プロダクトデザイナーの柴田文江氏が手がけたSHIGAのデザインは、空間に複数台並んだときの「見えがかり(見た目の印象)」を重視して構想されています。アームレストや背面のシルエットがもたらす「家具」らしい落ち着いた表情。すっきりとした座面下や座面と背面の分離、そして背面のデザイン要素であるボーダーは、オフィスに並べた際の視覚的な水平ラインを生み出し、軽やかな印象を与えます。一見するとジオメトリックでミニマムなフォルムのなかに、エルゴノミクスに基づいて自然に体を支えるカーブを内包することで、美しさと快適性を両立しています。

見た目はシンプルですが、イトーキがこれまで培ってきた椅子作りの知見が結集されています。ロッキングは、くるぶしを起点に背と座が動く「アンクルムーブ・シンクロロッキング」を採用。後傾時に各関節が開くため、体に負荷の少ない自然な後傾姿勢をとることができます。ロッキング機構を含む座面下を薄くすることで、すっきりとした印象を保ちながら、体の動きに合わせて動く心地よさを生み出しました。重厚感のあるアルミを使用したアームレストは、T型肘・アジャスタブル肘の２種類。座面下や肘の操作ボタンには手になじむエラストマー素材を採用し、触り心地にも配慮しています。

豊かなバリエーションもSHIGAの特徴のひとつです。オフィスのデザインに合わせて選べる7タイプの本体仕様に加え、張地は洗練された印象の単色（8色）や軽やかなツートーン（7色）から選べるオリジナルファブリック、北欧を代表するテキスタイルブランド〈Kvadrat〉社のファブリック（3色）、上質な雰囲気をもつ本革（2色）と、多彩なバリエーションをご用意しています。また、フレームの仕上げにはサテン塗装（3色）、アルミミラー、グロス塗装（3色）の3種類を採用。それぞれの素材が持つ質感、そして上質で落ち着いたカラーリングが、毎日座っても「心地よい」と思えるチェアを生み出すのです。

「SHIGA」という名はイトーキの関西工場が位置する滋賀県近江八幡市を表しています。ここは、高い品質を管理する徹底したテクノロジーと技術向上を追い続けるクラフトマンシップが息づく大切な場所です。オフィス家具メーカーとしては貴重な国内生産（JAPAN-MADE）を実現しています。SHIGAの特徴であるコンパクトな座面下など、ミニマムなデザインと機能 を両立するために必要なテクノロジー、長時間利用もできる快適さ、そしてバリエーションの実現。その全てが、滋賀工場だからこそ叶いました。