ご好評いただいている「瀬戸内国際芸術祭2022」レポート。前編では、企業ボランティアとして参加した「こえび隊」体験の様子をお伝えしました。今回は、男木島(おぎじま)でモバイルオフィスカー(※)や、現地のコワーキングスペースで行ったワーケーションの様子をお届けします!
(※)「瀬戸内国際芸術祭2022」のパートナー企業であるイトーキは、社内のクラウドファンディングで製作したモバイルオフィスカーを瀬戸内国際芸術祭に貸出ししています。
2日目|ワーケーション【モバイルオフィスカーでWEB会議】
2日目は、男木島でワーケーションです。昨日のボランティアで、体はほどよく疲れもありますが、この晴天でエネルギーをチャージ。(昨日よりも、かなり暑いです!)スケジュール上、午前中のみのワーケーションになるのですが、存分に体験・取材をしていきます。
▲快晴の青空の下、モバイルオフィスカーのベージュがいい感じに映えています!
高松港で、春会期ぶりのモバイルオフィスカーとご対面。夏会期は主に宇野港でスタッフカーとして活用されていました。この日は、ワーケーションのため、男木島へ一緒にフェリー「めおん」で移動です。
▲「めおん」から、我らのモバイルオフィスカーが!なんだか嬉しい(写真左)
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船から見た男木島(写真右)
白い柔らかな曲線の高松市男木交流館がとてもキラキラと目立っています。この屋根には、8か国の文字が並んでいるそう。公共の建物自体がアートになっているなんて素敵ですね。
男木島の塊/ジャウメ・プレンサさんの作品
「夜には空に向かって光を投射する光景が広がる」
島を訪れた人を迎え入れる半透明の空間。屋根に多様な文字が配され、日中はその影が地面に映る。(公式サイトより引用)
▲色のコントラストが美しい1枚。
▲屋根に書かれたさまざまな文字。漢字やひらがなも!
この日は、なんと熱中症警戒アラートが発令中。当初の予定では、外でモバイルオフィスカーを使って1時間程ワーケーションをする予定だったのですが、あまりの暑さに長時間は難しかったので、時間を短縮することに。短時間のワーケーションではあったのですが、海がとても綺麗で癒されるひとときとなりました。
▲広い空と海が最高です!
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モニター前で、WEB会議のセッティング中です(写真左)
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ドアを開けていると、海風が心地良い!(写真右)
暑さがもう少し和らいだら、こんな気持ちの良い場所で働くこともモバイルオフィスカーと一緒なら可能になるんだなと感じながら、次のコワーキングスペースへ移動します。
「鍬と本」でコワーキング
事前に予約をしていたコワーキングスペースへ。古民家のような扉をあけると、灯りがとても印象的な空間が広がっています。
▲ 到着したときは、私たちだけだったので、広々と使わせてもらいました。
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ここは和室スペース。畳もいいですね(写真左)
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WEB会議があったので、ミーティングスペースを貸切予約(写真右)
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足を置いている床のタイルは、島のタイル職人さんが貼ったもの(写真左)
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ドロップイン(一時利用)1時間まで550円、1時間以降は1日1,100円。リーズナブルですね(写真右)
貸し切りが可能なミーティングルームや、セミナーやワークショップで使用できる和室スペースが設けられていて、とても仕事がしやすい設えでした。当日は、大学生が和室スペースを貸し切っていたり、企業の方がフリーエリアで打合せをしていたりと、お昼前にはさまざまな人が行きかっていました。
▲ 左の男性が「鍬と本」を運営されている有限会社ケノヒ代表取締役の福井さん。
この施設、なんと元は築120年の古い郵便局舎。取り壊される予定だったのですが、運営をされている有限会社ケノヒの代表取締役の福井さんが、「みんなで集い働く場所」として2021年に再生された施設です。
福井さんは、男木島育ち。大阪でデザイン事務所を経営されていたときに、男木島からコミュニティ協議会のWebサイト制作の依頼が来たことがきっかけで、男木島と再び関りを持つことになったそうです。まずは、小学校の再開に向けて奔走し、再開が決定した後に、男木島にUターン。その後も、コワーキングスペースの運営から空き家問題など、男木島の発展に向けて尽力されています。
現在、男木島の人口は約170人、そのうち90人ほどが高齢者、50人ほどが移住者という構成になっていると教えてもらいました。若い人が移住してくることで、島の活性化につながっているそうです。
福井さんは、行政と連携してインフラ整備や空き家のゲストハウス化も現在進行形で手がけているそう!今後の男木島の進化にも目が離せないですね。
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男木島での仕事と生活の場所、鍬と本
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お昼にテイクアウトをさせてもらった『ダモンテ商会』さんも、ご家族で移住して来られたそう。いいお店が増えることで、島に訪れる人も増え、島の活性化にもつながる好循環が生まれていると感じました。
▲パンやお菓子など、美味しそうなものばかり!
▲この素敵なお店は、築100年の古民家の納屋を10ヶ月もの時間をかけてDIYでリノベーションされたそうです。
▲ダモンテ商会でテイクアウトしたサンドウィッチ。自家製のパンが絶品でした~!オンラインでも販売されています。
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ダモンテ商会
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最後にアート鑑賞
ワーケーションの最後に、夏会期からはじまったおすすめの作品を、男木島担当の木田さんにご案内いただけることに。
そして、辿りついた作品がこちらです。
男木島パビリオン/大岩オスカールさんの作品
「想像の世界と実際の風景が一体となる空間」
瀬戸内の穏やかな海を見渡せる場所に、坂
茂による建築設計の建物をつくる。瀬戸内の島々や夕焼けをキャンバスに、大岩オスカールが瀬戸内のイメージを描くという作品。(公式サイトより引用)
▲瀬戸内の絶景と、絵画の融合をずっと眺めていたくなります。
▲こえび隊の方が、作品の説明をしてくださっています!(写真左)
▲災害復興現場でよく用いる紙管を、施設の柱や梁に使っていると教えてもらいました(写真右)
▲角度によって、海に船を浮かべて撮ってみるのも、楽しいです
▲男木島担当の木田さん(真ん中)とイトーキチーム。木田さん、暑い中ご案内いただきありがとうございました!
そろそろ帰りのフェリーの時間が近づいてきました。男木島でワーケーションをしながら、アートも鑑賞することができ、魅力を満喫できました!私たちは時間の関係で、ひとつのアート作品のみの鑑賞となりましたが、他にも注目の作品がたくさんあります。ぜひ、男木島に訪れた際は、たっぷりとアート鑑賞も楽しんでください。この記事を通して、みなさんに少しでも男木島に興味を持っていただけたら嬉しいです。
夏会期の体験を終えて
さて、夏会期の取材レポートはいかがだったでしょうか?
”ボランティア(こえび隊)+ワーケーション”という体験は、私たちも初めてで最初はどうなることやら…という不安もあったのですが、”体験して本当によかった!”というのが、参加してみての率直な感想です。こえび隊を通して、たくさんの素敵な方々との出会いがあり、瀬戸内国際芸術祭をより深く知ることができたのも収穫のひとつです。ボランティアにもさまざま種類がありますが、その魅力として、新たな人や地域との出会いが、普段の仕事・生活にも好影響を与えることがあると感じます。
男木島のワーケーションでは、訪れた「鍬と本」や「ダモンテ商会」、どちらも心からおすすめできる施設・お店でした。瀬戸内の島には、コワーキング施設があまりないので、瀬戸内でワーケーションをされるときには、ぜひ、男木島を候補にしてみてはいかがでしょうか。
今回、一緒にボランティア・ワーケーションを体験したのは、同じ部門のメンバー。ですが、拠点が異なるので、リアルに会えるのは数ヶ月に1度。(オンラインでは、頻繁に会っています!)なので、一緒に過ごせる時間はとっても貴重な機会でした。ともに初めての体験をしたり、その土地の美味しい料理を一緒にいただいたり。仕事以外の話をするのも、やはりリアルだからこそ、より弾んだり!
いろいろな働き方(働く場)が選択肢として増えたことで、人と人とのつながりが時間的に減りつつあるのも事実。そんな中で、ワーケーションは、チームの関係構築のひとつの方法になっていくのではと感じました。社員旅行の“進化版”のように、定期的に(新年度や、プロジェクト立ち上げ時など)ワーケーションをチームでやってみるというのも、新しいチーム作りとして可能性がありそうです。
そんなさまざまなことを感じた夏会期の体験でした。
いよいよ、次の秋会期の取材レポートが最後になります。秋の企画も、新たな発見や気づきをお伝えできるように準備しているところですので、乞うご期待ください!
「瀬戸内国際芸術祭2022<春会期>」のレポートはこちらから
【瀬戸内国際芸術祭2022 開催情報】
会期:
春会期 4月14日[木曜日]—5月18日[水曜日]※終了
夏会期 8月5日[金曜日]—9月4日[日曜日]※終了
秋会期 9月29日[木曜日]—11月6日[日曜日]39日間
会場:
瀬戸内海の12の島+高松・宇野
直島、豊島、女木島、男木島、小豆島、大島、犬島、沙弥島(春のみ)
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本島(秋のみ)/
高見島(秋のみ)/
粟島(秋のみ)/
伊吹島(秋のみ)/
高松港・宇野港周辺
【ご紹介】モバイルオフィスカーMOOW
瀬戸内国際芸術祭に貸出ししている仕様とは異なりますが、4月に日産自動車様と協業し製作したモバイルオフィスカーMOOW(ムーウ)が今年度中に日産自動車様の販売店で販売予定です。