設備機器事業本部 設備機器商品統括部 電子機器商品部 プロジェクト設計課
ドアン ソン
2025年9月29日
滋賀工場 プロジェクト設計課・制御設計チームで働くドアン ソンさんは、母国ベトナムから来日して1年。シャトル式立体自動倉庫システム「SAS-R(高速化・小型化を追求したシャトル式立体自動倉庫システム「システマストリーマー」の新機種)」の電気制御回路設計を通じて技術を磨き、仲間とともに着実にキャリアアップを目指しています。文化と言語の違いを越え、業務の理解と効率化に取り組む姿をお伝えします。
設備機器事業本部 設備機器商品統括部 電子機器商品部 プロジェクト設計課
ドアン ソン
ベトナム・ハノイ工科大学時代にイトーキの製品に感銘を受け、この会社で成長していきたいと思ったことから、イトーキの採用試験に応募。シャトル式立体自動倉庫システム「SAS-R」の電気制御回路設計のほか、標準製品のカスタマイズ、電気機器の実験にも取り組んでいる。
ハノイ工科大学在籍時に現地で開催されたジョブフェアに参加した際、「SAS-R」のレベルの高さに感動しました。この製品を作っているところはどこだろう……。社名を見ると「イトーキ」と書かれていました。それが私とイトーキとの出会いです。
伺ってみると、きれいなオフィスや生き生きと働いている人が目に留まりました。「この会社で活躍してみたい」と思い、迷わず入社試験を受けることにしました。
現在の部署に配属されてからは、入社するきっかけにもなった「SAS-R」の設計に携わっています。主な業務はお客様の仕様に合わせた図面の変更です。追加部品や形状変更が発生するたびに図面を作成し、現場へ展開しています。
来日から1年。日本語はまだ完璧ではありませんが、周囲の仲間と積極的にコミュニケーションを取るようにしています。わからない専門用語は調べてベトナム語に訳して復習することで、業界用語の理解が少しずつ進み、業務の幅が広がったと感じています。
オフの日には日本語のレベルアップのために地域の日本語勉強会に参加しています。スピーチ大会や地元の祭りにも参加したりと、社外での交流も増えています。
イトーキで働く中で、「なぜ今この部品が必要なのか」「なぜこの作業が発生するのか」を考える習慣が身につきました。これは一緒に働く先輩方の影響が大きいです。製品に関する知識が豊富な先輩方は、仕事を進める上で適切な選択ができています。
私も早くそのレベルに到達したい。まずは業務の中身を理解することが重要だと考えています。例えばSAS-Rで使う部品一つについても用途や目的を理解すれば、教わったときの理解度が高まり、先輩の負担も減らせます。それが最終的に仕事の質向上につながります。
また、日本では作業時間や工数で管理されている点も大きな学びでした。本来2時間で終わる作業に5時間かけても、成果物としては2時間相当のものでしかありません。決められた時間で作業を終えることは、製造工程全体のスケジュールを守ることにもつながります。こうした意識は、自分のスピードアップとスキル向上にも寄与すると感じ、業務に取り組んでいます。
私が今まで行ってきた仕事の中で最も印象に残っているのは、上司からとあるプロジェクトの図面作成を任された時です。それまではサポートが主で、これがメインで任された初めてのプロジェクトでした。
最初から案件を手掛けるのも初めてで、難しい場面の連続だったのですが、先輩や上司の熱心なサポートもあり、無事に完成できました。
スキルを上げて新しい知識を取り入れ、優れた設計士になるのが私の夢です。そのためには、製品について覚えることはもちろん、たくさんの実験をこなしていく必要があります。部品を交換した後、思い通りに動作するか、想定通りの動きになるかというのは、経験を積まないとわかりません。その経験が上達につながるのです。
また、私と同じように滋賀工場で働くベトナムの仲間たちを助けたいと思っています。私自身、日本に来てから銀行口座の開設や病院の受診方法など、日常生活でも困ることは多くありました。これから日本に来たいという仲間がいれば、私が間に立って支援したいと考えています。
そして、滋賀工場には頼りになる先輩方がたくさんいます。仕事がわからない時、優しくフォローしてくれる皆さんに恩返しをしたいです。そのためにも長く日本に住んで働き、その結果、仕事でキャリアアップする機会を得られれば、とても嬉しいです。イトーキと日本の発展に貢献するため、私は技術を磨き続けていきます。
※所属部署・役職・制度は取材当時のものとなります。現時点の情報と異なる場合があります。