コンセプトに、受診者目線とスタッフの働きやすさに配慮した「人」に優しい施設を実現した。
健診受付エリア
健診受付エリア
自然と一体化した空間イメージで、バイオフィリックデザインを象徴する受付エリア。壁面一面に大胆に施されたグリーンウォールや木のカウンター、大地のような雰囲気の床材などにより受診者を心地よく迎える。
外来診療受付
外来診療受付
自然をモチーフにした石調のデザイン。天井や壁は優しい印象を与える曲線フォルムに。
内視鏡エリアの待合ホール
内視鏡エリアの待合ホール
石調タイルの貼り分けで通路と待合スペースを緩やかに区分した。間接照明の柔らかな光と折り上げ天井で広がりを演出。温もりある色合いが待ち時間の緊張を和らげる。
VIP待合
VIP待合
3室あるVIP待合は部屋ごとに異なる内装になっている。バイオフィリックを意識した色彩や壁クロスで、穏やかな時間を過ごすことができる。
女性健診ゾーン
女性健診ゾーン
明るく温かみのあるインテリアに彩度を抑えたピンクを差し色に。通路の途中に設けた待合スペースは待ち時間に利用するだけでなく、廊下の単調さを緩和する効果も。目に留まりやすいサイズ・高さに設定された木の葉フォルムの案内サインで、受診者は次の検査室へスムーズに導かれる。写真奥は、カーテンで仕切られたスウェイゾーン。
廊下兼待合エリア
廊下兼待合エリア
長い廊下を単調に感じさせない光の導き方を演出。チェアの裏側に間接照明を設置し、各室の扉に落ちるピンスポットは光源が見えないグレアレス照明を使用。
婦人健診の待合ホール
婦人健診の待合ホール
木の葉のフォルムのサインを付けた面談室や検査室が並ぶ。
男性健診ゾーン
男性健診ゾーン
女性健診ゾーンとイメージを変え、落ち着いたカラーをベースにクールなブルーをアクセントにした男性健診ゾーン。壁面に施した植物のグラフィックも相まって気持ちがやすらぐ空間になっている。
面談室
面談室
植物をモチーフにしたグラフィックを施した面談室の扉には、グレアレス照明が柔らかな光を落とす。木目の建具や丸みを帯びた家具で、人への優しさを表現。
User's Voice
医療法人社団こころとからだの元氣プラザ
医療サービス事業本部
副本部長
松本卓氏
回廊型の動線にしたことでスタッフの作業効率が向上し、受診者からも「待ち時間が短くなった」と好評です。また、医療施設というと、白一辺倒で冷たい印象を与えがちなのですが、「バイオフィリック」というコンセプトにより、受診者にとって心地よい空間になったと実感しています。イトーキには、当院に何度も足を運んで現状備品の確認作業で各診療科のヒアリングをするなど、1つひとつ丁寧に積み重ねていただきました。私たちの空間に対する要望も、医療施設特有の法的な制限もクリアしながら、具体的なデザインとして提案いただきました。
Comment
避難安全検証法対象のオフィスビルに健診エリア(MRIやCTといった大型機器も設置)、外来エリア、検査エリアを作るといった難しい内容でしたが、山下PMC様、丹青社様、医療機器メーカー各社様などすべての関係者の皆様と密にコミュニケーションを図り、プロジェクトを無事に完了することができました。
施設は、健診着に着替えて以降、男女が交わらないような工夫がなされています。
また、健診者様の待ち時間短縮のため、様々なICT設備やコンシェルジュを配置するなど、様々な配慮がなされた施設となっていますので、是非、ご利用いただければと思います。
Designer
星 幸佑
Kousuke Hoshi
Designer
堀内 緑
Midori Horiuchi
今回の移転PJは、大型オフィスビルにテナントとして健診センターを作るという稀有な物件で、設備調整や工事調整が多岐にわたることから丹青社様と協業しながら設計を進めました。
健診センターに訪れる来院者は、憂鬱であったり不安な気持ちを抱えてこられます。この施設は都心にありながらも、植物や光などの自然を感じられる空間が広がっています。決して広くはない施設ですが、綿密な計画や、密にならず広がりを感じさせるレイアウトで、来訪者だけでなくスタッフにも心地よく過ごせる場となっています。
これからは移転前よりもっと利用者に喜ばれ選ばれる健診センターになればという思いで携わらせて頂きました。
Director
健石 雅一
Masakazu Tateishi