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ABWとは?(基礎編)~フリーアドレスとは何が違うのか~

ABWとは?(基礎編)~フリーアドレスとは何が違うのか~

アクティビティ・ベースド・ワーキング(Activity Based Working、以下ABW)は今、ワーカーの能力を最大限引き出す、労働生産性の向上、人材活用、コラボレーションの活性化、ワーカーのウェルビーイングの実現といった観点から、日本で注目されています。

とは言え、ABWについて正しい理解が浸透しているかと言うと、残念ながらそうではないとイトーキは感じています。本コラムはABWの基本的な解説をメインとする(基礎編)と、実際にABWの導入を検討されている方向けの(実践編)に分かれています。ぜひ、最後までお付き合いください。

ABWとは

ABWは、自己裁量を最大化し、ワーカー自らが働き方を自律的にデザインする総合的なワークスタイル戦略のことです。ワーカーの活動※に合わせて、最も生産性が高く働ける場所、時間、相手を自ら選択する働き方です。

1990年代にワークスタイルコンサルティング企業・Veldhoen + Companyがオランダの企業に対してABWの導入支援をしたのが起源とされています。そこを皮切りに2000年代後半にオーストラリア全土に広がり、2010年代後半に日本に伝わりました。

イトーキでは日々の業務を「10の活動」に分解し捉え直しています。

イトーキでは日々の業務を「10の活動」に分解し捉え直しています。

テレワーク拡大を契機に自由度の高い働き方として注目を集めるABW

新型コロナウイルスの感染症の拡大を契機として、いま「働く」の当たり前が大きく変わろうとしています。オフィスに出社して働くことが仕事の大前提だったコロナ前。パンデミックによって多くのワーカーが半ば強制的にテレワークを経験したことで、「自宅の方が業務に集中しやすい」と在宅勤務でも生産性を失わずに業務を遂行することができるという学びがあった一方、「オフィスの方が会議でアイデアが生まれやすい」などあらためてオフィスの役割を感じる場面もありました。また、これまで通勤にかかっていた時間を子育てや介護、趣味の時間に充てることができるようになり、ワークライフバランスが良くなったと感じているワーカーもいます。

その結果、たとえ感染者数が減少しても柔軟な働き方を続けたい、と希望するワーカーが増えました。こうしたニーズに応えることを前提として、オフィス環境やIT環境、各種制度をどのように整えれば従業員の満足度や生産性・創造性を向上することができるのか、ということに多くの企業が強い関心を持ち始めています。それを検討する切り口の1つとして、いまABWという働き方があらためて注目を集めています。

ABWとフリーアドレスの違い

ABWの特徴を掴むためには、よく比較・混同される「フリーアドレス」と比べて考えてみるのがいいかもしれません。フリーアドレスは、オフィスの中で自席を設けないという運用ルールのことを指しますが、実際にはデスクやスペースの種類が少なく、同じようなしつらえのスペースが並んでいるだけ、ということが多くあります。フリーアドレスはよく、スペース効率を最大化し、オフィスコストを削減する目的で導入されます。それに対しABWは、組織のビジネスニーズや従業員の目指す成果に応じて、いつ、どこで、どのように働くか選択肢を与え、機動力を高める働き方です。

さらにABWでは、オフィスに限らず自宅や外出先、サテライトオフィスなども「働く場」として考えること、また自身の業務を「活動」という考え方で分解し、その活動をサポートする様々な環境を用意することも、フリーアドレスとは異なる特徴といえます。

ABWとは?(基礎編)では、ABWの歴史や基本的な概念、混同されがちなフリーアドレスとの違いについてお伝えしました。ABWとは?(実践編)では、実際のアプローチやメリット、デメリット、さらにはABWを導入してから新しい働き方が定着するまでの各フェーズをご紹介いたします。ABWの導入を少しでも検討されている方は、ぜひ続けてご一読ください。

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ABWとは、最も生産性が高く働ける場所、時間、相手をワーカー自らが選択する、自由度・柔軟度の高い働き方のこと。ABWについて考え、もっと理解できるトピックスが盛りだくさんです。