ABWの働き方を実践する社員の声vol.3
~分散して働く社員をマネジメントする経営企画部長が抱える悩みとは?~

COLUMN
2021/12/24

2018年10月より、当社は都内に分散していた4つの拠点を新本社オフィス「ITOKI TOKYO XORK(以下、XORK)」へと集約し、そこでABWという働き方に取り組んでいます。前回の「ABWの働き方を実践する現場の声 vol.2~中堅営業が語る、ハイブリッドワークで実践する時間の有効活用~」では、自身の業務を「10の活動※」に分解してその活動にあった働く場所を選択していくことの大切さについてお伝えしました。今回は、経営企画部 部長の内田 智之さん(以下、内田)に管理者目線でABWの働き方についてお話を伺いました。 なお本コラムに掲載している写真は、撮影時のみマスクを外しております。

イトーキでは日々の業務を「10の活動」に分解し捉え直しています。

イトーキでは日々の業務を「10の活動」に分解し捉え直しています。

経営企画部 内田 智之さん

経営企画部 内田 智之さん

──ABWになって何が一番変わったと思いますか?

内田:ABW導入前のオフィスは、目の前に役員室が並び窓が無い閉塞感のある空間で、業務に集中したい時も周囲から声をかけられやすい島型対向式のレイアウトでした。また経営企画部が執務する居室へのアクセスできる者は限定されており、他部門の社員との交流は少ない状況でした。

ABW導入後のオフィスは、ワンフロア800坪のメガプレートで解放感のある明るいオフィスなので、そのような環境で働けることに大変魅力を感じています。その一方で、はじめは「いつどこで働いてもよい」という自己裁量の大きさに戸惑い、働く席を決めること一つとっても苦労しました。しかし徐々に自己裁量に関する意識や志向が高まり、それによって自身の業務内容と執務場所の関係の適正性を意識するようになり、「こういう話をするならラフな対話スペースでやろう」「周囲をシャットアウトしたい時は高集中スペースに行こう」など活動に合わせてより良い執務環境を求めるようになりました。何よりABW導入前と比べて徐々に他部門の社員との交流も増え、現在では内向きだった思考や発想がより外に向かうようになりました。

──チーム全員がABWという決められた席を持たず分散して働く中で、どのように他のメンバーとコミュニケーションをとっていますか?

内田:メンバーとの日常のコミュニケーションはチャットを中心に行っています。部署ごとにグループチャットを使って会話をしており、業務指示や連絡だけでなく朝の挨拶やメンバーの体調確認等もチャットを活用し、できるだけ軽く・柔らかいコミュニケーションを心がけています。

新型コロナウイルスの流行中はオンラインでのやりとりが多かったですが、流行が落ち着いてきている最近では、意識的に対面でのやり取りを増やしてきています。特に、2・3人で「2時間集中して〇〇を作りこもう」「アイデア出しをしよう」といった際には、対面で行う方が(表情やしぐさも含め)相手の会話への理解度や興味等に対する感度が高まり、会話のキャッチボールも速くなるからです。一方、定例会議など比較的大人数が参加する会議は、オンライン開催を標準としており、対面よりもオンラインでの参加者が多くなります。そのためカメラをOFFにしていると、表情が分からず、意図が伝わりにくいため、参加者は積極的に受発信することが求められます。

アイデア出しのスペース / 2人作業のスペース

アイデア出しのスペース / 2人作業のスペース

──今まで紙ベースで働いていたところから、どのようにペーパーレスを進めましたか?

内田:ABW導入前までは資料はすべて紙で出力・保管を行っていました。特に苦労していたのは、経営層向けの会議資料です。毎回出席者1人につき厚さ1cmにもなる大量の書類を会議前日の遅い時間まで準備していました。ABW導入後もすぐにはペーパーレスへ切り替えることができなかったのですが、新型コロナウイルス流行により状況は一変しました。資料はGoogleドライブ上で共有し、iPadやノートPC等の各役員のデバイスから閲覧できるようにしました。

──オフィス勤務と在宅勤務をどのように使い分けていますか?

内田:私の1週間の活動割合は、「高集中」が20%、「二人作業」「対話」が5%ずつ、「情報整理」が60%、「アイデア出し」が10%となっています。ちょっと「情報整理」の割合が多すぎますね(笑)。オフィス勤務と在宅勤務の使い分けについて、現状は関係者と対面でアイデアを出し合ったり、少人数で集中して話をまとめたりすることが多く、週4日はオフィス勤務をしています。片道1時間かかる通勤時間やプライベートも含めた時間の有効活用を考慮すると、可能であれば出社予定を週3日にまとめてしまい、在宅勤務をもう1日多く実施したいのですが、自分の都合で決められる予定が少なく、それは難しい状況です。ちなみに自宅では、寝室に自分でDIYをした机と自社製品であるレビーノチェア(現在は販売終了)を使って仕事をしています。出来ればオフィスで行う「情報整理」のための会議を減らして、自宅や様々な場所でアイデアを広げたり、ゆるく考えごとができるような時間を増やしたいと考えています。

──今の働き方で、課題と感じていることはありますか?

内田:ABWの働き方を行うために求められることは、①個人の業務対応能力が一定以上あることと、②最低限のチームビルディングができていることだと思います。その理由は、分散して働くと常に横にいて1つ1つ指示するということが出来ませんので、ある程度のボリュームの業務を自分で段取りして進めていく必要があるからです。またコミュニケーションの取り方もメールやチャットといったテキストでのやりとりが中心になるため、人によっての受け取り方の違いや情報の格差が生まれたり、部署ごとの壁もできやすくなったりする可能性があるので、チームビルディングができている(=信頼関係が醸成されている)ことが重要です。

現在のテレワークを活用した働き方は、どんなにITツールを駆使しても非リアルの世界で根本的な信頼関係を築くことは難しいです。もし一人ひとりが自己完結する仕事だけ行う組織なら別ですが、チームプレーで成果を出す必要がある組織であれば、ABWの働き方にチームの信頼関係を醸成するためのイベントや仕掛けを定期的に織り込む必要性を感じます。私が所属する経営企画部は3つの課があり、2つはXORK、1つは大阪にあります。ここ1~2年はコロナ禍のもと、このようなチームの信頼関係を醸成する取り組みが制限され、一体感や連帯感にほころびが生じかねない状況にあると危機感を感じており、あらためて部内の連携を強めたいと思っています。そのため四半期に1度の頻度で部全体で集まり、課ごとの業務の共有や深堀りといった知識共有を兼ねた全体会議を行っています。これまではオンライン中心の会でしたが今後はワーケーションを交えた合宿など、多少の予算をかけてでもチームビルディングの為に何か有効な手を打つことの必要性を感じています。会社としても組織やプロジェクトごとに利用できるそういったパッケージプランの支援があると良いなと思います。

──現在あらためて振り返ると、以前の固定的な働き方についてはどのように感じられますか?

内田:当時は当たり前で特に意識はしていませんでしたが、働く場所が固定されていたことによる影響はとても大きく、組織の発想を内向きにし、成長を妨げる要因になっていたのではないかと思います。一方でABWの働き方は、一人ひとりがプロフェッショナルとして自立的に動き、色んな人と出会うことで外向きの発想を持ち、新しいアイデアを生み出すことで、組織としても一段高い集団になれるのではと感じます。ABWはインフラ整備が必要で、個人としても組織としても使いこなせるようになるまで時間がかかるため、どうしてもコスト先行になりがちな面はあると思いますが、組織として成長するためには有効なチャレンジだと思っています。

また、従来は働く環境への投資に対する効果測定は、難易度が高いと言われてきました。その理由は、本来「働き方の変化によりワーカーの生産性が向上し、会社の業績が向上した」というシナリオがあるべきですが、働き方は業績に関わる一つの要素でしかなく、その他にも様々な外的要因の影響も受けるためです。しかし経営企画部的にはABWの導入という投資に関する中長期的な費用対効果が確認できるよう、これからも様々な角度でウォッチしていきます。


「ABWはお互いが信頼しあっていないと成り立たない働き方。分散して働くからこそ、声をかけるタイミングなどの配慮は必要ですが、お互いが積極的に発信していくことが重要ですね。」と最後にABWの運用面で重要なポイントを語ってくださった内田さん。一人一人が分散して働いても、組織内で気兼ねなく自身の考えを発言し行動できる状態を指す「心理的安全性」をしっかり確保できるような働き方のデザインとオフィスの構築を社員皆で作り上げることが重要です。

弊社が提供するABWコンサルティングサービスは、企業としてのありたいビジョン策定からそのビジョン実現に向けて、ワーカー個人の活動に注目し、活動対して適切な空間・IT・行動を具現化するためのコンサルティングサービスです。ご関心のある方はぜひこちらの資料もご覧ください。

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