

製造工程で使用する有機溶剤を削減するために、各工場でさまざまな改善を行っています
イトーキでは、製品の塗装工程における有機溶剤の削減を進めています。1988年にデスクの塗装で有機溶剤系の塗料から環境負荷の少ない水溶性塗料に切り替えたことに始まり、2001年からは、メタリック塗料についても水溶性塗料に切り替えました。
また、有害物質を放散しない「粉体塗装設備」を積極的に取り入れています。2004年からキャビネットの塗装ラインの一部を粉体塗装に変更。2007年にはそのキャビネットの全塗装ラインを粉体塗装に切り替えました。2008年には新しく竣工した千葉工場の建材塗装ラインを粉体塗装と水性塗装とし、2009年1月からは、チェアの塗装ラインも粉体塗装に変更しています。
こうした取組みにより、PRTR法で定める報告対象物質(キシレンやエチルベンゼンなど)の取扱量および大気への排出量が大幅に減少しました。
PRTR報告対象物質の取扱量
2009年度 48t → 2010年度 28t (前年比 -42%)
粉体塗装は、有機溶剤や水などを用いない粉末状の塗料を使用する技術です。VOCを含む有機溶剤を使わないため、シックハウスの原因となるホルムアルデヒドやトルエン、キシレンなどを放散する心配もありません。また粉体塗装では、付着しなかった塗料を回収して再利用することも可能となります。このため、従来の方法に比較して廃塗料や汚泥などの廃棄物もなくなります。導入に際しては、排熱や温水の再利用など塗装ライン全体も見直し、環境面で大幅に改善されました。
環境リスクを管理し、製品の安全性確保のため、製品に使用されている化学物質については、VOC(揮発性有機化合物)対象物質の調査と結果資料のデータベース化などを継続して行っています。また、洗浄シンナーのノントルエン化や、環境負荷の少ない塗装への切り替えなど、VOC対象物質取扱量の削減を行っています。
| 工 場 | PRTR政令番号 | 化学物質名 | 取扱量(kg) | 排出量(kg) | 移動量(kg) | |||
|---|---|---|---|---|---|---|---|---|
| 大気への排出量 | 公共用水域への排出量 | 下水道への移動量 | 廃棄物に含まれての移動量 | |||||
| 関西工場 | デスク・パネル (※金庫を除く) |
1 | 亜鉛の水溶性化合物(亜鉛として) | 1,145 | 0 | 0 | 2.9 | 0.6 |
| 金庫 | 300 | トルエン | 1,500 | 1,100 | 0 | 0 | 0 | |
| スチール棚 | 53 | エチルベンゼン | 7,832 | 7,832 | 0 | 0 | 0 | |
| 80 | キシレン | 12,438 | 12,414 | 0 | 0 | 24 | ||
| 300 | トルエン | 5,040 | 5,040 | 0 | 0 | 0 | ||
| 全社合計 | 27,955 | 26,386 | 0 | 3 | 25 | |||
※取扱量には、排出量・移動量以外のデータが含まれています。
※年間1t以上取り扱うPRTR報告対象化学物質のデータです。
※関西工場(金庫)のキシレンは、2010年度の取扱量が1t未満となり報告対象外となりました。
※千葉工場のトルエンは、2010年度の取扱量が1t未満となり報告対象外となりました。
ホルムアルデヒドの放散量が少ない木材や安全性の高い素材を積極的に採用しています
シックハウス症候群、化学物質過敏症など、化学物質は人の健康に大きな影響を与えます。イトーキは、環境負荷の少ない製品を提供するために、化学物質に対する法的規制や日本オフィス家具協会(JOIFA)が定めたガイドラインをもとに、管理・削減を推進しています。
パーティクルボード、MDFや合板などの木質材は、ホルムアルデヒドの放散量が少ないF☆☆☆(スリースター)以上に切り替え、さらに放散量の少ないF☆☆☆☆(フォースター)も積極的に採用しています。

| 放散等級 | ホルムアルデヒド放散量(平均値) |
|---|---|
| F☆☆☆☆ | 0.3mg/L 以下 |
| F☆☆☆ | 0.5mg/L 以下 |
| F☆☆ | 1.5mg/L 以下 |
F☆☆☆☆は、工場で生産されるJIS製品に表示することが義務づけられている、ホルムアルデヒド等級の最上位規格を示すマークです。
一般的にデスクマットの素材として使われてきたポリ塩化ビニル樹脂に含まれている可塑剤が人体に影響を与える可能性があることから使用を全面的に取りやめました。焼却しても有害なガスが発生せず、子どもが口にしても安心な人にも環境にもやさしいオレフィン系樹脂を使用した「エコマット」を採用しています。

中皮腫やガンなど社会問題化した飛散性アスベスト(吹付け石綿等)については、2005年に製品への使用状況を調査し、過去も現在も使用していないことを確認しました。
一方、非飛散性アスベストについては、過去に一部の小型金庫などに含有素材を使用していました。この非飛散性アスベストは通常の使用状況では空気中への飛散の可能性は低いとされています。ただし、アスベスト含有素材を無理にはがしたり、折ったり、切断したりすると飛散することが考えられますので、こうした行為は行わないように注意する必要があります。
また、お客様からお受けした間仕切・内装工事等で発生した非飛散性アスベストを含有する既存仕上材・耐火被覆材の解体撤去の際は、法規制を順守し、石綿含有建材の適切な処理を行っています。
イトーキは、2006年から千葉大学環境健康フィールド科学センター(千葉県柏市)内で進められているケミレスタウン・プロジェクトに唯一の家具メーカーとして参加。医学の専門家、さまざまな企業の皆さまと連携して、シックハウスの原因となるTVOC(トータルVOC)を圧倒的におさえた空間提案のためのノウハウを蓄積しています。