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ABWは始めてからが正念場!社内の推進体制と社員の声のすくい上げ方

ABWは始めてからが正念場!社内の推進体制と社員の声のすくい上げ方

Activity Based Working (ABW) に関心を持っていただいた方に、必ずと言っていいほどよくいただくご質問があります。それは「どのように運用・管理・社内浸透を行っているのか?」ということについてです。ABWは、例えばオフィスやIT環境など目に見える環境の整備が完了すればそれで終わり、といったものではありません。むしろそこがスタートラインとなります。スタート後、ワーカーがメリットを感じながら働くことができるのか、またよりよい働き方に向けて改善を図れるのかどうかは、新しい働き方を推進する体制にかかっているといっても過言ではありません。

今回は、当社がどのような組織体制で、どのような活動を行っているかを一部ご紹介したいと思います。当社の取り組みもまだ十分でない点がありますが、ABW以外のオフィス運営や、お客様独自の新たな働き方のコンセプトの浸透などにも参考にしていただける点があるかもしれません。

2つの部門横断型組織による運用・改善

当社の本社では、「XORK自治会」「XORK Style推進委員会」という、2つの部門横断型組織による運用・改善を実施していています。「XORK自治会」は入居している各部門から広くメンバーを選出しており、主にオフィスにおけるルールや運用方法の策定・周知やその徹底、改善活動、またその活動をもとにした経営や主管部門への提言などを実施しています。当社ではオフィスにおける「自治会活動」を2004年から実施しており、「XORK自治会」の活動もその流れを汲んだものとなっております。自治会のメンバーは、所属する各部門への周知をはかるアンバサダー的な役割も果たしています。

一方「XORK Style推進委員会」は、大きく2つのミッションを担っています。1つはオフィス空間という枠を超えた働き方そのものの現状把握や課題抽出、施策検討です。もう1つは新たな働き方を実践する経験から新たなビジネスアイデアを生み出すことです。後者は、「明日の『働く』を、デザインする。」をミッションステートメントとする当社ならではの役割と言えます。このミッションにあわせて、委員会のメンバーも①人事や総務、情報システムなどのコーポレートスタッフと②新規ビジネスを創り出す企画開発スタッフで構成されており、垣根無く活発に意見交換を行っております。

このように「XORK自治会」と「XORK Style推進委員会」の役割は少し異なるものの、共通の課題認識を持っていることも多いため、適宜情報共有を行ったり、共同でワーカーに対して発信を行ったりするなど協働しております。

働き方の大きな変化に対応するパルスサーベイ

XORK Style 委員会が実施する主な取り組みの1つが、サーベイによる働き方の現状把握です。現在は年1回、「移転後アンケート調査」を実施し移転前の結果と比較しての効果測定を行うほか、2~3か月に一度、パルスサーベイを通じてワーカーの声を吸い上げています。

パルスサーベイのテーマは多岐にわたります。ABWへの移行直後はペーパーレスをテーマとして、オフィス内を動き回りながら働くことを妨げている要因を把握しました。新型コロナウイルス流行による在宅勤務推奨が始まってからは、その実施状況や在宅勤務の執務環境、オフィスに戻ることに対しての不安感などのトピックスが増えました。国内に前例のない新たな働き方に取り組むうえで、またパンデミックという激しい環境変化に対応するために、とにかくいろいろな角度からワーカーの状況を把握しないと何もできない、と考えました。

定期的に同じ設問を投げかけ、結果の推移を観察するということも現状把握や効果測定の観点からは大変重要です。しかし時勢に合わせて働き方が急速に変化する近年の状況においては、より高い頻度で、その時に必要な情報を収集するという取り組みも、スムーズな運営には欠かせないものである、と考えています。

アンケート画面や社内共有資料の一例

ワーカー向けのオリエンテーションの実施

実施したサーベイの結果は、集計し結果を社内イントラに掲載することでワーカーと共有しています。しかしそれだけにとどまらず、年1~2回、節目では「XORK Styleオリエンテーション」と題して情報共有の場を設けました。内容の一例を挙げると、直近のサーベイの調査結果から、働き方の変化によって得られた成果や課題について認識を共有したり、新型コロナウイルス感染防止のための、オフィス内運用ルールの周知等を実施したりしました。

パンデミックが起こる前は、XORKのカフェスペースで実施していましたが、現在はTeamsのライブイベント機能を使用し、リアルタイム参加も、後日録画の視聴を行うこともできるようにしています。

全てのオリエンテーションはオンデマンドで視聴可能

新たに入社・異動してきたワーカーのフォローも重要

またXORK自治会では、新規に入社した社員、他拠点から異動してきた社員を対象として、ABWの運用を含めたオフィスの使い方を説明するハンドブックの作成・掲示を行ったり、定期的に説明会を開催したりしています。とはいえ、説明を聞くだけでは自身の業務の仕方にどのように反映させたらいいか、というイメージはなかなかつかめません。そこで効果を発揮するのが、こちらのコラムでもご紹介している「チームの合意」という取り組みです。

あらかじめ各チーム内で新たなメンバーの迎え入れ方について協議がなされているため、入社・異動してきたメンバーがいきなり何も分からないまま、新しいオフィスに放り出される、といったことはありません。多くのチームでは、「一定期間は日時を決めて近くで執務するようにする」などの決めごとを行っており、徐々に自由度の高い働き方に慣れていくことができます。また「チームの合意」を定期的に見直す過程で、新メンバーが働き方について困っていることがあればそれもキャッチすることができます。XORK Style推進委員会からは、人事異動が多いタイミングにあわせて、「チームの合意」の見直しを行うよう、各チームに働きかけを行っています。

このように働き方を大きく変えた後、社内でどのように継続・浸透させていくかが最も重要であり、かつ組織によって正しい答えは異なります。当社のABWコンサルティングサービスでは、ABWの導入を30年以上も行ってきたVeldhoen社の知見も活かし、その後の運用までサポートさせていただきます。ご関心のある方は、ぜひこちらより資料をダウンロードいただき、お問合せください。

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ABWとは、最も生産性が高く働ける場所、時間、相手をワーカー自らが選択する、自由度・柔軟度の高い働き方のこと。ABWについて考え、もっと理解できるトピックスが盛りだくさんです。