1983年の開設以来、ワーキングショールームとしてお客様に最新のオフィス環境を提案してきたイトーキの名古屋オフィスプラザ。2021年1月、アクティビティ・ベースド・ワーキング（Activity Based Working､以下ABW）を実践するオフィスにリニューアルいたしました。固定席のない816㎡の新オフィスで、約60名のワーカー全員がABWという働き方を日々実践しています。今回は彼らのABWの取り組みについてご紹介します。
新型コロナ流行下にスタートしたプロジェクト
2020年3月に名古屋オフィスプラザのリニューアルプロジェクトが始まりました。新しい働き方を検討する上でコンセプトに据えたのが、自己裁量を最大化し、ワーカー自らが働き方を自律的にデザインする総合的なワークスタイル戦略「ABW」の導入です。本プロジェクトは、イトーキの協業パートナーでABWの創始者であるVeldhoen+Companyにコンサルティングを依頼し、新型コロナウイルスの影響下、リモートで各国のコンサルタントとの検討ミーティングを重ねてきました。
「ありたい姿」を考える
ABW導入を成功させるため、名古屋オフィスプラザで働くワーカーをリニューアルプロジェクトに巻き込むプログラムを計画・実行しました。
まず着手したのがこれまでのオフィスの使われ方やワーカーの働き方の実態調査です。その結果、個人作業の割合が高く、社員同士の交流が少ないことなどが分かりました。また、8割を超えるワーカーが「チームの連帯感が低い」、「仕事に対して意欲的に取り組めていない」と感じていました。
こうした結果を受け、ワーカー全員参加型のワークショップを行い、自分たちの今後のありたい姿を導き出しました。
＜ありたい姿＞
- より良いチームワークで成果を出す
- 社員に選択権を与え、活気に満ちた環境をつくる
- 全メンバーの自己裁量と積極性を高める
「ありたい姿」を実現するためのアプローチ方法
ワークショップで導き出した3つのありたい姿の実現に向けて、「空間」「IT」「行動」の3つの領域からのアプローチの検討を行っていきました。
空間設計にあたっては、ABWの考え方に基づきワーカーの活動を10の活動に分類し、活動ごとに最適な環境をオフィス内にバランスよく配置しました。本オフィスでは大通り側を他者とのコラボレーションを交えたアクティブな活動スペースとし、奥に行けば行くほど一人で行う静かな活動スペースになるよう配置しました。
またリニューアル前と比較して、総席数は21席増の129席に、個室は12室増の18室になりました。一方、新オフィスは旧オフィスと一人あたりの面積は変わらないながら空間自体はゆったりとした印象で、ワーカー個々人が使用できるワークスペースの選択肢も十分に設けられています。これは、ペーパーレスの推進により収納量を70％以上削減し、スペースを創出できたことが大きな効果となって表れています。
次にIT面では、ノートPCとスマートフォンを標準装備とし、必要な社員にはタブレットを追加で配布するなどデバイスやツールを見直し、ワーカーの自律的な働き方をバックアップしました。
そして行動面についてです。活動ベースの働き方は、従来の働き方よりも自身の状態・活動を認識する力や自律的に働き方を計画・実行する能力を必要とします。そのため、ABW運用開始に向けて事前にトレーニングや勉強会を重ね、自身の業務を１０の活動に分解して捉え直すスキルを身につけることや、各活動スペースを利用する際のマナーやエチケットへの理解を深めるなど、活動ベースの働き方に必要なマインドセットを身に付けられるようにしました。
ABW導入＝プロジェクト完了ではない
今回ABWを導入し、ワーカーはその時々の活動に合わせて自由に場所と時間を選ぶ働き方を行っています。コミュニケーションが活性化し、部署を横断した対話も日常的に生まれるなど、目標とした「3つのありたい姿」に着実に近づいています。しかし、ABWは導入したら終わりではありません。運用開始後もABWについての分科会を運営し、加えて満足度調査などを通じて、さらなるABWの浸透や意識改革を継続的に行っています。
名古屋オフィスプラザは体感型ショールームとなっております。ご来場頂いたお客様には、ご見学だけでなく、実際にご自身の業務を行っていただきABWをご体感いただくことも可能です。
以下より見学のお申し込みを受け付けておりますので、ぜひお気軽にお越しくださいませ。皆様のご来館を心よりお待ちしております。
- 2024/1/29に、名古屋オフィスプラザはITOKI NAGOYA DELAとしてリニューアルオープンいたしました。
