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Ud&Eco スポットライト

化学物質の少ない街づくりを目指して産学連携「ケミレスタウン・プロジェクト」

「ケミレス」とは、「ケミカル(化学)」と「レス(少ない)」からできた言葉。近年問題になっている「シックハウス症候群」に着目し、化学物質の少ない住環境づくりを目指す、産学連携の取り組みが「ケミレスタウン・プロジェクト」です。千葉大学柏の葉キャンパスの環境健康フィールド科学センターが中心となり、ハウスメーカーなど多数の企業が参画。同センター内に建設された「モデルタウン」において、シックハウスの原因物質の研究や人体に対する影響の解明、建材や家具などの実証実験、シックハウス関連の医療相談など、幅広い活動を行っています。イトーキはこのプロジェクトに、唯一の家具メーカーとして参加しています。

※「ケミレス」「ケミレスタウン」は、NPO次世代環境健康学センターの登録商標です。
ケミレスタウン全体図

ケミレスタウン全体図

戸建住宅や集合住宅を想定した「実験棟」

戸建住宅や集合住宅を想定した「実験棟」

イトーキが家具を提供している「テーマ棟」

イトーキが家具を提供している「テーマ棟」

実証実験に役立てられるイトーキの家具。

テーマ棟内にある、プロジェクト参加企業の展示スペース。

テーマ棟内にある、プロジェクト参加企業の展示スペース。

イトーキは、実証実験や展示、レクチャーなどを行う「テーマ棟」のいくつかの部屋に、ケミレス仕様の家具を提供。100種類以上の化学物質について、温度や湿度、日射などの環境変化に応じた測定を年4回行っています。たとえば、テーマ棟内の部屋に、独自開発の天板素材「アイタルボード」を使用した折りたたみテーブルと「マノスチェア」を置いて測定したところ、ケミレス仕様の家具として高い評価を獲得しました。

イトーキの、さまざまなケミレス仕様製品。

「アイタルボード」は、従来のパーティクルボードと同様に再生木材チップを原料としながら、ホットメルト系接着剤や、電子線照射による表面化粧などの工夫により、高温・多湿の環境下でもホルムアルデヒドの放散量を大幅に削減しています。また、ストローラインの天板に使用している「バイオボード」は、農産廃棄物の麦わらを原料に活用してCO2削減に貢献。さらに接着剤の選定にも配慮して、ホルムアルデヒドの放散を抑制しました。「ハスクボード」も、100%天然籾殻を原料とし、接着剤や表面化粧材の選定に配慮してVOC放散を低減した天板素材。さまざまな製品が当プロジェクトに貢献しています。
環境医学診療科 診察室 エーキューズ(アイタルボード)、シンラインキャビネット(粉体塗装)

環境医学診療科 診察室
エーキューズ(アイタルボード)、シンラインキャビネット(粉体塗装)

環境医学診療科 カウンセリングルーム ミーティングテーブル(ハスクボード)、パズライン(アイタルボード)

環境医学診療科 カウンセリングルーム
ミーティングテーブル(ハスクボード)、パズライン(アイタルボード)

ライブラリースペース ストローライン(バイオボード)、パズライン(アイタルボード)

ライブラリースペース
ストローライン(バイオボード)、パズライン(アイタルボード)

環境医学診療科 検査室 シンラインキャビネット(粉体塗装)

環境医学診療科 検査室
シンラインキャビネット(粉体塗装)

環境医学診療科 事務室 エーキューズ(アイタルボード)、シンラインキャビネット(粉体塗装)

環境医学診療科 事務室
エーキューズ(アイタルボード)、シンラインキャビネット(粉体塗装)

講義室 折りたたみテーブルHMシリーズ(アイタルボード)

講義室
折りたたみテーブルHMシリーズ(アイタルボード)

世界基準の健康環境づくりを目指して。

まだまだ始まったばかりのケミレスタウン・プロジェクトですが、こうした人に優しい環境づくりに早くから取り組み、大きな成果につなげているのが、環境先進国ドイツのフライブルグ市。プロジェクトスタッフは、2008年8月にフライブルグ市の環境政策の拠点であるセンチネル研究所とフライブルグ大学を訪問し、ケミレスタウン実現へ向けて意見交換を行いました。その報告を交え、イトーキのケミレスタウン担当者に、今後の展望などを聞きました。
ドイツで学んだこと
ドイツの人々は健康への意識が非常に高く、健康な環境づくりのためにコストや手間を惜しみません。シックハウス症候群についても、症状や原因などに対する研究や知識の普及が進んでいます。視察したセンチネル研究所は中立的な第三者機関で、フライブルグ大学との連携のもと、化学物質の人的影響を研究し、施工業者へのコンサルティングや室内環境基準の保証を行っています。日本でもこうした中立的な機関による活動を行うことが、シックハウス克服への大きな課題だと思います。
日本の課題
現在、シックハウスに対する日本の取り組みは、厚生労働省の基準に依存する傾向がありますが、この基準によるF☆☆☆☆という認定を受けたからといって、シックハウスが完全に防げるわけではありません。たとえば、政府の基準では室内温度が20℃という条件で化学物質の放散量を調べますが、実際の生活環境では室内が30℃を超えることも多く、放散量も増加します。その他、政府指定の物質以外の化学物質を使って基準をクリアする例もあります。イトーキのケミレス評価においては、室内温度の条件を40℃にまで高めて測定を行っており、この点、化学物質放散評価としてはより信頼性が高いと言えます。
今後の「ケミレス」とイトーキ
予防医学的見地から、次世代のための環境づくりを目指すケミレスタウン・プロジェクト。今後は臨床試験に基づく新たな基準を策定し、「ケミレス認証基準」として普及を図っていく予定です。イトーキでも、誰もが心地よい空気質環境を「環境ユニバーサルデザイン」と位置づけ、オフィスや文教施設、病院施設などに「ケミレス認証」空間の提案を行っていきます。

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