デジタル化が進む現代のオフィスでは、長時間パソコンに向かう機会が増え、従業員の体への負担が大きな問題になっています。そこで注目されているのが、長時間座っていても疲れないオフィスチェアです。体への負担を減らし、快適に仕事ができる環境を作ることは、従業員の健康だけでなく、会社の競争力アップにもつながる重要なポイントとなります。
本コラムでは、オフィスチェアが従業員の仕事効率に与える影響から疲れにくい機能・素材の選び方、適切な買い替えのタイミングまで詳しく解説します。
オフィスチェアが仕事効率に影響する理由
「オフィスチェアが仕事効率に影響する」と聞くと、少し大げさに感じるかもしれません。しかし、毎日座るオフィスチェアの座り心地の良さは、快適さだけでなく、従業員の健康と作業効率に大きな影響を与えます。
まずは、オフィスチェアの重要性や効果について見ていきましょう。
オフィスチェアの重要性
一般社団法人 日本オフィス家具協会(JOIFA)が2017年に実施したアンケートによると、オフィスの性能で注目される項目の中で「椅子の座り心地の良さ」が上位に挙げられています。興味深いことに、この項目は「パソコンの配備」と同程度の評価を得ており、オフィスで働く人たちにとってオフィスチェアの重要性が高いことがわかります。
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参考:一般社団法人 日本オフィス家具協会(JOIFA)「オフィスワーカーから見た、オフィス環境ニーズのトレンド」を探るための調査の実施と、分析結果を踏まえた提言・提案
適切なオフィスチェアがもたらす3つの効果
座り心地の良い、適切なオフィスチェアを選ぶことで、以下のような効果が期待できます。
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疲労軽減と集中力維持
長時間座っていても疲れにくく、集中力を保ちやすくなります。 -
正しい姿勢のサポート
背骨のS字カーブをキープしやすくなり、自然と良い姿勢を保てます。これにより、腰や背中への負担が軽減されます。 -
身体的不調の予防
身体のコリや痛み、疲れが減少します。
これらの効果により、適切なチェアを選ぶことは仕事の効率アップ、そして生産性の向上につながると考えられます。
疲れないオフィスチェア選び、3つのチェックポイント
長時間座っても疲れにくく、快適に使えるオフィスチェアの選び方について、3つのチェックポイントをご紹介します。
長時間座っても疲れない「姿勢サポート」機能
長時間のデスクワークでも疲れにくいチェアを選ぶには、姿勢をサポートする機能が搭載されているかをチェックしましょう。たとえばイトーキのチェアでは、代表的な姿勢サポート機能として以下のようなものがあります。
機能 | 説明 |
ランバーサポート |
S字カーブを描く理想的な姿勢をサポートし、腰の負担を軽減する |
アンクルムーブ・シンクロロッキング |
くるぶしを支点に背と座の角度が連動して傾き、自然な姿勢の変化をサポートする |
ベンディングシート |
座部のインナーシェルに設けられたスリットにより、着座荷重に応じて自在にたわむ機能。座る人の体重に合わせて柔軟に変形するので、お尻や太ももにかかる圧力が軽減される |
これらの機能を備えたチェアなら、長時間座っていても快適に過ごすことができるでしょう。
座面・背もたれなどの調整機能
体格に合わせて座面・背もたれなどが柔軟に調整できる機能も、疲れにくさのポイントです。オフィスチェアのおもな調節機能は以下の通りです。
機能 | 説明 |
座面高さ調整 |
座面の高さを調整することにより、足を床にしっかりと接地し、体格に合った最適な位置や姿勢を取ることができる |
背もたれ角度調整 |
背もたれの角度を調節することで、作業内容や好みに合わせて快適な姿勢がとれる |
座面奥行調整 |
体格に合わせて座面の前後位置を調整できる |
アームレスト調整 |
肘掛けの高さや幅・角度などを調整して、作業に適した腕の位置を保持することができる |
従業員が自分の体格に合わせて細かく調整できるチェアを選ぶことが大切です。これらの機能を活用することで、長時間のデスクワークでも疲れにくい快適な姿勢を維持できます。
快適性とデザイン性を両立する素材選び
オフィスチェアの素材選びは、快適性とオフィス空間になじむデザイン性の両面から考えることが大切です。オフィスチェアの主要部分(背もたれと座面)によく用いられる素材と、その特徴は以下の通りです。
機能 | 説明 |
メッシュ |
通気性に優れ蒸れにくい。伸縮性が高く、背中にフィットする。軽やかな見た目が魅力 |
クロス(布地) |
座り心地が良く肌触りが柔らかい。カラーバリエーションが豊富 |
エラストマー |
柔軟性があり、体の動きに追従する。独特の質感でデザイン性が高い |
ビニールレザー |
耐久性に優れ、お手入れが簡単。水や汚れに強い |
PUレザー |
本革に近い質感で柔らかく、通気性がある。耐久性があり、お手入れが容易 |
これらの素材の特徴を知り、使用環境・デザイン性・メンテナンス性・快適性・機能性などをよく考慮して決めましょう。
オフィスチェアはいつ買い替えるべき?
「今使っているオフィスチェアは壊れていないけれど、少し古くなってきた。そろそろ買い替えるべきだろうか?」と悩む方も多いのではないでしょうか。ここでは、オフィスチェアの標準使用期間と劣化のサインについて解説します。
標準使用期間とは?
標準使用期間とは、日本オフィス家具協会(JOIFA)が定めたオフィス家具の標準的な使用可能期間のことです。オフィスチェアの場合、通常の状態で1日8時間程度の使用を想定して、以下のように定められています。
- 回転椅子・非回転椅子:8年
- 固定椅子(脚が木製)・折りたたみ椅子:5年
ただし、これはあくまで目安であり、使用状況や環境によって実際の寿命は変わってきます。
長時間の使用や過酷な環境、頻繁な自然災害などがある場合は、標準使用期間よりも早く劣化する可能性があるので注意しましょう。
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参考:一般社団法人 日本オフィス家具協会(JOIFA)JOIFA標準使用期間について
劣化のサインと安全性の確認を
オフィスチェアの買い替え時期を判断するには、以下のような劣化のサインに注目しましょう。
劣化のサイン | 説明 |
座り心地の悪化 |
クッション性が失われ、長時間座ると不快感がある |
調整機能の不具合 |
高さ調整やリクライニングが正常に動作しない |
外観の劣化 |
生地の擦り切れや変色、フレームの歪みが目立つ(強度に影響する可能性も) |
異音の発生 |
使用時にきしみ音や異音がする(部品の劣化や緩みが考えられるため、早めの対応が必要) |
姿勢の悪化 |
姿勢が崩れやすくなったり、背中や腰に負担を感じる(サポート機能が低下している可能性も) |
これらのサインが見られる場合は、安全性と快適性の観点から買い替えを検討しましょう。
オフィスチェアを長く快適に使用するためには、定期的なケアが大切です。製品の取扱説明書に記載されているメンテナンス方法に従って、適切に行いましょう。
【企業向け】イトーキのおすすめオフィスチェア
オフィス家具メーカーとして長年オフィスチェアを開発してきたイトーキは、様々なニーズに対応した高機能チェアを取り揃えています。ここでは、イトーキの主力製品の中から、特におすすめのオフィスチェアを5つご紹介します。
アクトチェア
アクトチェアは、「アジャスト&アクティブ」をコンセプトに開発された高機能オフィスチェアです。座る姿勢や身体の動きに柔軟に対応し、ワーカーのパフォーマンスを最大限に引き出します。
座面内部のスリット構造が着座荷重に応じて自在にたわむ「ベンディングシート」や、くるぶしを支点に背と座の角度が連動して傾く「アンクルムーブ・シンクロロッキング」 などにより、快適な座り心地を実現しています。腰への負担を軽減する「ランバーサポート」は、使う人の体に合わせて60mm・7段階の調節が可能です(※ランバーサポート付タイプのみ)。
さらに、体格に合わせて調節できる座の奥行調節機構や、腰部を包み込むバケットタイプのシート など、長時間でも快適に作業ができる工夫が凝らされています。
【詳しくはこちら】
ノートチェア
ノートチェアは、インテリア性とハイパフォーマンスを両立したチェアです。
最大の特徴は、オフィス空間に調和するデザイン性です。樹脂部分の露出を抑え、背もたれまで布地で包み込むことで、洗練された印象にまとめています。張地には、身体にしなやかにフィットするテクスチャードクロスを採用し、豊富なカラーバリエーションで多様なコーディネートに対応します。
機能面では、「アンクルムーブ・シンクロロッキング」を搭載し、くるぶしを支点に背と座の角度が連動して傾くことで、自然な姿勢をサポートします。また、座の奥行調節機構やベンディングシートにより、体格や作業姿勢に合わせた最適なポジション設定が可能です。
【詳しくはこちら】
トルテUチェア
トルテUチェアは、オフィスチェアに求められる機能をコンパクトまとめ、デザイン性と機能性を兼ね備えている点が特徴です。
シンプルな形状と簡単な操作性により、誰でも使いやすく心地よさを感じられます。張地は、廃棄ペットボトルのリサイクル繊維を100%使用した、サステナブルな素材を採用。背・座クッションは交換可能で、製品を長期間使用できるロングライフ設計です。洗練されたデザインがオフィス空間を引き立てます。
快適な座り心地を実現するため、座面後方が傾く「ヒップチルト機構」と、連動して座面全体が前方にスライドする「デュアルモーションロッキング機構」を搭載。これらの機能により、ロッキング時の姿勢変化を抑え、目や腰への負担を軽減します。
【詳しくはこちら】
エフチェア
エフチェアは、機能美をデザインに昇華させたハイパフォーマンスチェアです。腰部はしっかりとフィットする形状でホールドし、肩部は自由に動かせる「フィット&フリー」構造により、長時間の作業でも疲労を軽減します。
素材は、腰から背中をしっかりと支えつつも、通気性の高い「メッシュバック」、または姿勢の変化にフレキシブルに対応する「クロスバック」の2種類から選べます。
くるぶしを支点に背と座の角度が連動して傾く「アンクルムーブ・シンクロロッキング」や、座部のインナーシェルが着座荷重に応じて自在にたわむ「ベンディングシート」など、身体の動きに合わせて柔軟にサポートする機能も充実。さらに、座面高の調節、ロッキングの強弱調節など、調節レバーがすべて座面右下に配置されているため、操作性にも優れています。
【詳しくはこちら】
vertebra03
vertebra03(バーテブラ03)は、デザイン性と機能性を両立させたライトタスクチェアです。
座面が回転するため、座ったままで身体の向きを自在に変えられ、執務室や会議室、ミーティングなど様々なシーンで活躍します。デザイン性を重視したい空間にもぴったりです。
座面は、底突き感を軽減する3次元形状を採用。適切な着座姿勢へと自然に誘導し、前傾・直立・後傾・ストレッチの4つの姿勢変化に対応する座構造により、作業内容や体勢に合わせて柔軟にサポートします。
国産クリの無垢材を切削して成形した木製の「vertebra03 WOOD」は、国際的に権威あるデザイン賞の⼀つであるドイツの「Red Dot Design Award 2024」のプロダクトデザイン部門において、特に優れたデザインに贈られる「Best of the Best」を受賞しています。
【詳しくはこちら】
オフィスチェア選びはイトーキにおまかせください
今回は、オフィスチェアの選び方や機能と素材、買い替えのタイミングについて詳しくご紹介してきました。
イトーキでは、本コラムでご紹介した製品以外にも、様々なニーズに対応した高品質なオフィスチェアを取り揃えています。また、単なるオフィスチェアの選定だけでなく、従業員のパフォーマンスを最大限に引き出すオフィス全体のレイアウトや働き方改革に関するコンサルティングも承っております。チェア1脚に留まらず、空間デザインと一緒にご提案することももちろん可能です。
オフィスチェアの選び方でお悩みの方、オフィス環境の改善をお考えの方は、ぜひイトーキにご相談ください。専門メンバーが、貴社のニーズに合わせた最適なかたちをご提案いたします。