第三者意見

立教大学 経営学部 教授/経済学博士 高岡 美佳

立教大学 経営学部 教授/経済学博士
高岡 美佳

評価できること

全体を通して、『明日の「働く」を、デザインする。』というイトーキのミッションステートメントが明確に反映された良いレポートだと感じます。今回のレポートでは、情報公開が進展し、内容が一層充実した印象を受けます。また、社員や行政関係者といったステークホルダーの声が多く掲載されており、顔の見える報告書となっている点も特徴です。

昨年度、イトーキは持続可能な社会の実現に取り組むにあたってのマテリアリティ(重要課題)を特定しました。注目すべきは、4つのマテリアリティが中期経営計画の重点方針と紐付けられている点です。つまり、イトーキは、CSRを本業の中に組み込み、持続的に展開することをコミットしている誠実な企業であると言えます。

今回のレポートで最も評価したい点は、「働き方変革」に関するイトーキの提案が素晴らしいことです。今後、日本の労働人口が減少していく中で、企業は働き方を大きく見直す時期に来ています。今年度、イトーキでは新たに、国際的なワークスタイル戦略であるABW(Activity Based Working)の考え方を採用し、ワーカー(働く人)の自己裁量を高めることが生産性やワークエンゲージメントを高めることを本レポートで明らかにしました。そして、働き方の変革であるABWと心身の健康を健全に保つwell-beingの概念にもとづく空間品質基準「WELL認証」を組み合わせたオフィス「ITOKI TOKYO XORK」を創出しました。これからの企業にとって生産性の向上は避けて通れませんが、同時に、ワーカーの健康や心地良さを達成できなければ優秀な人材は流出してしまいます。今回、イトーキが提案するワークスタイルの変革は、企業の成長と働く人々の幸せの両立を最終目標に掲げており、生産性向上のみを目的とする他社の提案とは一線を画していると言えるでしょう。

イトーキ自体も、多様な働き方の推進に積極的に取り組んでおり、テレワーク申請者数、有休取得日数、女性管理職比率のいずれも前年より上昇しました。また、2017年より3年連続で「健康経営優良法人 ホワイト500」に選定されています。イトーキの健康経営は病気や虚弱などマイナスの状態をゼロにするだけでなく、社員が活き活きと元気に働くプラスの健康を目標にしている点が特徴です。本業のオフィスソリューションの提供で目指していることとの整合性も高く、イトーキの本気度を見て取ることができます。環境に配慮した製品をつくるだけでなく、それを使う企業やオフィスでのソリューションを追求することで真の社会的責任を果たそうとするイトーキの姿勢を、高く評価したいと思います。

「環境経営」では定評のあるイトーキですが、レポートを読むと着実に進化を遂げていることがわかります。2018年のCO2排出量は2013年比でマイナス1.9%と概ね目標を達成しました。カーボン・オフセットの取り組みも高く評価されており、環境負荷の低減に配慮した製品やサービスを表彰するエコプロアワードで「REDD+を活用したカーボン・オフセットチェア」が「第1回エコプロアワード奨励賞」を受賞したことは記憶に新しいところです。その他、以前から取り組んでいる環境配慮型ワークプレイスの提案件数、Econifaで扱っている木材の調達地域数、ハイブリッド車の導入数も順調に伸びています。一つひとつは地道な活動ですが、誠実に地球環境と向き合うイトーキの姿勢を評価するとともに、今後も積極的に取り組んでいただきたいと考えます。

期待したいこと

報告書を見る限りにおいて、イトーキのCSR活動は十分に高いレベルに達していると思います。次年度は、「環境」以外の取り組みを評価する指標を設定してはいかがでしょうか。指標を設定して目標値を定めることで、イトーキのCSR活動がより前進することを期待したいと思います。

第三者意見を受けて

「サステナビリティレポート2019」について、貴重なご意見を賜り誠にありがとうございます。全体を通して高い評価をいただけたことは、大きな励みとなります。
2018年度、イトーキは「国連グローバル・コンパクト」に加盟したほか、「イトーキグループ調達方針」を策定するなど、より事業を通じて持続可能な社会の実現を目指す体制を整えてまいりました。また、昨年特定した4つのマテリアリティ(重点課題)に沿った活動を展開し、マテリアリティ1(働き方改革)については、ITOKI TOKYO XORKへの移転を中心に強力に推し進め、マテリアリティ2(社員の心と身体の健康)についても、健康経営や多様な働き方の推進など戦略的に取り組んでおります。高岡先生からご指摘いただいた、「環境」以外の取り組みを評価する指標の設定については、現在計画を作成しており、次年度には報告できる見込みです。
今後も、より一層イトーキのサステナビリティ活動を進めるとともに、その説明責任を果たし、社会の持続的な発展に寄与してまいります。

CSR担当 常務執行役員 管理本部長 森谷 仁昭

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