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なんだか・・・ユウウツ

カラダノナヤミ NO.7
ココロの息抜き。できていますか?

気持ちのリセット、ココロの息抜き、できていますか? 最近、ココロのナヤミを持つ働く女性が少なくありません。今回は、杏林大学・精神神経科教授 古賀良彦先生に、上手なココロとのつきあい方について聞いてみました。

古賀 良彦先生

センセイ、最近、憂鬱なのは、どうしてなのでしょう?


もともと、4月、5月は、ココロが不安定になりやすいのですよね。春は異動などがありますから。一般職で異動がないという人でも、苦手な上司が入ってきたり、自分の部署がどこかに吸収されて人との関係が変わったりと、大なり小なり変化が起こる時期です。


それからゴールデン・ウィークは、お休みだからいいと思うでしょ。企業によっては10連休くらいあることもありましたよね。でも、あまりに休みが長く続いても、ココロにとってはよくないんですよ。
人というのは、淡々と、あまり大きなイベントがなく生活しているといいのだけど、良くても悪くても環境が変わったりするとココロが不安定になるということがあるのです。
だから、仕事が始まって突然ウツになったりする人も少なくないのです。



「憂鬱な気分」が「ウツ病」に変わってしまうことってあるのですか?


一時的なものなら心配はいりません。あまり気にしないほうがいいでしょう。「今は憂鬱な時期なんだなぁ~」と思って、やり過ごすことです。でも、毎日の生活の中で、なんか嫌だなぁというのがすごく長引いてしまう状態が続くようだと気をつけたほうがいいですね。そういう軽いウツが今、働く人に多いのです。


ウツなのかなぁと、ちょっと気になったら、次のことをチェックしてみるといいでしょう。
まず、ひとつは不眠。夜中の1時とか2時に目が覚めてしまい、それから眠れないという症状が続いたら気をつけたほうがいいですね。不眠に加え、不安、イライラがひどく、怒りっぽくなったら要注意。また遅刻が多くなったり、朝ぎりぎりになって休みたくなってしまったりしたら、それは、ウツを疑ってみたほうがいいかもしれません。



いったい、何が原因でウツになってしまうのでしょうか。
どうすれば予防できますか?


ウツは予防できるかという点については、残念ながら、まだ医学の世界でもはっきりしたことが言えないんです。ただ、少なくとも、ウツになりやすいタイプはわかっています。自分はそのタイプかどうか、ちょっと知っておくといいですよ。


ウツになりやすい人にはふたつのタイプがあって、ひとつは、まじめで几帳面。社交的で気遣いができる人。働く女性の求められるタイプですね。ふたつめは、意外かもしれませんが親分肌の人。とっても元気で場をとり仕切って、皆を引き連れてごはんを食べに行ったり、居酒屋に行くと中心になって騒いでいるようなタイプ。自分を客観視してみて、ウツになりやすいかもと思ったら、毎日の生活があまりに不規則になってしまうと、ウツになる可能性があるのだと自覚しておくといいでしょう。

古賀先生著「ストレスが多い人のぬり絵」
↑ぬり絵で脳が活性化、ココロもリフレッシュ。古賀先生著「ストレスが多い人のぬり絵」より。

ウツになりやすいのは、ふだんと違う生活をしてしまうということです。とくに、働く女性が避けたいのは、サービス残業や休日出勤など。1週間というのはよくできていて、土日ちゃんと休むからいいんですよね。
それから、一番いけないのは徹夜です。女性の場合は職場で徹夜ということはないと思いますが、まじめな女性は家に仕事を持ち帰って朝までに仕上げたりというようなことをしてしまいがちです。それが、たとえ会社のためになったとしても、あるいは、自分の能力の評価を上げることになったとしても、長い目で見たら、絶対やめた方がいいですね。


さらに、ウツにならないようにするためには、ストレスをためないようにするということです。職場というのは、非常にストレスの要因が多い場所です。ストレスは大きいものではなく、むしろ、小さい要因が重なって、しかも、毎日解消されないと、気持ちに負担がかかってきます。職場なんて、まさにそういうことの連続ですね。ちょっと無理を言う上司がいたり、先輩にいじめられたり、クレームをつけてくるお客様がいたり。
そういう細かいストレスが重なって、解消されずに過ごすと、ボクシングのボディブローのように効いてきて、重いウツに入り込んだりします。

センセイ、そうは言っても、その日のストレスを
その日のうちに解消するのは、けっこう難しいのですが・・・。


毎日のストレスというのは、小さな嫌なこと、気持ちの負担だから、わりと、ちょっとした楽しみを見つけてココロをほぐしていくということが大事ですね。女性がよくするのは、おしゃべりですよね。洒落た串焼きのお店などで、上司の悪口を言って発散するなんていいですね。ちょうどサラリーマンがしていることを働く女性もお洒落な場所でするといいと思いますよ。ただ、毎日やっているとメタボになっちゃうので気をつけて(笑)。
あと、よくストレス解消にいいと言われるのはスポーツですが、働く女性は忙しいので、スポーツジムに入会しても、結局は行かなくなってしまうことが多いようです。


古賀 良彦先生

そうすると、一番いいのは、毎日、家に帰ってスーッと楽しめるもの。自分でちょっとした楽しみを、メニューを変えて作っておくといいですね。たとえば、香りを楽しむとかお花を買って帰る、デパ地下でちょっと奮発しておいしいお総菜を買う、一品だけ自分のために料理する、中国茶を煎れてみるなど。だいたい15分~30分でできる自分の楽しみの時間を作っておくといいですね。

そういう意味で、私がおすすめしているのはぬり絵です。ぬり絵は簡単でいいですよ。パッと開けば、お手本があって、しかも線まで引いてあるので、線をなぞるだけでいいのです。さっと入り込めてけっこう夢中になります。しかも安いので金銭的な負担を感じることもないのでは。

そうして、日々、一瞬でも仕事を忘れて自分のために使う時間をつくることが大切です。よくストレス解消と言いますが、ストレスを消すなんて、実は無理なのです。ですから、こうした小さな楽しみをコツコツ積み重ねて、ストレスがたまらないように対処することが必要です。
それには、仕事で100%の力を出し切らないようにすることが肝心ですね。100%の力を出し切ってしまうと、ストレスを対処する余裕がなくなってしまいます。



それは、仕事をサボる、手を抜くということなのでしょうか・・・。


そうです、と言いたいところですが(笑)、社会に出たらそうはいきませんよね。ただ、メリハリをつけて仕事をすることでココロに余裕を持ってほしいのです。


実は、ストレスをためずに、仕事にめいっぱい力を出すには、小学生みたいな生活が理想なのですよ。小学生は朝日とともに起きてきて、朝食をたくさん食べて、勉強する前にちょっと校庭で遊びますよね。そして、授業の45分おきに休みがあり、お昼もちゃんと食べて、少し運動して15時半に帰る。これがもっともストレスがたまらないリズムなのです。とはいえ、会社員が45分おきに休んだらどれくらい悪口を言われるかわかりません(笑)。だから、せめて、朝食はきちんと食べて、お昼もきちんと休む。そして、できれば、1時間ごとに息抜きをするなど、メリハリをつけて仕事をするようにしてください。

インタビュー/文 岩村明美

古賀 良彦先生

PROFILE
杏林大学医学部 精神神経科主任教授 古賀 良彦先生


精神医学全般の治療のほか、とくに、てんかん、不登校の治療を専門に行う。また、アロマセラフィーを科学的に検証し、臨床への応用を試みているとか。脳の健康を考える日本ブレインヘルス協会理事長としても活動。脳の老化防止、ストレス解消の一つにぬり絵を提唱している。ニッポン放送「森永卓郎と垣花正の朝はニッポン一番ノリ!」に出演した際には、脳とストレス、脳の老化や食べ物との関係などについて、毎回、興味深い話をリスナーに提供している。
杏林大学医学部付属病院:http://www.kyorin-u.ac.jp/hospital/
日本ブレインヘルス協会:http://www.brainhealth.jp/

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