イトーキの地震対策

大規模地震に備えたオフィスの安全対策

大規模地震時における、死傷者の実態

地震が起こった場合、オフィスでもまず注意すべきは家具類の転倒です。
阪神大震災における、原因別死傷者数の内訳を示したグラフを参照すると、
"家電製品・家具の転倒が約46%"
と半数近くを占めています。

出典:「阪神大震災による建造物の損壊と負傷に関する実態調査報告書」
阪神大震災による建造物の損壊と負傷に関する実態調査委員会

東日本大震災では、建物の倒壊だけでなく、家具の転倒や、
天井・間仕切など非構造部材の損傷による被害が発生しました。

近年発生した震度5強~7といった大きな地震の際、建物の倒壊は免れたものの、私たちの働く場である建物内部では、家具の転倒、「建築非構造部材」である"天井の崩落"や"壁の倒壊"が生じ、人的被害を含め甚大な被害が数多く報告されました。

大地震でわかったリスク

[人的被害]

避難経路の遮断

[事業継続の障害]

事務所や
サーバールームの崩壊

[人命保護への障害]

備蓄倉庫
待機スペースの崩壊

家具什器の転倒防止対策の重要性

甚大な被害をもたらす地震への対策はリスクマネジメントの重要課題です。

地震による収納家具への影響

オフィス内での地震による人的被害は、ほとんどが収納家具の転倒などに起因するものと考えられます。
オフィス家具への地震の影響は、転倒や落下による直接的な人的被害の他に避難通路を塞ぐなど二次的な被害が挙げられます。

転倒

転倒

人・物への直接的被害
避難経路を塞ぐ

落下

落下

人・物への直接的被害
避難経路を塞ぐ

移動

移動

避難経路を塞ぐ

変形

変形

収納物の移動・落下

ロッキング

ロッキング

雑音による心理的影響
収納物の移動・落下

収納物・危険物落下

収納物・危険物落下

人への直接的被害
収納物の破損
避難経路を塞ぐ

引き出しの飛び出し

引き出しの飛び出し

人への直接的被害
収納物の破損
避難経路を塞ぐ

扉の開閉

扉の開閉

人・物への直接的被害

家具の転倒防止対策

イトーキは、収納家具の転倒防止から間仕切まで、地震対策をサポートします。

オフィスの地震対策を行う

イトーキは1978年の宮城県沖地震から今日に至るまで、継続してオフィスの地震対策の試験研究に取組み、
安心安全のオフィスづくりをご提案しています。
より現実に沿った状況のシミュレーションを行い、オフィス全体のレイアウトを見直し、対策を考えます。

診断システムの流れ

収納家具の転倒防止対策

イトーキでは収納家具の転倒対策として、以下のような方法をご提案しています。

壁固定
 

壁固定

専用アングルとアンカーボルトなどにより、コンクリート壁に家具を固定する方法です。ただし、軽鉄間仕切壁への固定の際は十分な耐力が得られないことがありますのでご注意ください。

床固定
 

床固定

専用固定金具によりコンクリート床に家具を固定する方法でオフィスのレイアウト、フレキシビリティを配慮する必要があります。

転倒防止ユニット
L-FORCE (エルフォース)

転倒防止ユニット L-FORCE (エルフォース)

大がかりな工事が不要
(1)壁面上部への固定不要
(2)床スラブ・OAフロアへの固定不要

シンプルな構造とスピーディーな施工性で困難なく導入が可能です。
エルフォースは免震L型プレートと床固定金具付ベースで構成されます。

L-FORCE (エルフォース)

地震に強いレイアウト

地震被害を軽減するオフィスレイアウトを検討します。
オフィス家具の転倒リスクを軽減するため、オフィス全体のレイアウトを見直し対策を考えます。
適切な対策を講じるためにも、まずは耐震診断を受けることをお勧めします。

このオフィスの地震対策のポイントは、17点あります。

地震に強いレイアウト

建物の耐震性のチェック

建物は、十分な耐震性能を有しているか否か専門家の耐震診断を受け、不安のあるものについては適切な補強を行うことにより、地震時の被害を軽減することができます。次のような建物は、特に耐震診断を受けることをお勧めします。

①昭和56年(1981年)以前の建築物
②ピロティや大きな吹き抜けがある、壁の位置が片寄っている、プランに凸凹が多いなど、上下・水平方向にアンバランスな建物
③地盤沈下などで基礎が地盤に達していないかまたは歪んでいる建物
④建築確認を受けずに増改築をした建物
⑤地震情報より揺れが大きく感じられる建物。

  1. 背の高いキャビネットは囲われたスペースに集中させる。背合せ連結、横連結等の相互連結を行う。 転倒防止対策を行う。重たいものは下段に収納し全体の重心を下げる。 コンクリート壁前に設置する。
  2. 中間置きの単体収納家具は背合わせに配置し相互連結を行う。床固定を行う。 中間置きの単体収納家具はなるべく背の低いものを選択する。 重たいものは下段に収納し全体の重心を下げる。
  3. オフィス内のキャビネットは人がいる方向に倒れない配置をする。
  4. キャビネットの上に物を置かない。
  5. 金庫は床固定、ズレ防止措置を行う。
  6. 室内のメインとなる避難経路は1.6m以上、その他サブ通路も1.2m以上確保する。
  7. サーバールーム内の家具の転倒防止、防水、防火等の対策を行う。
  8. コピー機や複合機は動線に配置せず、囲われたスペースに配置する。
  9. ローパーティションは直線状に長く配置せず、コの字型等の倒れにくい組合せにする。
  10. 動線の家具に関しては背の低い家具でも床固定を行う。
  11. 窓際に背の高い家具は置かない。 床固定を行う。
  12. デスクは相互連結を行ない、大きな塊として床固定を行う。 デスク下は人が入れるように空間をあけておく。
  13. 災害発生時にオフィス内でテレビ放送が見られるようにする。
  14. 防災備品を保管する場所を確保する。
  15. 災害発生時に緊急対策本部として使用できる部屋を設ける。
  16. 被災状況や出勤困難者情報など、災害時の情報共有の為、ホワイトボードなどを準備する
  17. 制震間仕切X、高耐震間仕切Gの設置

復旧を見据えた対策ポイント

災害対策本部の設置

対策本部は、災害時に既存の会議室に設けられることが一般的ですが、その場合、電源工事や電話工事などを施したあと、数多くの電話、ファックス、コピー機などを持ち込むことになり、体制の構築までに時間がかかってしまいます。
あらかじめ災害時にすぐに対策本部が立ち上げられるように、特定の会議室に対策本部として必要な機能を準備しておくことをお勧めします。

電源の確保

簡易発電機もしくは蓄電池(ソーラータイプ)を備えることで、停電時の明かりはもちろん、携帯電話の充電、パソコンの電源としてもご利用が可能です。

交通手段の確保

対策本部の機能として、まず重要になるのは社員の安否確認や拠点の被害状況、コンピューターシステムの稼働状況、関係官庁、同業各社からの情報など、各種機関情報の把握です。
正確な情報なくして、正確な判断はできません。通信手段は複数かつ何層にもわたって、準備しておく必要があります。
※通信手段の例:固定電話、携帯電話、FAX、Eメール(パソコン/携帯)、衛星携帯電話、TV会議システム など

公共放送

大地震後には、ラジオは貴重な情報源として活躍します。テレビも有効な情報源ではありますが、破損や停電時につかえなくおそれがあります。ラジオの備蓄はいざというときに電源がきれていたり、壊れていたりして使えないということがないように確認しておく必要があります。

情報の可視化 - AVシステム構築

対策本部では、集められた情報をすばやく整理分析して、その情報をもとに迅速な意思決定を行う必要があります。
そのためには、集められた情報や整理分析された情報を効率的に共有できる準備が必要です。

モデルケース

モデルケース

災害記録

災害記録は、決して急ぐ必要はありませんが、役割を決めて、早めに着手する必要があります。緊急時対応や復旧に手を取られて、後回しにされる恐れがあるので注意しましょう。
災害記録は被害の実態と震災対応を中心に記録し、保管しておきます。災害記録は以下のような場合に必要性がでてきます。

  • 同業他社との情報交換をする場合
  • 広報部門がマスコミからの問合せや社員への情報提供を求められた場合

代替オフィス機能の整備

「本社等重要居権の機能の確保」は事業継続の観点から極めて重要な要素です。
本社の中枢機能が破壊されることまで想定した対策の検討が必要です。

本社が被災した場合の代替オフィスの設置に対する考え方

A. 1ヶ所決めておく

東京と大阪の2本社制をさいようしている企業に多くみられますが、主力工場に決めている企業もあります。
メリットが、権限委譲についてあらかじめ規定できることです。
設定のポイントは本社からあまり近いところにしないことです。あまり近いところに決めておくと、同時に被災してしまう恐れがあります。

B. 複数個所決めておく

あらかじめ何ヶ所かに決めておき、できる限り本社に近くて被災していない事業所を仮本社にするという考え方です。
デメリットはあまり細かいことを決めておけないことと、装備に費用がかかることがあります。

C. 拠点間で相互にバックアップ機能を果たす

単純に拠点がメインの拠点のバックアップ機能を果たすのではなく、平時から相互に共通業務を分担して行うことで、災害時に一定の操業度維持する考え方です。

平時

平時

災害時

災害時

重要文書の保護

重要書類等の持ち出しが必要になるのは、地震による火災や爆発の危険性があるときです。地震動により建物が破損しているときに、持ち出すのは危険です。
整理されていない重要書類の山はゴミと同じで役に立ちません。日頃から書類を整理し、守るべき情報資産がどこにあり、どのように管理されているのかを組織として明確にしておく必要があります。

イトーキ ファイリング・システム

ファイリング・システムによる情報資産の管理体制を構築することが、情報を安全かつ円滑に活用するためのルールとなり、災害時の重要文書(紙文書/電子文書)の保護に繋がります。

図面がなければ復旧できない

復旧のために建築図面や技術図面は不可欠です。復旧の責任者にそうした図面を提供する必要があります。
自社で保有していない場合は施工業者など保有しているところから入手する必要があります。
今一度、図面類がどうなっているのかチェックする必要があります。また常に新しい情報に更新しておくことも重要なポイントです。

ファイリングシステム

イトーキの耐震研究への取り組み

イトーキは、独自の地震研究を行うため、業界で唯一の「振動試験室」を自社工場内に設置し、試験を実施しています。

イトーキでは、1978年の宮城県沖地震から今日に至るまで、継続してオフィスの地震対策の試験研究に取り組み、安心・安全のオフィスづくりを提案してまいりました。
未曾有の被害をもたらした、2011年3月の東日本大震災は、多くの尊い命を奪い、あらゆる企業・組織に甚大な被害をもたらしました。東日本地区だけでなく、首都圏でも多くのオフィスが被災し、その後の事業活動に多大な影響を及ぼしました。 私たちは、この東日本大震災での被害を踏まえ、また新たに地震に対する研究をスタートさせました。

振動実験(金庫)

振動実験(金庫)

振動実験(移動棚)

振動実験(移動棚)

振動実験(パーティション)

振動実験(パーティション)

自社振動試験室

自社振動試験室(滋賀工場)


今後も、継続して地震対策への研究に取り組み、
安心・安全なセーフティオフィスの提案をし続けていきたいと考えています。

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