1970年代の建設時と現代のデザインを融合。持続可能な地域社会への貢献を軸に次代に受け継ぐ金融機関の本部エントランス
「あおしん」という愛称で地域に親しまれ、埼玉県南部と東京都足立区において37店舗を展開する青木信用金庫。創業75周年を迎えた2023年、埼玉県川口市の本部ビルにおいて、エントランスフロアの全面リニューアルを実施した。コンセプトは「NEXTあおしん」。竣工時のビルデザインと最新のオフィス・ソリューションを融合し、地域と共に未来に向かう信用金庫の新たな「顔」を創出した。
受付
受付
ピンクレッドのトラバーチンと白い人造大理石のコントラストが際立つ受付カウンター。カウンター内部の照明は調光調色機能付。
ウェイティングスペース
ウェイティングスペース
木目仕上のアルミルーバーでぬくもりを演出。壁面に展示したヒストリーパネルはスポット照明で印象的に。
ウェイティングスペース
ウェイティングスペース
待合いと商談エリアは床と天井、間仕切で明確に区分。調光式のLED照明で、いつでも快適な明るさを維持できる。
商談・会議ブース
商談・会議ブース
組織の役員会議にも利用する8人用の部屋。折上天井とアクセントのペンダントライトで特別感を演出する。タスクチェアは長時間座っても疲れにくい、上質なものを厳選した。
商談ブース
商談ブース
少人数向けのカジュアルな個室。ニュートラルなカラーを使い、明るく落ち着いた雰囲気を演出している。
オープンミーティング席
オープンミーティング席
短時間の打合せ用のオープンミーティング席。壁面は砂壁状の塗り壁材でていねいに仕上げた。
エレベーターホール
エレベーターホール
ヒストリーコーナーとして、創業者のブロンズ像と新たに製作した経営理念の銘板を展示。
建設当時にデザインされた竹モチーフのガラスモザイクに壁面パネルを組み合わせ、間接照明の光の演出でドラマティックなコーナーに。
外観
外観
レンガ色の外装タイルは、東京都美術館の外装壁と同じ素材。今回の改修に合わせてメンテナンスを行った。
User’s Voice
青木信用金庫
常務理事
吉川
裕二
氏
イトーキとは今回初めての協働でしたが、コンペの段階から本社オフィスの紹介やレイアウトイメージの共有を図ってくれたり、また当金庫の歴史や地域における立場について、真摯に寄り添っていただきました。設計段階には、定例会議のたびにさまざまな要望を追加するなどご苦労をお掛けしましたが、我々のニュアンスをよく理解し、レスポンスも早く、毎回どんな提案が出てくるか楽しみでした。
中でも、創業者の銅像の設置場所がなかなか思いつかなかったのですが、エレベーターホールに設置する提案は衝撃的に素晴らしかったです。リニューアルしたエントランスホールは、当金庫のイメージアップにつながり、親しみやすく気軽に立ち寄りやすい場所になったと思っています。イトーキを選定して本当に良かったと実感しています。
Comment
スタート時は防音ブースの検討だったのですが、現場を見た営業の上村さんから「内装もやりかえたら良くなりますよ」の一言からプロジェクトが大きく広がっていきました。
デザイナーとして今プロジェクトの一番のポイントは、すべて新しく変えるのではなく、今では貴重な元々の内装材である石材やレンガブロック、特注のガラスブロックを活かしながらいかに調和をとり魅力ある明るい空間にしたかということです。
これまでの歴史と未来をビジュアル化し、音環境やセキュリティを整え、きめ細やかな対応で「NEXTあおしん」をお客様と共にエントランス空間を構築することができました。
Designer
中川 直美
Naomi Nakagawa