07.インターリンク

現代のオフィスと呼応する、
最小限の美を誇るワークステーション。

イトーキが初めて取り組んだ、ワークステーションとして機能する大型天板テーブル「インターリンク」。2000年初頭からスタンダードとなり始めた「ユニバーサルプラン」で、その真価を発揮します。

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SR…ショールームスタッフ

白鳥…ICT事業企画開発室 室長  白鳥 毅

SR:インターリンクの開発に携わった白鳥 毅さんに、お話を伺います。

白鳥  毅

ICT事業企画開発室 室長。開発部門在籍時にインターリンクの開発を担当した。

白鳥 裕

インターリンクを開発するに至ったきっかけや当時の市場、時代背景を教えてください。

白鳥:インターリンクが発売されたのはイトーキとイトーキクレビオが合併した2005年12月頃だったと思います。発売前、業界では、21世紀の幕開けとともに「2003年問題」が話題の中心となっていました。品川・汐留を中心とした大型ビルの竣工ラッシュの年であり、それにまつわる大量のオフィス需要に対する対応に迫られている、そんな時代感です。イトーキの開発担当者のミッションにも、明確に大型物件への対応支援が組み込まれ、製造を担当する寝屋川の設計部門から、物件対応する東京の設計部門に人員シフトを行う形で、開発側の組織体制は、結構大胆なフォーメーションをとっていました。実際、かなりの頻度でプロダクトコンペが行われ、開発のメンバーは提示される提案依頼書に応える為の対策打ち合わせに奔走していたように記憶しています。

市場では、オフィスは1フロア面積が大きな「メガプレート」+デスクサイズや仕様を統一することで、組織変更に柔軟に対応できる「ユニバーサルプラン」がスタンダードになりつつあり、ワークステーションは連結大型化される傾向でした。当初は、同業他社の商品が、高いデザイン性や機能性または、価格的なアドバンテージを武器に市場を席巻しているように感じました。イトーキは、コムネットテーブルの連結タイプや、営業部門を中心として企画商品化していったフリージョイントデスクで対抗していました。しかし、ワークステーションという視点でみると、全体的に劣勢のまま2003年を終える結果となってしまった印象です。

未曾有の大量オフィス供給年は終了しましたが、オフィスのトレンドとして、メガプレート+ユニバーサルプランは継続し、今後もさらに需要が高まっていくと予測をたてました。そこで、ワークステーションとして使える大型天板のテーブルを改めて考えてみようとして開発した製品が、インターリンクです。開発中に、某自動車メーカーとの商談で大型のワークステーションが欲しいとの要望があり、需要があることが実証され、開発に弾みがつきました。発売から10年経った現在も、売れ筋の製品として販売しています。

SR:インターリンクを開発する過程で、特にこだわった点、苦労したことがありましたら教えてください。

白鳥:シンプルで割り切ったワークステーションにしようと考えていました。というのも、2003年の時は、どこか異常な空気感で市場が沸き立っていました。コンペの度に作られるサンプルは、強引な機能実現や競争上の機能付加が行われることもあり、正直やりすぎではないかと思うこともありました。今一度、冷静に見直し『ワークステーションはどのようなものが望まれているのか』という視点で考え直しました。デザイン的にも機能的にも、装飾的な部分を極力排除し、建築との親和性の高いものをと進めていきました。通常同時には実現しにくい、大スパン+高強度+薄天板という相反する要素に加え、大型天板としてのユーティリティを高める眠り目地という見た目のシンプルさを兼ね備えることは、非常に高い技術ハードルがありました。しかし、当時インターリンクの開発に関わっている関係会社には、スチールハニカム天板や無目地の連結といった独自開発技術が既にあったので、それを組み合わせて製品開発を進めることができました。

SR:今後、どのような製品を開発していきたいですか?

白鳥:現在はICT分野の事業企画を仕事としていますので、その点から考えると、現行ビジネスに対する閉塞感をぬぐえるような、あたらしく希望の持てる事業の創出をしていきたいです。

SR:最後に、白鳥さんにとってインターリンクとは?

白鳥:私にとっては開発した中で最も成功した製品です。近年の中では、お客様に支持され販売を伸ばしたワークステーションだと考えられます。以降の市場動向をみると、新しいスタンダードの1つになったとも考えられます。そういった意味で、私とって、1番の成功商品です。

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