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ABWを実践する社員の声vol.4
~他拠点から異動してきたチームリーダーの働き方~

ABWを実践する社員の声vol.4~他拠点から異動してきたチームリーダーの働き方~

前回の「ABWを実践する現場の声 vol.3~分散して働く社員をマネジメントする経営企画部長が抱える悩みとは?~」では、ABWを行うためのチームビルディングの重要性について紹介しました。チームが一斉に働き方を変えることでのやりやすさや大変さもありますが、チームメンバーよりも遅れてリーダーが働き方を変えることになった場合はどうでしょうか?

今回は、ワークスタイルデザイン統括部 第2デザインセンター チームリーダーの岡純平さん(以下、岡)にチームリーダーとして、またフリーアドレス運用をしていた大阪のオフィスからABWを実践しているXORKへ異動してきたワーカーとしての目線でABWについてお話を伺いました。

ワークスタイルデザイン統括部 第2デザインセンター 岡純平さん

ワークスタイルデザイン統括部 第2デザインセンター 岡純平さん

── XORKに異動になる前の働き方からABWになって何が一番変わったと思いますか?

 私は2年前の人事異動でXORKへ来ました。異動前と比較して変化を実感しているのは、以下の2点です。

一つ目は環境です。特に周囲からの雑音や視線といった面で、業務を妨げる"ノイズ"が気になりにくい状況に変わりました。

異動前のオフィスはフリーアドレスでしたが、例えば1人で集中したい時は会議室やセミクローズな打合せブースで作業しており、ソロスペースが当時はなく集中環境を探しまわることがありました。しかしXORKであれば高集中スペースを利用できるので視線や音に配慮された環境と私語や電話の利用を禁止する運用ルールがあり、集中を阻害されることが少なくなっています。

このようにXORKは「活動※」に合わせた場が明確に定義づけされたオフィスになっています。視線や音環境を考慮したレイアウトになっており、それが生産性向上にも繋がっていると感じています。

イトーキでは日々の業務を「10の活動」に分解し捉え直しています。

イトーキでは日々の業務を「10の活動」に分解し捉え直しています。

二つ目は、コミュニケーションの在り方です。異動前は自分の目で見える範囲内にチームメンバーは在席していましたし、毎日どんな状況なのか相手の表情や行動から自然に感じることができていました。基本的にはオフィスに行けば予定していなくても人に出会える感覚で、もちろんメリットもありますが"集まる"という意味では、偶発性に頼りすぎていたのかもしれません。

XORKに来てからは、ABWという働き方にすでに慣れているチームメンバーがいたため、まずは初心者である私とのGAPを埋めていく必要がありました。例えばチームメンバーはそれぞれ自律的に働いているのに対して、私はメンバーが近くにいないことに慣れておらず、状況が感じ取れないことに不安に感じることが多かったです。メンバーに自律性を与えることや、信頼して任せること、そしてコミュニケーションをとる活動を自らつくるという意識を持ち始めてからはABWの良さを理解して、私自身も自律的に働けるようになったのではと感じています。

── 異動当初、ABWという働き方にどのように慣れていきましたか?

 チームメンバーや顔見知りの社員など、周囲のメンバーに聞いて慣れていったことが多かったように感じます。ABWを紹介する社内向けの動画や資料も見ていましたが、やはりリアルに見たり聞いたりして知った方が身につきました。またXORKには「XORK自治会」という運用・改善を行う部門横断型組織があり、オフィスにおけるルールや運用方法の策定・周知やその徹底、改善活動、またその活動をもとにした経営や主幹部門への提言などを実施しています。その自治会が主催する異動者向けの説明会では、各場所の意味合いや運用ルール、エチケット、ドレスコードの話など公式な概要を理解できました。(XORK自治会など社内推進に関するコラムはこちら:「ABWは始めてからが正念場!社内の推進体制と社員の声のすくい上げ方」

コロナの影響もあり時間がかかったかもしれませんが、感覚としては、半年~1年くらいでマインドも含めABWに慣れてきました。

── メンバーが近くにいない中で、どのようにやり取りを行っていますか?

 現在私のチームは6名で、毎朝9時30分からブリーフィングをしています。基本的には15分以内で終わらせるようにしていますが、業務のひっ迫度合いや共有事項の量によって時間を変えています。ABWでは、意識的に「チームの一体感」を創り出すことが重要だと思い、そのため短時間であっても会話ができる機会をつくっています。これに参加すれば、メンバー各自が一日の予定や連絡事項を共有したり、相談したりでき、私自身も進捗や状況を掴みやすくなります。もちろん別の予定が入ればその予定を優先し、極力負担にならないような雰囲気づくりも意識しています。また毎回デザインや働き方に関連するニュースやトピックスを画面共有し、参加者にとって何か気づきになるような発信を双方向に行うようにしています。

毎朝オンラインで行うブリーフィング

毎朝オンラインで行うブリーフィング

── オフィス勤務と在宅勤務をどのように使い分けていますか?

 その日の活動に合わせて、自宅とオフィスどちらで働くか決めています。例えばスケジュールが詰まっていてフルスロットルで働く必要がある日や、コンペ案件などでメンバーとデザインの検討や提案書づくりなどで集まって協議しながら仕事をしたい日にオフィス出社を選択しています。一方でWEB会議が多い日や提案内容を一人でじっくり集中して考えたい日は在宅勤務を選んでいます。平均週2~3日のオフィス出社で、案件やコロナの感染拡大状況によって調整しています。在宅勤務が以前より増えたことにより、自宅用にモニターや自社のチェアを買ったり、タイルカーペットを敷いたりしてなるべくオフィスの環境に近づけようとしています。自宅の環境も整い、自宅とオフィスの使い分けが出来ているのでどちらも目的にあわせて働きやすいです。

業務の様子

── 率直に、今の働き方で、課題と感じていることはありますか?

 当社はコロナ後の働く環境のあり方として「ITOKI Smart Office*1」という考え方を提唱していますが、今後それを自社でもさらに体現していくためには、ABWの成功に不可欠である「オフィス」「IT」「行動」の3領域をバランスよく組織的に変革させていくことが重要です。特に「オフィス空間や家具から収集されたデータを、いかに活用していくか」については、明日を「働く」をデザインする、イトーキが得意とする分野です。空間とITが繋がる新しい働き方を私たちが実践しブラッシュアップさせていくことで、お客様の提案に繋げていきたいと思っています。

*1 Tech×Design で実現する、創造的に、健康的に、いつでもどこでも協働できる、働く環境のこと。

「ABWの実践には、まずリーダーが強い意志を持って部下を信頼することが重要」と実体験をもとに語ってくださった岡さん。信頼関係を築くために、チームで積極的に集まり、情報共有の場をつくっているという話がとても印象的でした。(参考記事:「信頼関係を築く「コミュニケーションマネジメント」とは

当社が支援するABWコンサルティングサービスでは、オフィスやITの見直しだけでなく、ワーカーの行動変容にも注目し、新しい働き方を一緒に検討していきます。ぜひ導入についてご検討ください。

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ABWとは、最も生産性が高く働ける場所、時間、相手をワーカー自らが選択する、自由度・柔軟度の高い働き方のこと。ABWについて考え、もっと理解できるトピックスが盛りだくさんです。