「WELL v2(WELL Building Standardバージョン2)」における必須項目または加点項目の要求事項を満たすのに貢献する製品。
WELL認証とは、International WELL Building Institute が多くのエビデンスに基づいて構築した、建物内で暮らし、働く人たちの健康・快適性に焦点を当てた世界初の建物・室内環境評価システム。人にとって快適、安全、健康な建物を客観的に評価する基準として、環境工学の観点のみならず医学の見地から検証が加えられていることが大きな特徴。
2018年にパイロット版としてリリースされたWELL v2は、2020年9月15日に正式版がリリースされました。10のコンセプト(空気・水・食物・光・運動・温熱快適性・音・材料・こころ・コミュニティ)が掲げられて、それぞれに必須項目、加点項目が設けられています。
※2014年10月20日にv1として正式公開されスタート。2018年5月末にパイロット版としてWELL v2がリリース。2020年9月15日にパイロットが外れ正式発表となりました。v1・v2パイロット版は、2020年12月末まで登録可能ですが、2021年1月からはv2へ完全移行されます。
オフィススペース
デスクトップ型の場合:
すべてのコンピュータモニタは、以下の1つ以上を使ってユーザーにより高さ、角度、水平距離を調整可能
a. モニターの高さ調整と角度調整機能
b. モニタスタンド→アームの高さ、角度、水平位置調節機能
ラップトップコンピュータの場合:
すべてのラップトップは、次の要件のいずれかを満たすこと。
a. ラップトップは、別キーボード、マウス、スタンドとペアになっており、ユーザーがラップトップの画面位置を調整できる(高さ、角度、水平距離)
b. ラップトップは、上記オプション1(デスクトップ型の場合)を満たす外付けモニターと一緒に使用される
オフィススペース
ワークステーションの少なくとも25%は、以下のいずれかによって、従業員が座位と立位を切り替えられるようになっている。
a. ユーザーがワークステーションの高さを座位と立位の両方で調整できるようにする手動や電気での高さ調整可能な作業面。
b. 作業台、モニター、主要な入力デバイス(キーボード、マウスなど)のすべてまたは一部を座位用または立位用の高さまで上下できるようにした補助的な仕組み(例:架台)
オフィススペース
従業員用ワークステーションのすべての座席は、ユーザーにより次の調整が可能である
a. シートの高さ
b. シートの奥行き
c. もう1つの追加調整可能要件:
1. 背もたれの高さと腰部のサポート
2. 背もたれ角度
3. アームレストの高さとアームレスト間の距離
オフィススペース
アクティブワークステーションは、主に固定のワークステーション(デスク)で作業するすべての従業員が利用でき、以下の表に記載されている数量で存在し、以下のタイプを含んでも良い。
a. 手動または電動の高さ調節可能なデスク。ユーザーは座位と立位の両方でワークステーションの高さを調整できる。
b. 作業台の全て、または一部とすべての入力機器(モニターまたは画面、キーボード、マウス)を座位用または立位用の高さまで上下させることができる補助的なデバイス
c. トレッドミルデスク
b. エアロバイクデスク
e. ステッパーマシン
アクティブワークステーション | ポイント |
---|---|
ワークステーションの少なくとも 50% | 1(coreは0.5) |
ワークステーションの少なくとも 90% | 2(coreは1) |
全てのスペース
表1に示す1つ以上のカテゴリとそれに対応するしきい値を満足する製品は、表2に示す内容を満足すると表2に示すポイントを獲得できる。
表1:
製品カテゴリー(付録X1から) | 満足するための閾値 |
---|---|
フローリング | コストまたは表面積で90% |
家具、木工品、調度品 | コストで75% |
断熱材、天井、壁パネル | コストまたは表面積で75% |
表2:
達成内容 | ポイント |
---|---|
1つの準拠製品カテゴリー | 1ポイント |
2つ以上の準拠製品カテゴリー | 2ポイント |
a. 以下のいずれかの手法による試験内容やVOC放散値の閾値は以下である:
1. カリフォルニア州公衆衛生省(CDPH)標準メソッドv1.2
2. AgBB
3. I28の試験方法に準拠したEUのLCI VOC閾値
4. ANSI/BIFMA e3-2014のセクション7.6.1または7.6.2(家具)
b. 金属、非処理木材、ガラス、セラミック、石の単品や複合材のみで作られている(有機添加剤なし)
c. カスタムメイドや再生品、湿式材料や木質材料が使われて製造再生される場合の材料は、次の条件を満たす。
1. 製品に塗布されるすべての塗料、コーティング、シーラント、接着剤は、上記a.1~4に記載の規格のいずれかによって、低VOC放散が確認されている。
2. 中密度ファイバーボード、合板、パーティクルウッドパネルを含むすべての複合材ウッドパネルは、L+I80EED v4.1の「低放放散剤」クレジットの「ホルムアルデヒド放散量評価」基準を満たすか、次のいずれかを満たす。EPA TSCAタイトルVI、ヨーロッパE1、日本のF☆☆☆☆(F4)
d. プロジェクト登録の6か月以上前に設置されるか、プロジェクト登録の1年以上前に製造されてその後変更されていない
※「GreenGuard Gold」認証製品が対象です。
全てのスペース
お昼寝ポリシー:
すべての適格従業員は次の要件を満たす。
a. 従業員は、1日のうち30分以上の昼寝または休憩を1回以上取ることができる(食事休憩の時間とは別に)
お昼寝スペース:
すべての適格従業員が次の要件を満たす。
a. 指定された静かなゾーンにある、音響的・視覚的に分離された1つの1以上の環境へのアクセス。
b. 100人の適格従業員ごとに少なくとも1つのリクライニング家具(ベッド、デイベッド、ソファ、椅子、クッション付きロールアウトマット、昼寝用ポッドなど)
注意:指定されたすべてのクワイエットゾーンのS01-1サウンドマッピングのパート1「音響ゾーンのラベリング」を参照する必要あり。1つの部屋を(M06)の昼寝用スペースと(M07)の休憩スペースの組み合わせとして利用できる。 M06ー2、M07ー1の両方の要件を満足している場合に限り、両方のポイントを獲得することができる。
休憩スペース
すべての通常建物使用者は、1つ以上の指定された休憩スペースを利用できる。スペースは屋内でも屋外でもよく、次の要件を満たす一ヶ所または複数のスペースで構成されていても良い。
a.リラクゼーションと休憩のためのスペースである。多目的に使用可能だが仕事には使えない。
b.最低7m2+通常建物使用者1人あたり0.1m2を加えた面積。最大186m2。
c.以下のうち5つ以上を満たす休憩環境を提供する。
1. 照明(例:屋内スペースでは照明調光可能)
2. 音(例:水景の音、自然な音、サウンドマスキング)
3. 熱的快適性(例:屋外空間では日なたや日陰がある)
4. さまざまなユーザーの好みや活動に対応できる座席(可動式軽量椅子、クッション、マットなど)
5. 自然の取り込み
6. 落ち着いた色、質感、フォルム
7. 視覚的プライバシー
d.スペースの目的と使用方法を説明する標識、教育的資料、その他のリソースを含める
メモ:修復スペースが屋外でのみ提供される場合、通年で機能する必要あり。
勤務中のブレイク
プロジェクトは、以下を通じて修復スペースの使用を奨励している
a.全ての従業員には、仕事場から離れての有給の休憩時間がある。
(マガジンスタンド付)
WELL要件ガイド:
冊子またはデジタルのWELL要件ガイドが目立つように表示されているか、全建物利用者が広く利用できるようになっており、次の要件を満たしている。
a. プロジェクトで達成されたWELL要件について説明されている。
b. プロジェクトによって達成されたWELL要件が、居住者の健康、ウェルビーイング、快適さにどのように影響し、C02-2「Integrative Design」のパート2「Provide Health-Oriented Mission」にあるプロジェクトの健康志向のミッションにどのようなインパクトを与えているかを説明している。
コミュニケーション:
次の要件が満たされている
a.プロジェクトによって達成されたWELLの要件にある健康関連のリソース、プログラム、アメニティ、および利用可能なポリシーに関する内容が、四半期ごとのコミュニケーション(Eメール、モジュール、トレーニングなど)として一般の建物使用者に送られ、新入社員が居る場合には新入社員研修として提供される。
全てのスペース
プロジェクトでは、ユニバーサルデザインのベストプラクティスを考慮して、プロジェクト全体を通じて、多様な建物利用者の能力とニーズに対応できるように、次の各カテゴリに少なくとも1つの設計・運用・またはポリシー戦略を実装します。
a. 物理的アクセス:入口、出口および主要な交差ポイントではプロジェクトへの誰もが使える出入りを可能にする。必要に応じて変化に対応するための、スペースの柔軟な使い勝手を可能にする戦略を立てる。(たとえば、階段のない入口や出口、操作可能な窓、自動ドア)
b. 発達的知的健全性:色、テクスチャ、画像、およびその他の多感覚の視覚的に知覚可能な情報を使用する戦略(たとえば、神経多様な個人の感覚要件に対応するため)。
c. 案内経路(Wayfinding):個人がプロジェクトを直感的に移動するのに役立つ戦略(たとえば、標識、触覚マップ、シンボル、聴覚的手がかり、情報システム)。
d. 運用:包括性をサポートし多様なニーズに対応する、運用ポリシーとプログラム(たとえば、多様性と包括性のトレーニング、障害を持つ個人の柔軟な勤務時間)。
e. テクノロジー:すべての建物利用者が無料で、スペースを最大限に活用する(たとえば:視覚障害者または聴覚障害者、または母国語を話さない人を支援するため)のに役立つテクノロジー(たとえば:聴覚および視覚的機器、Webアクセス)を利用できるようにする。
f.安全性:すべてのスペースと設備への容易なアクセスをサポートし、怪我、混乱、または不快感のリスクを最小限に抑える戦略(例:安全性を高めるための照明または見通し線)。