オープンラボ化により研究室の垣根を超えた横断的研究へ変革。世界と闘うオンリーワンの研究施設。
2014年にノーベル物理学賞を受賞した名古屋大学天野浩教授がセンター長を務める窒化ガリウムの研究開発拠点、エネルギー変換エレクトロニクス研究館(C-TECs)。
C-TECsでは、研究室の垣根を越えて分野横断的に研究を推進する環境が整備された。世界と闘うオンリーワンの研究施設を目指した施設環境は、国立大学法人では初の日経ニューオフィス賞ニューオフィス推進賞受賞にもつながった。
吹き抜けと大階段でつながる「ナレッジコモンズ」
吹き抜けと大階段でつながる「ナレッジコモンズ」
4〜6階をつなぐ大階段では、ゼミやオープンセミナーを開催。プロジェクター・スクリーンも設置。通常時はオリジナルで製作したL型ソファを用いて少人数のミーティングなどに活用される。大階段の奥には5階の執務空間が広がる。フロア全体を間仕切のない大空間とし、各研究室の教員や研究員、学生がボーダーレスに活動する。
1階ギャラリーラウンジ
1階ギャラリーラウンジ
未来エレクトロニクス集積研究センター(CIRFE)のミッションステートメント「情熱を増幅させ、伝える」を表現した壁画の前で。
大階段
大階段
ゼミの様子。他の研究室も飛び入り参加可能な場ができている。
5階執務スペース
5階執務スペース
フリーアドレスを採用し、学生と教員が入り混じって活動する。オリジナルの“ 蛇テーブル”は活動内容により組み合わせ自在。
6階共用スペース
6階共用スペース
テーブルにも床にもなる使い方自在の大舞台を設置したスペース。大舞台の塗装はワークショップを開催し入居者自身が行った。
5階コミュニケーションスペース
5階コミュニケーションスペース
ランチやミーティングに利用される。
6階GaN研究戦略室
6階GaN研究戦略室
異形大テーブルを囲む執務席。フリーアドレスを採用。
2階・3階共用スペース
2階・3階共用スペース
産学連携のラボスペースに設けた共用スペース。学生・教員・企業が交わる空間。
2階・3階共用スペース
2階・3階共用スペース
産学連携のラボスペースに設けた共用スペース。学生・教員・企業が交わる空間。
1階ギャラリーラウンジ
1階ギャラリーラウンジ
幅約30メートルに絵巻物のように展開される壁画。ガラス越しに外からも見えるC-TECsのシンボル。
User’s Voice
名古屋大学
施設・環境計画推進室・環境学研究科講師
三森弘氏
C-TECsは国立大学法人特有の諸課題を乗り越えて研究環境を構築しました。限られた予算や実質3カ月という短い検討期間は大きな課題でした。面積としても余裕はないため、空間には可変性を持たせています。そのために家具・什器はオリジナルで製作したものが多く、イトー キには執務スペースの蛇テーブル、大階段のL字型ソファなどキーとなる家具製作を数多く担っていただきました。また、自社製品以外でもコーディネートするなど、柔軟に対応していただきました。営業担当の方には粘り強く対応いただき、私たちの希望を具現化することができました。
Comment
天野教授のミッションステートメント『情熱を増幅させ伝える』のもと、
熱心な教職員WGの方々の思いやアイデアがつまった空間を試作や協議を重ね実現し、
オープンでクリエイティブな研究施設を構築しました。
Designer
杉田 明子
Akiko Sugita