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2026/02/09
プレスリリース ワークプレイス コンシューマー プロダクト 展示会・イベント

柴田文江氏登壇、滋賀工場発ワークチェア「SHIGA」イベントレポート

シンプルに見える造形の裏に隠された、デザインと技術の意図

株式会社イトーキ(本社:東京都中央区、代表取締役社長:湊 宏司)は、滋賀工場で開発・生産を行う新ワークチェア「SHIGA」の現地イベントを実施しました。本イベントでは、プロダクトデザイナーの柴田文江氏によるプレゼンテーションに加え、商品企画・設計を担う開発メンバーが登壇し、企画背景からデザインプロセス、製造現場での試行錯誤について紹介しました。

本レポートでは、当日の様子とともに、「SHIGA」に込めた思想や、滋賀工場発のものづくりの背景をお伝えします。

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(左から:イトーキ 商品企画 岡本洋子/デザインスタジオエス 柴田文江氏/イトーキ 開発設計 横山剛士)

SHIGAについて

「SHIGA(シガ)」は、イトーキの滋賀工場で開発・生産を行う新しいワークチェアです。空間に自然に馴染むミニマルな佇まいと、長時間の使用を支える快適性を両立させたプロダクトとして企画しました。
プロダクトデザインは、〈vertebra03〉でも協業したプロダクトデザイナーの柴田文江氏が担当。ワークチェアとしての機能性に加え、複数台並んだ際の見え方や空間全体との調和を意識し、「家具としての椅子」であることを重視してデザインしています。
また、内部には人間工学に基づいた構造を備え、シンプルな外観の中に自然な姿勢変化を支える機能を内包。滋賀工場の設計・製造技術を活かしながら、企画・設計・デザインが一体となって開発が進められてきました。
SHIGA オフィシャルサイト:https://www.itoki.jp/special/shiga
イトーキオンラインショップ:https://shop.itoki.jp/shop/pages/shiga.aspx

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柴田文江氏が語る、「SHIGA」の由来
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プロダクトデザイナーの柴田文江氏が登壇し、「SHIGA」のデザインストーリーを紹介しました。
柴田氏は、名称「SHIGA」が当初はプロジェクトのコードネームだったことに触れたうえで、工場を訪問し、プロジェクトを進める中で、滋賀工場のものづくりの力を強く実感したと説明。メイドイン滋賀の技術や知恵を集結したプロジェクトとして進めたいという想いから、コードネームとして「SHIGA」が生まれたといいます。
そして最終的には、柴田氏自身も「このまま“SHIGA”でいきましょう」と後押ししたことで、製品名として採用されるに至った、と語りました。

「ストレスを感じる場面が全くなかった」─開発チームへの評価

また、開発チームとの協業についても言及し、課題に対して前向きに、創造的に解決していく姿勢が印象的だったとしたうえで、「イトーキと商品開発を進める上で、ストレスを感じる場面が全くなかった」と述べ、商品開発を進める上でのコミュニケーションの質や、ものづくりへの向き合い方を高く評価しました。

「シンプルに、アクセプタブルに」──空間に寄り添うデザイン思想
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デザイン上の狙いは「できるだけシンプルに、アクセプタブルに」。イトーキが空間デザインまで担う企業であることを踏まえ、多様なテイストの空間に合わせやすい椅子を目指したといいます。一方で「シンプルに作るのは難しく、高い技術が必要」であり、その難題を滋賀工場なら実現できると考えたことも強調しました。

圧迫感をなくすための“横ライン”という発想
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形状面では、ワークチェアが並んだ際に生まれがちな圧迫感を減らすため、首元の“抜け”をつくり、縦ラインではなく横ラインを意識して空間に広がりを出すことを初期から構想。さらに、企画側との対話の中で「昇降するキャスタータイプ」だけでなく、「昇降しないパイプ脚(ミーティングチェア的)」も含む3種展開へと発展した経緯にも触れ、「短い開発期間で三つを進めるのはすごいこと」と述べました。

360度どこからみてもA面──ミニマルの裏側にある技術

また、外観のミニマルさの裏側には、堅牢性と柔らかさを両立するための分割構造や、背面・裏面まで含めた“360度どこから見てもA面”仕上げへのこだわりがあると説明。メカ*についても「デザインを実現するために技術が重要」であり、操作部の方向や滑らかさなど“感性に響く使い心地”にまで技術が詰め込まれている点を紹介しました。
*本リリース内で「メカ」とは、ワークチェアの座面下に内蔵されている機構部のことを指します

企画・設計・デザインが交差する、「SHIGA」ができるまで

登壇者:イトーキ 商品開発本部 開発企画室 岡本洋子
イトーキ 生産本部 第1開発設計部 チェア第2開発設計室 チームリーダー 横山剛士
デザインスタジオエス代表 柴田文江氏
クロストークでは、企画・設計・デザインの三者で「SHIGAができるまで」の裏側を深掘りしました。軸となったのは、ワークチェアの座り心地を支える“メカ”を、いかにシンプルな外観と両立させるかという課題です。

“メカを見せずに、座り心地をつくる”という難題
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企画側からは、「必要な機能を取捨選択することで、薄く小さく見せる設計が成立した」ことが語られ、ロッキング角度15度という設計目標も、空間観察に基づく判断として共有されました。
設計側からは、シンクロロッキング機構を“久しぶりの新規開発”としてゼロから組み上げた経緯が語られ、通常は一度作った構造を長く使い続けることが多い中で、「新しい働き方・求められる機能」を踏まえて新メカを作る必要性があったことを説明。デザイン側からの「突起が出るのはダメ」「シンプルに見せたい」という要求と、座り心地に不可欠なメカの要件のせめぎ合いを経て、座り比べを通じて価値を共有し、「これだけの座り心地が実現できるならやろう」と合意形成していった流れが印象的に語られました。

シンプルに見えるからこそ、難易度が高かった
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さらに、背を“分割して成立させる”という造形の難しさについても話題に。分割ラインの品質を工業製品として成立させるため、試作を重ね、心が折れそうになりながらも挑戦を続けたことが共有されました。一見シンプルに見えるからこそ、裏側の難易度が高かったという点が三者共通の認識として語られています。

企画展示について

会場では、「SHIGA」の企画・設計プロセスや完成に至るまでの変遷を紹介する企画展示も行われました。
展示では、初期のラフスケッチや検討モデル、各種モックアップをはじめ、操作性や座り心地を検証するためのモデル、内部構造を可視化したパーツなどを通じて、プロジェクトがどのように具体化していったのかを段階的に紹介。完成品と併せて比較することで、デザインと機能がどのように磨き上げられてきたのかを体感できる内容となっていました。

特に、操作レバーやメカ内部構造、薄型メカボックス、分割構造の背インナーなど、普段は目にすることのない部分も展示され、「空間になじむ佇まい」と「快適な座り心地」を両立するための技術的な工夫を間近で確認できる構成となっていました。来場者は実際に触れながら、設計上の試行錯誤や、細部に込められた意図を感じ取る様子が見られました。

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また、展示スペースでは、平均年齢27歳の設計メンバー6名によるコメントも紹介され、それぞれが担当した工程や「SHIGA」への思いが共有されました。
一般的に、ワークチェアの開発は長年の経験や過去事例をベースに進められることが多い中、本プロジェクトでは若手メンバーを中心とした体制で開発が進行。前例や慣習にとらわれない発想で、「なぜそうなっているのか」「本当に必要か」といった問いを重ねながら、柔軟な発想で設計・検証を重ねたからこそ、これまでになかった機構を採用した“薄型メカ”などが実現できました。

立場にとらわれない意見交換や切磋琢磨が日常的に行われ、課題に対する議論や判断のスピードがプロジェクト全体の推進力につながった点も特徴のひとつです。設計・検証・改善をテンポよく重ねていく中で、チームとしての一体感が醸成されていった様子がうかがえました。

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(左から:イトーキ 開発設計 木村翔、山岡蒼、網浦愛理子/デザインスタジオエス 柴田文江氏/イトーキ 開発設計 奥村夏帆、野沢ゆり子、伴裕介)

ギャラリー

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柴田文江氏について

デザインスタジオエス代表。武蔵野美術大学工芸工業デザイン学科卒業後、大手家電メーカーを経てDesign Studio S設立。エレクトロニクス商品から日用雑貨、医療機器、ホテルのトータルディレクションなど、国内外のメーカーとのプロジェクトを進行中。iF 金賞(ドイツ)、Red Dot Design Award、毎日デザイン賞、Gマーク金賞、アジアデザイン賞大賞・文化特別賞・金賞などの受賞歴がある。2018-2019 年度グッドデザイン賞審査委員長、2022年より多摩美術大学美術学部統合デザイン学科教授を務める。
著書『あるカタチの内側にある、もうひとつのカタチ』

イトーキのワークプレイス事業について

株式会社イトーキは1890年創業。ミッションステートメントに『明日の「働く」を、デザインする。』を掲げ、オフィス家具の製造販売、オフィス空間デザイン、働き方コンサルティング、オフィスデータ分析サービスのほか、在宅ワークや家庭学習用家具、公共施設や物流施設向け機器など、”Tech×Design based on PEOPLE”を強みに、さまざまな「空間」「環境」「場」づくりをサポートしています。
ハイブリッドワークが普及し働く場所や働き方の多様化が進むなか、生産性や創造性を高める空間DX、最適なオフィス運用を伴走型で支援するコンサルティングサービスなども展開。外部デザイナーやパートナー企業との協業も積極的に行い、これからの新しいワークスタイルとワークプレイスを提案しています。

本リリースへの
お問い合わせ先

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報道関係者
お問い合わせ先

株式会社イトーキ
コーポレートコミュニケーション本部
広報課
TEL:03-6910-3910

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