生物多様性の保全・維持

SDGs3・15

目的・考え方

イトーキグループは、自然環境から多くの恵みを享受する企業として、持続可能な共創社会の実現を目指し、生物多様性の保全に努めます。

イトーキグループ生物多様性方針

イトーキグループは、その事業活動が自然環境からの恩恵により成り立っており、また自然環境に影響を与えていると考え「人も活き活き、地球も生き生き」する持続可能な共創社会の実現を目指し、生物多様性の保全を重要な経営課題のひとつと捉え、以下の取組みを積極的に行います。

基本的な取組み

  1. 生物多様性に配慮した製品・サービスを開発・提供します。
  2. 生物多様性に配慮した原材料の調達を推進します。
  3. 環境教育や社会貢献活動などを通して、従業員の生物多様性保全の意識の向上に努めます。
  4. ステークホルダーとともに生物多様性保全活動を推進し、活動内容の情報を発信していきます。
  5. 遺伝資源に関する国際的な取り決めを踏まえ、公正な利用に努めます。

主な取組みと成果

地域材や国産材などを活用した製品・サービス

イトーキグループは、森林が木材を生みだすだけでなく、豊かな水や生態系を育み、生物多様性の保持や、CO₂固定による温暖化防止など、地球の環境を支える大きな役割を担っていると認識し、木材を製品化する企業として、地域材や国産材などを活用した製品の開発・提供へ積極的に取り組んでいます。

地域材の活用を推進

Econifa(エコニファ)

イトーキは2010年より、日本の豊かな森から生まれる地域材の活用を通じて、森と街をともに「イキイキ」とさせるソリューション「Econifa(エコニファ)」を展開しています。これは国内産の木材を、デザイン性の高い家具や内装として製品化し、オフィスや都市部の空間に取り入れるというソリューションです。
森林は適正な伐採や定期的な管理を行うことで活性化し、さまざまな生物の命を育む場となります。Econifa事業の推進は、木材使用によるCO₂の固定化をはじめ森林の生物多様性の保全や、地域経済の活性化まで、地球環境保護と社会的課題の解決に対し、多様な側面で貢献しています。

新しい木材活用による地域的循環の再現

Econifaが実現する自然の循環

Econifaで扱っている地域産材の都道府県数
2016年度
42都道府県
地域材活用の取組み

Econifa(エコニファ)は、各自治体と連携し、各産地の材を使った内装や家具など、新たな用途を提案しています。2016年度は林野庁の補助事業を岩手県の企業と協働受託し、県木のナンブアカマツを活用した公共交通機関等の待合ロビー用家具「iVas(アイヴァス)」の開発を行いました。
開発のきっかけは、復興庁の地域復興マッチングイベント「結の場」にイトーキが参加した際の、復興に積極的な岩手県内の企業との出会いでした。ナンブアカマツの活用において最初に懸念したのがヤニの問題でした。この課題に、岩手県林業技術センターと県内企業との協働で取り組み、ヤニを抑制する乾燥条件を調査して、製品化へとつなげました。こうした地域の企業と研究機関との協働による地域材の活用には、今後も積極的に取り組んでいきます。

▲iVas(アイヴァス)

屋外製品への針葉樹木材の活用

現在、日本の人工林に多いスギやヒノキといった針葉樹は、戦後に植林されたものですが、その多くが伐採適齢期を迎えています。これらを活用し、オフィスや公共施設などの屋内向け製品に加え、屋外向けの製品の開発も行っています。ベンチユニット製品「ヴィーレック」は、特殊な処理を施すことで、木材の耐久性と寸法安定性を高め、針葉樹材を屋外製品としても活用できるようにした一例です。
今後も、屋内外問わず、都市空間で木を感じることのできる国産材製品を開発していきます。

▲VIELECK(ヴィーレック)

ウッドデザイン賞2016の受賞

イトーキは、ウッドデザイン賞運営事務局主催の「ウッドデザイン賞2016」において、製品、研究、建築、コミュニケーションなど4つの作品でウッドデザイン賞を昨年に引き続き受賞しました。今年度受賞した作品は、Econifaの製品シリーズ(受賞作品名:ninoco、VIELECK )千葉県森林整備協会と共同応募した「馬刀葉椎(マテバシイ)ウォール/馬刀葉椎(マテバシイ)フローリング」および福井県、福井県家具建具組合と共同応募した「新たな県産材需要を開発する里山再生プロジェクト」も受賞しました。

ウッドデザイン賞受賞

受賞作品受賞部門
ロビーチェア 「ninoco(ニノコ)」※1 ハートフルデザイン部門(木製品分野)
エクステリア家具 「VIELECK(ヴィーレック)」※2 ライフスタイルデザイン部門(技術・研究分野)
新たな県産材需要を開発する里山再生プロジェクト「馬刀葉椎ウォール/馬刀葉椎フローリング」※3 ソーシャルデザイン部門(建築・空間・建材・部材分野)
県産スギ材オフィス家具開発プロジェクト「新たな県産材需要を開発する里山再生プロジェクト」※4 ソーシャルデザイン部門(コミュニケーション分野)
「ウッドデザイン賞2016」を受賞した4製品

※1

※2

※3

※4

ウッドデザイン賞については、こちらをご覧ください。

Econifaで地域材の新たな用途を生み出す

▲都市での木材活用を継続して提案するイトーキ東京イノベーションセンターSYNQA3F オフィス

イトーキでは従来からスチール製のオフィス家具が主力ですが、国内の森林資源利活用に自社製品を通じた貢献ができないかと考え、2010年より、エコ事業の1つの柱として地域材活用ソリューションEconifaを新規事業としてスタートさせました。

木材活用の従来イメージは、住宅や家庭用の家具といったものが大半で、オフィスへの活用は一般的ではありませんでした。そこで、デザイン性を前面に出し、オフィスビルでの利用ニーズを掘り起こすためのアプローチを練りました。従来品(スチール製やメラミン製)とくらべて、強度面で劣ることや、自然素材のために寸法が変わる(湿度が高い夏場は水分を吸収して膨張し、冬場は乾燥して縮む)ことを、逆に特長として活かせるデザインを実施しています。

同時に、デザインを支える技術の採用を進めてきました。経時変化の少ない集成材(断面寸法の小さい木材を接着して作る板材)の活用は、その一つです。また、屋外向けの製品となると、さらに、耐久性の観点からでハードルが高いのですが、樹脂の加圧注入技術によって寸法を安定させたり、腐りづらくするなど、加工ができるようにもなり、屋外での製品展開も拡がっています。日本の各地にある特徴的な木の活用にも取り組んでいます。たとえば千葉県で海岸(防風)林として植えられている馬刀葉椎(マテバシイ)は、塩害に強く、ノリの養殖の柱としても使われてきましたが、近年ではあまり活用されていません。これを内装材(フローリングや壁材)として製品化しています。

一枚板や節がない木材、硬くて丈夫な木材の価値が高いという考えもある一方、規格化された板材や節のある材、やわらかい針葉樹ならではの魅力もあるように感じています。たとえばイトーキ東京イノベーションセンターSYNQA(東京都中央区)の3Fではやわらかい木材であるスギを床材として使っています。訪問されたあるお客様からは、「同じものにして欲しい」とのご依頼をいただきました。

これまでに導入いただいたお客様からは、デザインに木をとり入れることで「空間が明るくなる」「(設置から4年経つ今でも)木の香りがする」「(クッション性があるので)歩くのが楽しい」といった声をいただいています。Econifa では特定の産地を指定できることもあり、企業のお客様からは、企業の森活動で実践している森の木や自社所有林の木材の有効活用の観点からご相談いただくケースも増加しています。

現在では、全国に納品先を拡げていますが、まだご利用いただけている規模は大きくありません。新しい価値をご提案しながら、さらに地域材の用途を開拓していきたいと考えています。

ソリューション開発本部
ソリューション開発統括部 Ecoソリューション開発室
室長 新田見 篤

多摩産材活用家具への取組み

多摩産材認証制度とは「多摩産材認証協議会」が、多摩地区で生育し適切に管理された森林から生産された木材の産地を証明する制度です。
イトーキでは、この多摩産材の利用拡大を図るために東京都が公募した2011年度から多摩産材の利用拡大事業(提案公募型事業)に参画し、多摩産材を使用した製品づくりや利用促進を現在も積極的に行っています。
また昨年度は「とうきょう森づくり貢献認証制度」に申請しEconifaの42製品が認証されました。
この制度は森づくり活動の実施や、多摩産材を利用した企業や都民等の方々に対し、東京の森づくりへの貢献と、二酸化炭素吸収量及び二酸化炭素固定量を認証し、森づくり活動への参加と多摩産材の利用をより一層促進させることを目的とした制度です。

多摩産材認証協議会

▲多摩産材認証マーク

多摩産材認証協議会

▲とうきょう森づくり貢献認証制度 認証書

やまなし水源地ブランドへの取組み

イトーキは、豊かな森林資源を有し、神奈川県など都市部の水源地でもある山梨県早川町、丹波山村と地元の民間団体とともに、水源林の保全のため木材や地元の資源を活用した魅力ある商品開発や地域活性化につながるイベントの開催や告知活動に取り組んでいます。

▲第2回 全国木のまちサミット

▲エコプロダクツ展2016

国産材利用推進の公的なイニシアチブに参加

イトーキは、国産材利用の普及啓発を目的とする林野庁の「木づかい運動」に参加しており、イトーキ東京イノベーションセンターSYNQAをはじめ、木材利用の普及啓発につながる展示・講演会を行っています。

木づかいニッポン

地域材利用の意義を広め、実需の拡大につなげるため、国産材利用に関する普及啓発活動の強化を図る趣旨のもと、イトーキは林野庁が推進する「木づかい運動」に参加しています。

木づかい運動 感謝状

「平成23年度木づかい運動」で受章した
感謝状

また、東京都港区は、国産木材をたくさん使うことで地球温暖防止に貢献するため、全国に先駆けて2012年10月に「みなとモデル二酸化炭素固定認証制度」を開始しました。これは建物や家具への国産木材の使用を促し、その使用量に応じたCO₂固定量を港区が認証する制度です。2013年には、テナント向け制度も施行されました。イトーキは、認証木材を使った製品等を提供できる登録事業者として、このイニシアチブに参画しています。

uni4m みなとモデル二酸化炭素固定認証制度

間伐材利用を推進

「間伐材マーク」は、間伐や間伐材利用の重要性の啓発および、間伐材への関心を喚起する目的で、全国森林組合連合会が認定を行っているマークです。イトーキは、各地域の間伐材の利用促進を積極的に行っており、当マークの認定を取得しています。

間伐材マーク

生物多様性に配慮した原材料の調達

持続可能な木材の調達を推進

イトーキグループは、自らが調達する木材が、その生産地である森林や地域社会に影響を及ぼす可能性があることを認識し、イトーキグループ木材調達基準を定め、生物多様性のみならず社会的な側面にも配慮した持続可能な木材の調達を推進しています。
その一環として、イトーキグループのみならず、サプライヤーにご協力をいただきイトーキの製品に使用されている木材の樹種、形状、取扱量、原産国(地域)などの把握や、調達基準に則った調達に努め、その調査の範囲を拡大しています。イトーキグループが2016年度に使用した木材は、把握している範囲でパーチクルボードが50.6%、MDFが27.7%、天然木(突板・合板・集成材・無垢材)が21.7%でした、今後も引き続き、木材使用量・原産国の把握に努めます。

イトーキグループ木材調達基準
  1. 森林認証材を積極的に採用していきます。
  2. 建築廃材・リサイクル材(間伐材や端材)を積極的に活用していきます。
  3. 輸送負荷の少ない木材(国産材・地域材)を採用していきます。
  4. 違法に伐採・生産・取引された木材は使用しません。
  5. 絶滅が危惧されている樹種の木材は使用しません。
  6. 地域社会、労働者の生活環境に悪影響を与えている木材は使用しません。
イトーキグループの木材使用実績調査

期間:2016年1月~12月末

イトーキグループの木材使用実績調査

調査対象範囲:イトーキ各製造部、製造系グループ会社3社(※1)、木材使用OEM製品のサプライヤー29社と調査先が昨年より19社増加しました。

  1. 製造系グループ会社のイトーキ東光製作所は、木材を使用した製品がないため、調査対象から除外いたしました。

国際的な森林認証制度 FSC®・COC認証と、PEFC・COC認証を取得

FSC(Forest Stewardship Council® 森林管理協議会)とは、国際的な森林認証制度を行う第三者機関のひとつで、森林環境を適切に保全し、地域の社会的な利益にかない、経済的にも継続可能な森林管理を推進することを目的としています。COC認証とは、Chain-of-Custodyの略で、加工・流通過程の管理の認証です。イトーキはFSC®・COC認証を取得し、FSC認証製品を販売しています。また、2015年9月には、別の国際的な森林認証ラベルであるPEFC・COC認証を取得しました。
森林認証製品は、適切に管理された森の木を使い、家具の材料の調達~製造~販売の木材のトレーサビリティが確保されている製品です。

FSC対応可能製品

FSC・COC認証
認証登録番号: SA-COC-002975
認証発行日 : 2016年10月4日
有効期限 : 2021年10月3日

FSC森林認証マーク

PEFC・COC認証
認証登録番号 : SAPEFC/COC002975
認証発行日 : 2016年10月4日
有効期限 : 2021年10月3日

FSC森林認証マーク

モデルケースとしてのイトーキ東京イノベーションセンターSYNQA

イトーキ東京イノベーションセンターSYNQA(東京都中央区)の1Fフロアは、RC(鉄筋コンクリート構造)建築物のオフィスとしては日本で初めてFSCプロジェクト認証・全体認証を取得しています。1F内装で使用しているすべての木材(置き家具を除く)が、FSC認証材または管理された木材として持続可能な森から産出されたものです。また、伐採、製材、加工、流通、施工まですべての工程で、適切な木材の取扱いを徹底していたことが証明されています。
(2012年プロジェクト申請受理 /認証登録番号: SA-PRO-003742)

「合法性・持続可能性にかかわる事業者認定」に基づく取組み

イトーキは、2006年のグリーン購入法改訂に伴うJOIFA(日本オフィス家具協会)の「合法性・持続可能性の証明に係る事業者認定」を取得しています。これに基づいて、合法性、持続可能性が証明された木材、木材製品の使用・販売を推進するため、木材の流通・加工ルートの確認や社内体制の見直しなど、グリーン購入法適合商品のスパイラルアップを図っています。

JOIFA合法性木材事業者認定書

JOIFA合法性木材事業者認定書

生物多様性保全の発信・啓発

イトーキは、地域材の活用をテーマにセミナー・講演会・展示会への出展の活動を実施しています。2013年より、イトーキ東京イノベーションセンターSYNQA(東京都中央区)で「SYNQA木のシンポジウム」を開催するなど、イベントの開催と講演を通じて、木材活用による環境保全について普及啓発をおこなっています。
また、社外主催の講演会での講師や、子供向けや一般の方向けのイベントなどにも製品やパネル展示などで参加し、幅広く森林保全のための木材利用の大切さ、生物多様性の保全・維持を呼びかけています。

2016年に参加した主なイベント

※一部2016年前後のイベントも含む

2016年に参加した主なイベント

子どもとためす環境まつり

かわさきサイエンスチャレンジ

宮城県グリーン購入セミナー

森林保全活動

イトーキは、2010年より東京都「中央区の森」に区内の企業として、継続して間伐に協力しています。また、創業の地である大阪に大阪府アドプトフォレスト制度を活用した「イトーキの森」の間伐活動を2015年から推進しています。

アドプトフォレストの参加募集案内
(イトーキ労働組合)

間伐等活動風景

2016年度の成果と今後の展望

2016年度も継続して、Econifaの活動による適切に管理された国産材の利用促進、FSC認証材の積極的な活用などを通じて、生物多様性に配慮した製品の開発を実施しています。その取り組みが評価され、4つの作品でウッドデザイン賞を昨年に引き続き受賞することができました。

また、生物多様性に配慮した木材原料の調達、特に違法に伐採された木材や絶滅の危惧がある種の使用の防止についても、引き続き推進しました。2014年度から取り組んでいる、イトーキの製品に使用している木材の樹種、材形状、取扱量、原産国・地域等の把握については、対象とする製品の範囲を拡大し、調査に協力いただいている取引先も、増加傾向です。

生物多様性方針に掲げている環境教育や社会貢献活動を通じて社員の生物多様性保全意識の向上を図ることについて、新入社員研修、中途入社社員研修、社員参加の間伐ツアーを通して教育を実施しました。また、ステークホルダーとともに生物多様性保全活動の推進や、森林保全の重要性を発信していくことについて、イトーキ社員やその家族向け「家族見学会」や社外イベントのかわさきサイエンスチャレンジ、こどもとためす環境まつり等で実施した間伐体験や森林保全教育等を通して実施しました。

これからも、イトーキグループの強みと事業特性を踏まえながら、広い視野で生物多様性への取組みを進めていきます。

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