株式会社メニコン 様 社員の声と
オフィスデータを合わせて、
施策検討の優先順位が明確に!

プロジェクト概要

所在地:
愛知県名古屋市
延べ面積:
5,651.22㎡
建築概要:
地上9階 地下1階
入居者人数:
約200名
使用開始:
2023年4月

株式会社メニコン様のメニコン シアターAoiビルのオフィスコンセプトは「五感を刺激するオフィス」。2023年3月竣工後、全席フリーアドレスを導入し、複数フロアにまたがるオフィスにおいて、社員の働き方やオフィスの活用状況や課題を、「Data Trekking」で調査・分析しました。

今回のプロジェクトの経緯や成果を、株式会社メニコン 総務部 総務チーム 佐藤 文昭 様にお聞きしました。

オフィスコンセプトの紹介 五感を刺激するオフィス

2023年3月にメニコン シアターAoiビル(地上9階、地下1階)を竣工し、同年4月より利用しています。オフィスコンセプトは「五感を刺激するオフィス」。オフィスに視覚・聴覚・嗅覚・触覚・味覚を取り入れ、社員が活き活きと働くことのできる環境、活動を以下の取り組みを通して実現しています。

  1. ① フロアごとに特徴のある「トラベル型ウェルネスオフィス」

    フロアごとにシーンが切り替わることで自身が何階にいるのかを体感で分かり、移動が楽しくなるようにしました。

  2. ② スマートクリエーションを実現する「9つの活動」

    スマートでクリエイティブな働き方や業務へシフトしていく取り組みに向けて、「来客会議」、「カフェ」、「集中ワーク」、「対話」、「オンライン」、「ソロワーク」、「ライブラリー」、「グループワーク」、「アイディア」の9つの活動に合わせて社員が専用スペースを選べるようにしています。

  3. ③ 「五感を刺激し」快適に働ける環境整備

    快適な働き方をサポートする仕掛けとして以下を導入しています。 音環境の構築【聴覚的効果】、熱環境の構築【触覚的効果】、サーカディアンリズムの構築【視覚的効果】、バイオフィリック【視覚的効果】、リフレッシュ効果の高い香りの導入【嗅覚的効果】 など

導入動機 社員の所在把握と働き方の充実度を分析するため

新オフィスの働き方では、複数フロアや専門スペースを自由に移動するため、社員の所在を把握し、活動ごとの専用スペースの使われ方をモニタリングすべく、イトーキの位置情報システム「Workers Trail (ワーカーズトレイル) 」を導入。その結果から、働き方の現状把握や、オフィスの変化がもたらす効果を測定したく、イトーキへ相談しました。

実施内容 「Workers Trail」と「Performance Trail」を約半年間実施

「Workers Trail」と併せて、社員のパフォーマンスや健康状態を可視化するイトーキ独自の組織サーベイ「Performance Trail(パフォーマンストレイル)」を実施しました。オフィスが稼働し始めた4月とその約半年後の11月に調査し、6月~10月の位置情報データと掛け合わせて、イトーキに分析していただいた結果、以下のような結果が分かりました。

6F:HomeBase(社員の玄関・拠点)

社内交流スポットである中央テーブル席は、新オフィスを使用し始めてからストレス状態が改善した社員によく利用されていた。特にストレス状態が「5ポイント以上」改善した人は平均滞在時間が「約25%」長かった。

7F:Collabo(交流型執務フロア)

一回あたりの平均滞在時間が、フロア内における他のソロワーク席と比べて 「50%未満」と短く、周辺の会議室で行われるミーティングの前後にタッチダウン的に使われているパターンが多く見られた。

7F:Collabo(交流型執務フロア)

ソファ席エリアは、新オフィスを使用し始めてからストレス状態が「5ポイント以上」改善した社員によく利用されていた。ソファ席での1on1や対話、ミーティングといった活動がストレス改善に寄与していると考えられる。

8F:Focus(集中型執務フロア)

一人用/二人用個室ブースの利用者は、自身のワークエンゲイジメント (業務への熱意・没頭・活力)や他者とのコミュニケーションが「2~3ポイント」高い一方、業務負担についてのスコアは「2ポイント程度」悪い状態にあった。

8F:Focus(集中型執務フロア)

スタンディングタイプの集中席は、一回あたりの平均滞在時間が他のエリアと比べて「50%未満」と短かった。囲われたブースタイプの集中席の使用時間は「20~40%程度」長く、一部で利用者が固定化している傾向がみられた。

導入効果 「なんとなく」が可視化され、運用ルールに優先順位をつけやすくなった

新オフィスのデータ分析をしていただき、今まで自分が目にして「なんとなく感じていたこと」が明確に可視化されていました。
例えば8階の集中執務エリアについて、集中ブースとしての役割は果たしているものの「席の固定化」が起こっているのでは、と感じていたのですが、それはデータからも明らかになっていました。社内へ注意喚起を実施したところ、席の空き時間が増え、利用者も使いやすくなり、さっそくデータ分析から改善につなげることができました。運用ルールの見直しにあたり、データで顕著に課題が表れている箇所と、社員からの声を併せることで、優先順位がつけやすくなったことは大きなメリットです。

今後への期待 リニューアル前に蓄積データを活用した提案を受けたい

今後、「Data Trekking」を利用される企業が増えデータが蓄積されたら、他社様の実績を参考に、分析後の改善提案についてさらに具体的な提案をいただけるのではないかと期待しています。また、新規で家具を導入する際にも「この家具を導入したエリアは快適性のスコアが改善される」「この空間づくりはコミュニケーションスコアが高くなる」というように、事前にデータを活用できるようになると良いと感じています。