横浜の地域性を反映したデザインと受付カウンターを持たない空間設計で新しいスタイルの銀行店舗を実現。
“新たな金融の付加価値を創造し、社会の発展に貢献する。”をミッションとするあおぞら銀行。 全国に20店舗を展開し、専門性の高い金融サービスを提供している。 2020年6月、同行横浜支店は横浜駅に直結したJR横浜タワー15階へ移転。 横浜港が一望できる眺めのよいロケーションと上質なインテリアにより、 質の高い金融コンサルティングを提供するためのおもてなしの空間を実現した。

ロビーエリア
ロビーエリア
お客様をラウンジへと導く印象的なアプローチ空間。銀行のイメージをくつがえす落ち着いた配色のインテリアや独創的な設えが上質感を演出する。

ロビーエリア
ロビーエリア
コンセプトの"AOZOR PORT"を具現化し、海や港をモチーフにした空間。各所にはデザインを意味する名称が付けられている。床はブルーを基調としたカーペットでBlue Ocean。島を連想させるIsland Cabin(ナビゲーションブース)、Breeze Wave(ルーバー天井)、Sail Screen(ロビー奥の壁面)。

Island Cabin(ナビゲーションブース)
Island Cabin(ナビゲーションブース)
受付カウンターに代わる簡易相談のブースとして設置した「Island Cabin」(ナビゲーションブース)。湾曲したパーティションがプライベート感を演出し、一人ひとりの特別感を印象づける。ブース内ではお客様と隣り合わせに座り、インターネットバンクの使い方などを、PC画面を見ながらサポートする。

ロビーエリア
ロビーエリア
入り江をイメージした湾曲した造作の配置は、地域性を表現するとともにお客様の動線を緩やかに生み出している。

ラウンジ
ラウンジ
ロビーエリアから左手に進むとラウンジが広がり、ゆったりと落ち着いて待ち時間を過ごせる。

応接室
応接室
回廊に面した応接室の壁は全面ガラス張りで空間に広がりを持たせた。打合せ中はカーテンでプライバシーを確保する。

回廊
回廊
店舗奥の応接室までのアプローチは、横浜港を眺めながら案内する特別な場所。コンサルティングへの期待感と特別感を演出している。
User's Voice
株式会社あおぞら銀行
管理部
ファシリティグループ
グループ長
千葉智康氏
管理部
企画グループ
部長代理
新井宣裕氏
「新しい店舗のあり方」を追求する中で、イトーキからの「カウンターを設けないデザイン」の提案は、「私たちがイメージするリテールの方向性を明確に示した提案でした」(あおぞら銀行 管理部 ファシリティグループ グループ長 千葉智康氏)。
コンペ後は、じっくりと時間を掛けて「AOZORA PORT」というコンセプトをつくり、また、円形が印象的なナビゲーションブースのモックアップも制作するなど、パートナーとして一緒に考え、眺望の良いロケーションを活かした、「上質感と特別感」のある、おもてなしの空間を実現していただきました(あおぞら銀行 管理部 企画グループ 部長代理 新井宣裕氏)。
Comment
この空間構築においては、R型のガラスサッシュ・波型の天井ルーバー・照明の陰影具合など、細部にまで拘りをもったクオリティの高い店舗構築を実現することができました。
プロジェクト期間中には緊急事態宣言の発令もあり、難しい判断を迫られる場面も多々ありましたが、施主含め関係各社皆様の多大なるご尽力のお陰で、最後まで一切妥協のない空間づくりに専念する事ができました。この場を借りて御礼申し上げたいと思います。
この横浜支店が、あおぞら銀行様のさらなる飛躍の場として、これからも活用し続けられる事を期待しています。

Designer
伊藤 猛
Takeshi Ito

Designer
福田 理恵
Rie Fukuda
既存の店舗コンセプトの再構築という依頼にこたえる形でコンペから参加させていただいたプロジェクトです。カウンターを無くすことでお客様に新しい体験をもたらし、行員の方々の働き方にも変化を与えるようなコンセプチュアルな提案を行いました。
銀行サービスがデジタル化へと大きく変化していく環境の中で、これからの店舗サービスはどのようなものになっていくかを何度も議論しながら空間デザインに反映させていきました。それに加えて、横浜らしさの表現や特別感・上質感といった多面的な観点からデザインを行い、そこにしかないオリジナルな店舗を目指しました。あおぞら銀行様と何度も議論を重ねた成果として、一つ一つのエレメントや素材に意味があり、ストーリーがある密度の濃い空間が実現したと感じています。
Director
新村 裕介
Yusuke Niimura