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2025/11/21
お知らせ プレスリリース

イトーキ、キユーピーの卵殻をアップサイクルした天板素材を製作

食品副産物を再資源化し、サステナブルな素材開発を共同で推進

株式会社イトーキ(本社:東京都中央区、代表取締役社長:湊 宏司)は、キユーピー株式会社(本社:東京都渋谷区、代表取締役 社長執行役員:髙宮 満、以下キユーピー)が進めるサステナブルな取り組みの一環として、食品製造過程で発生する卵殻をアップサイクルした天板素材を共同で製作しました。
今回製作した天板素材を使用した家具は、キユーピーの「グループ研究開発・オフィス複合施設」である「仙川キユーポート(東京都調布市)」に納入しています。

製作経緯

キユーピーグループは、マヨネーズの製造をはじめとする事業活動で、年間約25万トン(約42億個)もの鶏卵を使用しています。これは、日本の国内鶏卵生産量の約10%に相当します。 こうした製造過程などで発生する卵殻は年間約2万8千トンに及び、同グループは、その100%再資源化を目標に掲げ、取り組みを推進しています。今回イトーキはその取り組みに共感し、家具向け素材として卵殻を活用する新たな提案を行いました。空間デザインの中にサステナビリティのメッセージを“見て伝える”形で実装しました。

素材開発のプロセス

本素材は、卵殻を粉砕したものを意匠として活かすため、透明な樹脂でコーティングし、立体的な質感をもたせた点が特徴です。
当初は卵の成分のみで石膏のような素材を試作しましたが、表面に卵殻が現れず、意匠的な表現が難しいことが判明。そこで、卵殻の存在感を“見えるデザイン”として反映させる方向に転換しました。
試作では、卵殻が浮いたり偏ったりする課題を克服するため、接着層の厚みや固定方法を繰り返し検証。粗目・細目・微粉のそれぞれをふるいにかけ、最終的に粗目の卵殻を選定して使用しました。立体感(凸凹)を活かすため、最終プレスは行わず、自然な陰影と風合いを保ちながら仕上げています。
試作および検証は、イトーキ滋賀工場および研究機関にて実施。開発段階では約30kgの卵殻を使用しています。

  • 廃材排出:キユーピータマゴ株式会社 伊丹工場
  • プロジェクトリーダー:株式会社イトーキ 営業本部 東京支社 多摩支店 井上徹
  • デザイナー:株式会社イトーキ ワークスタイルデザイン統括部 林詠美
  • 設計、組立:株式会社イトーキ 生産本部 技術開発室 澤田浩一

プロジェクトメンバーのコメント

株式会社イトーキ
営業本部 東京支社 多摩支店 井上 徹

キユーピー様より、サステナブルかつ企業ブランディングにもつながる家具更新のご相談をいただき、すぐに開発メンバーと共有しプロジェクトを始動しました。天板のサンプルを複数製作するなかで、卵殻の細かさや密度によって一つひとつ異なる表情が生まれ、試行錯誤を楽しみながら進めることができました。「キユーピーマヨネーズ」100周年の節目に唯一無二の価値を共創できたことを大変うれしく思います。今後も、卵殻のような資源に新たな価値を見出す取り組みを広げていきたいと考えています。

キユーピー株式会社
経営推進本部 総務部 仙川グループ総務オフィスチーム 望月康次

大切なお客様をお迎えするエントランスをより魅力的な場にするため、社内プロジェクトを立ち上げ、方向性を決めるまでに1年以上検討を重ねました。「ホスピタリティ(心地よさ)」「仙川キユーポートらしさ」「コミュニケーション」「サステナブル」を軸とする中、イトーキ様より卵殻活用に関する魅力的なご提案をいただきました。このエントランスはグループ共通の場であることから、天板デザインはグループ従業員の投票で決定しました。エントランスリニューアルは2026年に完了予定です。

今後の展望について:― 家具開発を通じて、循環のデザインをより身近に ―

今回開発した卵殻素材は、単なるマテリアル開発にとどまらず、「企業の理念や活動を空間として表現する家具づくり」への新たな一歩と位置づけています。
イトーキでは、今回のキユーピー様との協業を通じて得た知見を活かし、サステナビリティを“体験できる”家具や空間づくりを今後も推進していきます。
イトーキは「人も地球も活き活きと調和する、やすらぎの空間」を目指し、素材開発とデザインを融合した新たな価値創造に挑戦します。

イトーキのアップサイクル事例

これまでイトーキでは、企業や素材メーカー、大学と連携し、リサイクル素材を活用した家具・空間提案を展開しています。

トヨタ自動車の「TOYOTA UPCYCLE」プロジェクトと連携し、自動車製造工程で発生した廃プラスチックを彫刻的なデザイン家具として再生・導入しました。
詳しくはこちら:https://www.itoki.jp/company/news/2025/2505_toyotaupcycle/

コーヒー豆かすをアップサイクルした素材を用い、香りや質感といった“記憶に残るマテリアル体験”を提供する取り組みも行っています。
詳しくはこちら:https://www.itoki.jp/company/news/2022/2212_cgb/

キユーピーによる卵殻活用の取り組み

キユーピーでは、創業初期から食品副産物の再資源化に取り組んでいます 。 具体的には、卵殻膜は化粧品やサプリメントの原料として、卵殻はカルシウム強化食品や土壌改良剤、肥料などとして有効活用されています。 こうした取り組みは、同社が目指す「食を通じて人と地球の健康に貢献する」活動の一環として、さまざまなメディアで紹介されています 。
詳しくはこちら:https://note.kewpie.co.jp/n/n47c31565a559

イトーキのワークプレイス事業について

株式会社イトーキは1890年創業。ミッションステートメントに『明日の「働く」を、デザインする。』を掲げ、オフィス家具の製造販売、オフィス空間デザイン、働き方コンサルティング、オフィスデータ分析サービスのほか、在宅ワークや家庭学習用家具、公共施設や物流施設向け機器など、”Tech×Design based on PEOPLE”を強みに、さまざまな「空間」「環境」「場」づくりをサポートしています。

ハイブリッドワークが普及し働く場所や働き方の多様化が進むなか、生産性や創造性を高める空間DX、最適なオフィス運用を伴走型で支援するコンサルティングサービスなども展開。外部デザイナーやパートナー企業との協業も積極的に行い、これからの新しいワークスタイルとワークプレイスを提案しています。

本リリースへの
お問い合わせ先

下記お問い合わせフォームより メッセージ欄に「キユーピー卵殻アップサイクルについて」とご記入の上、ご連絡ください。

報道関係者
お問い合わせ先

株式会社イトーキ
コーポレートコミュニケーション統括部
広報課
TEL:03-6910-3910

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